【インタビュー】V-Drums Pro Users: 村石 雅行

ドラマー村石雅行氏によるV-Drums TD-30KV-Sを使ったパフォーマンス音源です。

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ドラマー村石雅行氏によるV-Drums TD-30KV-Sを使ったパフォーマンス音源を特別掲載。制作にあたってのインタビューと各音源の解説です。
Mood68 – Rock

【使用キット】村石雅行オリジナル・キット

村石: このキットは、プリセット・キットから、僕の意見を加えて大幅に作り替えたキットです。TD-30は楽曲のイメージや自分の欲しい音が満足いくまで作り込めるのがいいんです。この曲は、従来のエレクトロニック・ドラムだとなかなか音が通らないぐらいにオケが分厚いんですが、このドラム音は存在感があってオケに負けていないです。
解説: 新規搭載されたマルチ・エフェクトのサチュレーター(Saturator)を使い、倍音を付加して音を際立たせることで、音が厚いシンセやベースの中でも埋もれないパワフルなドラム・サウンドに仕上げています。新Vハイハット VH-13を演奏した村石氏の人間味溢れるグルーヴ感と、生々しいハイハット・ワークは必聴です。

AfternoonJazz – Jazz
【使用キット】No.12 LoudJazz、No.3 Swingin’

村石: キットは、前半を”LoudJazz”にして後半のギター・ソロから”Swingin'”にしました。これらの音色は、気持ち良くジャズをやっている気分に浸れますね(笑)。音色からインスパイアされてフレーズも湧き出てくるので、ジャズ・ドラマーになりきらせてくれます。ジャズならではの繊細なハイハットとシンバルの演奏にも十分対応している表情の豊かさがすごいですよ。
解説: ヴィンテージ風ライド・シンバルと、コーテッド・ヘッドを強めに張ったキック&タムによる”乾いた”ジャズ・ドラム・キットです。ライドのゆったりとした揺れや、スネアやタムの繊細なタッチが的確にサウンドへ反映されています。また、ミニマム・ボリューム(Minimum Volume)の調整により、スネアのゴースト・ノート一音一音をクリアな音質で聴かせることができるのは、TD-30ならではの強みです。

JungleTone – Drum’n’Bass
【使用キット】No.8 JJ’s DnB

村石: このキットはジョジョ・メイヤー風のサウンドですね。この曲は途中でキットを切り替えているんですけど、実はMIDIで録った後に音色を差し替えたので、1つのキットで最後まで録っているんです。録音した後に音を差し替えるのは、生ドラムでは絶対できないことです。
解説: Vエディットでハイ・ピッチにチューニングされた人力ドラムンベース・キットです。曲の途中でこの音にオーバードライブ(Overdrive)をかけたLo-Fiサウンドやリバース・シンバルを挟むことで、曲の展開にメリハリをつけています。TD-30はライヴ・パフォーマンスで使われることを想定した仕様になっているため、曲の途中で音色を切り替えても音が途切れることのないようになっています。

7/8 crossover – Fusion
【使用キット】No.1 Studio

村石: このキットは、プリセットNo.1 の”Studio”に楽曲の雰囲気に合うようなリヴァーブを少し足して調整したぐらいです。初めてこの音を叩いたときに、”こういうスネアが欲しかった!”って思ったんですよ。
解説: 音の立ち上がりが早く、あらゆる音楽ジャンルにマッチするスタジオ系サウンドです。新規開発のオーバーヘッド・マイクとリヴァーブにより臨場感と残響感が得られ、ドラムと他の楽器音との一体感が生まれます。また、新V パッドの PD-128S により、スネアの繊細なゴースト・ノートやリム・ショットの自然なニュアンスがリアルに表現されています。

Outbreak – Progressive Rock
【使用キット】No.7 LoudRock

村石: これは一番派手な音のキットを選びました。最初のフィルでスネアの連打が入っているんですけど、どれとしても同じ音になっていないっていうのが自然ですごいですよね。キックの音もロックっぽくて、音のツブが綺麗に聴こえます。音作りは、アタックを出すようにEQとコンプを使っています。TD-30はEQやコンプの効きが良くなっているし、グラフィック表示も追加されて使いやすくなっていますよ。
解説: コンプ、EQとルーム・アンビエンスを効果的に使うことで、ドラムのアタックを強調しながら、太い音に作りこんだプログレ/ヘヴィ・メタル風キットです。フィルインでの連打やドラム・ソロのシンバル乱打でも演奏が的確に音へ反映されています。TD-30のサウンドは高品位なレコーディング用途だけではなく、ラージ・スピーカーを使ったライヴPAでも音抜けの良いロック・サウンドが得られるのが特長です。

TD-30での録音について
村石: TD-30は質の高い録音が簡単にできるんですよ。パソコンとオーディオ・インターフェース、そしてV-Drumsがあれば1人でも録音できてしまいますね。そして、今回演奏した曲のバッキング・データ(MP3)はTD-30の付属CD-ROMに入っているので、誰でもこの音源と同じような録音ができます。それと、今回MIDI録音を一緒にしたんですが、MIDIで録ってしまえば、叩いた後でも”このゴースト・ノートが小さいから、もう少し上げよう”、”スネアの音色を差し替えよう”っていうこともできてしまいます。
解説: 曲中のドラム・トラックのサウンドはTD-30のデジタル・アウトから直接録音しています。DAWソフトウェアのエフェクト・プラグインを使用しなくても、TD-30本体のパッド・コンプ/EQ、アンビエンス・セクション、マルチ・エフェクト、マスター・コンプ/EQを調整することで、質の高いレコーディングに匹敵するドラム・トラックが完成します。

All Songs Performed by Masayuki Muraishi (V-Drums)
All Songs Composed by Uprize Inc.

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