【プロ直伝!】 Roland FA-06 FA-07 FA-08で学ぶ、 一歩進んだキーボード演奏 Vol.4

【第四回】Roland FA-06 FA-07 FA-08ならではの機能を使って、バンド演奏をより快適に!シンセ・サウンドにフォーカスした連載第四回!

【プロ直伝!】
Roland FA-06 FA-07 FA-08で学ぶ、
一歩進んだキーボード演奏

~Simple Tips for keyboard Player~

新しい生活、新しい環境。なにかと新しいコトに挑戦する機会の多いこのシーズン。高校生や大学生の中には、軽音部や軽音サークルに身を投じていく人も多いのではないでしょうか?ここでは2014年の発売以来、多くのキーボード・プレイヤーから絶大な支持を得ているローランドシンセFA-06 FA-07 FA-08を使って、バンド演奏をより快適に楽しむためのノウハウを伝授していきます。

第四回 シンセ・サウンド編

ピアノ、オルガン、ストリングス・・・と来て、今回はシンセサイザー特有のサウンドを紹介していきましょう。単に「シンセの音」と言っても色々なものがありますが、ここではバンドでキーボードを弾く人が「あー、その音使います!」と言うこと違いなし!なものをチョイスしてみました。

これぞ、本家本元!RolandのSuperSawサウンド

まずは、コード弾きにもリフを弾くにも使いやすいこの音。元々は90年代後半にトランスやハード・ハウスなどでよく使われていた分厚いシンセサイザーの音。最近ではロックやメタルなど様々なジャンルで聴かれるようになってきました。

この、複数の波形が重なって滲んだ「SuperSaw」は、実は90年代のローランドJP-8000というシンセで初めて搭載されたんです。今ではローランド以外のシンセにも入っていたりしますが、本家本元のSuperSawサウンドは違います!ビデオのように深めにディレイをかけて歯切れよく弾いたり、CUTOFFノブを回してリアルタイムに変化を付けるとそれっぽくなるでしょう。

国内外で新しい音楽ジャンルを生み出したJP-8000

バンド・アンサンブルに溶け込みやすいBell

倍音成分豊かなBellは、バンド・アンサンブルにも入れやすく、また楽曲の印象をガラッと変えるときにも最適ですね。しかしながら、シンプルなBellだと瞬間的に「カーン」と鳴ってからすぐ消えてしまうため、意外と目立ちません・・・。そこでこのビデオのように、Bellの音の後ろにうっすらと長めの音が重なっているものを選ぶだけでフレーズの存在感が増してきます。

ちなみにこのBellの音もローランドのD-50という歴史的名機を再現しています(贅沢にも、その名機を2台重ねています)。80年代の楽曲アレンジは周期的にブームが来るため、そういった意味でも特に使い勝手がいい音と言えるでしょう。

80年代のプロ御用達シンセ D-50

ギター・ソロに対抗するには・・・?

もう一つ、キーボード・プレイヤーにとって重要なのは「キーボード・ソロ」のシーンで使える音。「ギター・ソロ」と聞くと誰もがイメージできますが、キーボード・ソロってどうすれば・・・?実はFA-06 FA-07 FA-08にはソロを弾くのに最適なリード音が数百種類入っていますが、ここではちょっと”変わり種”を紹介。FA-06 FA-07 FA-08に搭載されているギター・アンプ・シミュレータで加工されたシンセ・リードの音です。

んー、もはやシンセの音じゃないぞ・・・でも、いいんです(笑)。ギター・アンプ・シミュレータに加え、鍵盤タッチによる音のバラつき、演奏終わりのフィードバックなどがギターっぽさを出せているのではないでしょうか。鍵盤を弾くだけでなく、ピッチ・ベンダーを効果的に使うことでスライド効果などを表現するのも重要ですね。ギタリストが弾いている姿を想像しながら弾くと、自然とピッチのコントロールもできるようになると思います。

実は、シンセサイザーもSuperNATURAL仕様

FA-06 FA-07 FA-08にはプロ仕様の音源である「SuperNATURALシンセ・エンジン」が搭載されています。時代を作り上げてきたシンセサイザーたちの特長を忠実に再現している点ももちろん素晴らしいのですが、クラシックなアナログ・シンセサイザーと同じ感覚で音づくりができるよう、非常にわかりやすい構造になっているのです。カラフルな大画面は、こういうときにこそ活きてきます!まずは豊富なプリセット音をお好みにエディットしてみるところからはじめてもいいですね。

特に「シンセの音」というのは、ピアノやオルガンと違って人によって思い浮かべる完成系が様々。ということは、自由な発想で作っていってOK!ということなんです。なにより、オリジナルの音は弾いている人がアガるんですよね。弾き手が楽しく演奏できるかどうかは、実はとっても重要なんです。

次回は、FA-06 FA-07 FA-08に搭載された様々な便利機能の中から、特にライブ演奏に活かせるものを紹介していきます。

講師:上野紘史

東京藝術大学 音楽環境創造科 卒業。 シンセサイザーやデジタル・オーディオ・ワークステーションを駆使しての演奏、作曲・編曲、作詞までもこなすマルチ・クリエイター。 小学生の頃からピアノ、中学 2年からはシンセサイザーに触れ音楽の魅力を追求。 高校3年の半ばで東京藝術大学への進学を志し、見事合格。 藝大卒業後は大手プロダクション スターダスト主催の「SDRオーディション サウンドクリエイター クリエイター部門」に合格。 現在は様々なバンド/ユニットへの参加や楽曲提供を行う傍ら、メジャー・デビューに向け様々なクリエイティブな企画に挑戦するBS11内の音楽番組「ミュージック☆ロード」に 出演するなど幅広い活動を行っている。

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