こんにちは。ローランドサポート窓口の WEB 担当がお送りするローランド・ブログ「サポートカテゴリー」です。皆さまからの様々なリクエストにお応えするべく、今回は、知っておくと便利な MIDI の基本をご紹介いたします。ぜひご覧ください!!
自分の楽器が MIDI に対応していることは知っていても、なかなか MIDI についてイチから学ぶ機会がなく、「MIDI って何に使うの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなあなたに向けて、MIDI を使うならこれだけは知っておきたい!!という内容をご紹介します。
MIDI とは、種類の異なる楽器やソフトウェア間でも演奏情報などをやりとりできる共通の規格です。
MIDI 機器同士でやりとりする情報は「MIDI メッセージ」とよばれ、一方の機器からメッセージを送って、メッセージを受け取ったもう一方の機器をコントロールすることができます。
送信側と受信側は、ゲーム機とコントローラー、テレビとリモコンと同じような関係と考えましょう!
MIDI 機器同士は、MIDI 端子同士を MIDI ケーブルで接続します。
USB ケーブルや Bluetooth で接続できる製品もあります♪
また、シンセサイザーなどの単体で演奏ができる製品も、鍵盤やペダルなどのコントローラー部と、音を発生させたり変化させたりする部分が MIDI メッセージのやりとりをして演奏ができるようになっているんです。そのため、楽器単体で演奏する方でも、MIDI のことは知っておいて損はありませんよ♪
MIDI メッセージにはたくさんの種類がありますが、ここではよく使われる代表的なメッセージをご紹介します!
■ ノート・メッセージ
ノート・メッセージは、鍵盤の操作情報を伝えるメッセージです。音楽制作ソフトでの”打ち込み”作業で打ち込むのもノート・メッセージです。
ノート・メッセージは、「どの鍵盤」を、「どれくらいの強さ」で、「どれくらいの時間押さえた」か、という情報をもっていて、ノート・メッセージを受信した”音源”がその情報をもとに演奏を再現します。
ノート・メッセージは、鍵盤楽器だけでなく、電子ドラムやエアロフォンなどの電子楽器からも演奏情報として送信でき、音源を鳴らしたり音楽制作ソフトに録音したりすることができます。
■ コントロール・チェンジ (CC#)
コントロール・チェンジは、さまざまな機能をコントロールするメッセージです。
どんな機能をコントロールするかをコントローラー・ナンバーで区別し、値(バリュー)でその機能をコントロールします。
コントロール・チェンジは製品によってさまざまな方法で出力することができますが、演奏に使われる代表的な例としてシンセサイザーのモジュレーション・レバーを操作したときをみてみましょう。
モジュレーション・レバーを動かすと、コントローラー・ナンバー 1 が送信されます。コントローラー・ナンバー 1 はビブラートをかける「モジュレーション・メッセージ」で、レバーの倒し具合でビブラートの強さを変化させることができます。
送信側のコントローラーから出力できるコントローラー・ナンバーは、製品によって固定だったり、設定で変更することができます。
一方、各コントローラー・ナンバーに対応する機能は受信側の製品によって異なりますが、多くの製品に共通して使用可能な、演奏表現に使える代表的なメッセージをいくつかご紹介します。
■ プログラム・チェンジ (PC#)
プログラム・チェンジは音色を切り替えるメッセージです。受信側の機器に用意されている音色や設定を呼び出すときに使います。
主に送信側の機器で音色や設定を変更したときに出力され、受信側の機器の音色や設定を連動して変更することができます。
プログラム・チェンジは、0 ~ 127 の番号があり、プログラム・チェンジだけでは 128 個より多い音色は選ぶことができません。
そこで、プログラム・チェンジに加えてバンク・セレクトというメッセージを組み合わせて使われます。これにより、
もの音色を選ぶことができるんです。
複雑に感じるかもしれませんが、「〇年 △組 出席番号□番」でたくさんの生徒を区別できるのと考え方は一緒です(笑)
受信側の機器の音色に対応するバンク/プログラム・チェンジは、製品の取扱説明書に記載されているほか、本体で確認や変更ができる製品もあります。
なお、バンク・セレクト MSB / LSB は、コントロール・チェンジです。これも覚えておきましょう。
「バンク・セレクト MSB」 = 「コントローラー・ナンバー 0(CC#0)」
「バンク・セレクト LSB」 = 「コントローラー・ナンバー 32(CC#32)」
FANTOM-0 シリーズのサウンド・リスト。音色ごとに呼び出すための番号が記載されています。
■ MIDI チャンネル
MIDI 接続された機器同士は、MIDI チャンネルという 1 ~ 16 のチャンネルでメッセージをやりとりすることができます。
ここまでご紹介したメッセージは 「チャンネルメッセージ」 とよばれるもので、メッセージのやりとりには送り手の送信チャンネルと受け手の受信チャンネルが一致している必要があります。
たとえば、送信側のチャンネルが 1 の場合、受信側は MIDI チャンネル 1 でメッセージを受け取ることができ、それ以外のチャンネルではメッセージを受け取れません。
MIDI チャンネルは、製品の設定で変更することができます。一部、チャンネルの変更ができない製品もありますが、その場合はもう一方の製品側の設定でチャンネルを合わせてあげましょう。
MIDI 対応機器同士を接続するとすぐに動かせたりすることも多いですが、これはチャンネルがたまたま合っていたり、どのチャンネルでも音が鳴るようになっていたりするだけなので、トラブルを防止するためにもどのチャンネルを使っているかはしっかり把握することをおススメします!
今回はひとまずここまで。
少しでも MIDI のことを理解できたと感じていただけたら、ぜひ MIDI の活用にチャレンジしてみてくださいね。もう使っていない古いキーボードなども活用できるかもしれませんよ!
次回は製品別の MIDI 活用法をご紹介する予定です。お楽しみに!
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