JD-XA専用の追加音色データ「JD-XA JUPITER-8/JUNO-60 Crossover Impression」を分析することで、JD-XA本来のポテンシャルや、JD-XAならではの楽しみ方を紹介していきます。
JD-XA Sound Analysis
Vol.1
アナログとデジタル、異なる2種類のサウンド・エンジンを搭載するJD-XA。そこから生み出される唯一無二のサウンドは、2015年のシンセサイザー・シーンを大きく変えたと言っても過言ではありません。ここでは、サウンド・ライブラリ・サイト Axial にて公開しているJD-XA専用の追加音色データ「JD-XA JUPITER-8/JUNO-60 Crossover Impression」を分析することで、JD-XA本来のポテンシャルや、JD-XAならではの楽しみ方を紹介していきます。写真はステージを意識して、ちょっと薄暗い空間で撮影してみました。ステージ上のプロ・ミュージシャンの雰囲気になってお楽しみください(笑)。
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今回は、このオーディオデータで聴ける0:00~0:45までの4つのサウンドをチェックしてみましょう。
1, JP&JX Square
このサウンドは、JUPITER-8のパッド・サウンドをイメージした音色に、JX-10のリード・サウンドを組み合わせて作られています。その結果、コード弾きだけでなくリードとしても使用が可能になった、オールマイティなサウンドに仕上がっています。
2, Evolving Juno
SuperNATURALシンセ・エンジンによる、JUNO-60をイメージした温かみのあるパッド・サウンド。緩やかなフィルターの変化も大きな特徴です。そして、アナログ・パートをONにすることで、まさにアナログとデジタルのクロスオーバー・サウンドが簡単に実現します。抜き差しは、使う用途によって行ってもいいですね。
3, JupiterPoly1
デジタル・パート×3と、アナログ・パート×1を組み合わせたサウンド。アナログ・パートはポリ・スタック(4ポリフォニック)・モードにしておくことで、ポリフォニック・アナログ・シンセの音の揺らぎや滲みを生み出しています。デジタルだけで作られるSuperSawのサウンドより、さらにゴージャスになっている印象です。
4, JP Swell
「3」のサウンドとは逆に、アナログ、デジタル、それぞれ1パートだけを使用したシンプルながらも温かみのある音色。カットオフやレゾナンスの効果が非常にわかりやすい音色でもあります。こういう音は、Rolandシンセが昔から得意としているところです。
Pick UP!!
3, JupiterPoly1
このような音の場合、まずはアナログ・パートとデジタル・パートがそれぞれどのような役割を担っているのか?を見てみるといいでしょう。そういう場合、SHIFT+任意のパートのONボタンでPART MUTEができるので便利です。
今回の音色では、大きなキャラクターをデジタルが決定し、アナログは音色自体をボトムアップして完成しています。そこでデジタル・パートはそのままにしてキャラを固定しつつ、アナログ・パートの音色を多少エディットしてみるのがよさそうです。
特にAMPのディケイ、サスティン、リリースを少し調整するだけでも、音の雰囲気がガラッと変わります。もちろん、フィルターのタイプや開き具合を変えたり、波形そのものを変えてみるのもアリ。複雑に見える音も、こうやってエディットしていくことで自分好みに仕上げていくことができます。
そういえば、とある昔の雑誌に「シンセサイザーの音づくりの80%はエンベロープで決まる」と書いてあったのを思い出しました。「音の鳴り方」というのは、それだけ重要な要素ということですね。シンセサイザー=音を作るもの、だからといって、必ずしもゼロから作っていく必要もありません。今後も「オリジナル音色の元」になるような音色を多数提供していきますのでお楽しみに!
次回は、多くのミュージシャンに絶賛して頂いたエンベロープ部のお話をお届けします。キレッキレです!!
アナログ・シンセならではの音の質感と、デジタル・シンセが持つ多用途性を一台に凝縮したシンセサイザー。4つのアナログ・パートは、JD-XAのために新規開発。フィルターやアンプに至るまで、すべてがアナログ回路によるサウンド。4つのデジタル・パートにはSuperNATURALシンセ・エンジンを採用。煌びやかなPCMサウンドやSuperSaw波形による分厚いサウンドなど、デジタル・シンセならではのサウンドを提供します。