【Artist】今知っておきたい、ドラムの話。

ドラムを始めたばかりの人も、腕に覚えのあるドラマーも、誰から見てもカッコよく、かつ美しくドラムを叩きたいはず。セッティング、フォーム、衣装―みんなどうしてるんだろう?そんなドラムのあれこれを、「ねごと」の澤村小夜子さんに聞いてみました。

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タムの配置は“ミッキーマウス”。シンバルは川が流れるようにセッティング

力を抜いて大きな音を出すっていうのは、パワー重視の男の子たちにとっては“目からウロコ”の、女の子ならではの発想かもしれませんね。

澤村 – 女の子のドラムって、やっぱり、独特ですよね。音に柔らかさがあるというか、母性が出ている感じがします。ドラマー同士で集まる時も、男性ドラマーからは、よくそういうことを言われます。女の子って、男の子のようなパワフルでカッコいい演奏もできますけど、逆に男の子って、女性的なふくよかなドラムって、なかなか叩けないんです。おそらく、筋肉の付き方とかの違いによるんでしょうけど、「女の子のドラマーってイイな」って、よく言われます。あと、女の子はスカートも履けますからね。夏フェスとかで、「涼しそうだよねー」って、よく羨ましがられますよ(笑)。

確かに(笑)。ちなみに、スティックは、どんな感じで握っているのですか?

澤村 – あんまり力は入れてないなぁー。飛ばさないように、スティックに滑り止めテープを巻いてますけど、指は本当に軽く添えるくらい。小指は完全に(スティックから)離れてますね。最近になって気が付いたんですが、右手はスティックの長さギリギリに持つんですが、左は小指の位置から2~3cmくらい出て感じで、短めに持ってるんです。無意識だったので、自分でもビックリしたんですが、自然とそうなったのだから、これが叩きやすい持ち方なんだろうと思って、無理して直さずに、そのままにしています。

▲「ドラムを叩くときは、靴は履かずに裸足でやってます」

セッティングに関しても、叩きやすいように工夫しているポイントはありますか?

澤村 – スネアの高さは、お腹のちょっと下くらいかな? ただ、私はイスの高さをよく変えるので、それによって動かします。

時期によって、ベストなイスの高さが変わるんですか!?

澤村 – ずっと同じ高さのイスでやってると、何だかちょっと感覚がおかしくなってくるんですよ。だから、イスの高さはちょこちょこ変えています。半年以上、同じ高さでプレイすることはないかもしれません。タムは、バスドラムに取り付けずに、タムスタンドを使っているので、スネアと2つのタムが、ミッキーマウスの顔になるような感じでセットしています(笑)。ねごとは、リズミカルにタムを駆使する曲が多いので、そういうセッティングの方が、スネアとタムを回しやすいんです。あとは、右手側のシンバルは、だいたい同じ間隔に立てて、右肩上がりの階段状に高さを変えて並べているんです。一番下がライドシンバルで、その上がサイドシンバル、さらにちょっと上に小さいチャイナシンバルがあって、一番高いところに大きなチャイナシンバル。上から“シャシャシャシャーン”って、川が流れるように、楽に叩けるセッティングにしています。

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[動きを大きく見せて、自分もお客さんも楽しい演奏を]

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