【INFO】Roland RD-2000開発秘話 コンセプト編

ステージ・ピアノ Roland RD-2000の開発秘話。2000という数字に込められた想い、未来を見据えた仕様などを紹介する「コンセプト編」

Roland RD-2000 開発秘話 コンセプト編

ステージ・ピアノの代名詞、RD。その最新モデル”RD-2000”は、エンジニアたちの並々ならぬ情熱の結晶です。あまりお届けすることのない製品の開発秘話を、全5回にわけてお届けします。

2000という数字に「未来を見据え、RDに”革新”を与える」という意味を込めた

RD-2000の仕様面以外で多く寄せられる質問のひとつに「なんで2000なんですか?」というものがあります。まずはこれについて触れておきます。

今回は、RDシリーズ初となるモデリング音源を搭載します。企画を始めるにあたり新たな進化に合わせた名前を「RD-900?」「RD-1500?」と色々試してみましたが、どうもしっくり来ない・・・。そんなときに上司から「ここは一気にジャンプアップしてRD-2000とか?」と言われたとき、スーッと入ってきました。

とはいえ、初号機のRD-1000と同じ4桁台ですから、その大きな数字に見合う内容を持たせないといけません。当初からV-Pianoテクノロジー音源を搭載し、音源そのものを進化させたいとは考えていました。同時に「30年続いたRDが、これからどう進化していくべきか?」も考える必要があると気付きました。RD-2000=これからのステージで求められる新時代の「RD」にする。そんな想いが徐々に強くなっていきました。

世界中のプロモーション担当者とディスカッションを重ね、操作系や機能などを決めていったのですが、お互いが「これからのステージでは、こういう仕様がいいだろ!」と口にしながら、白熱の議論を続けて進めることができました。2000という数字に見合った進化の方向性とゴールのビジョンは、開発スタッフだけでなく、世界中のプロモーション担当者たちの頭にもしっかりあったのです。

単なる型番ではなく「未来を見据えてRDに”革新”を与える」というのが、RD-2000に込められた大きな意味です。

また、RD-2000は、30年に及ぶRDの歴史を総括したいと考えました。EXPによる歴代のRDシリーズの音色供給などにも、このコンセプトが反映されていると思います。2000という数字のボリューム感が、こういったRDの歴史そのものも体現しているかとも思います。

歴史と革新を兼ね備えた良い製品に仕上がったと思います。

▲「2000」という数に見合った想いを込めた

エンジニア兼プレイヤーたちのこだわり

開発を進めるにあたり、ミュージシャンがステージで最も頼りにできる楽器にしたいとも考えていました。アリーナ・クラスの壮大なステージでの活躍を期待する一方、これからは小規模/省スペース化も進んでいくと考えています。そのどちらのシーンでも「RD-2000があれば、大丈夫」と思ってもらいたいので、その視点でベストな答えを探していきました。

今回は開発メンバーにもキーボード・プレイヤーが多く、エンジニア視点はもちろんプレイヤー視点の意見も多く反映しステージでの使用に徹底的にこだわっています。この「エンジニア兼プレイヤーのこだわり」は、きっと多くの方に共感してもらえると思っています。

例えば、ONE TOUCH PIANOボタン。演奏中、誤って「意図しない操作」をしてしまったとき、大抵の人が冷静さを失ってしまい、中々現状復帰ができないものです。このONE TOUCH PIANOボタンは、どんな状況でも自分が設定した音色を呼び出せるというもの。スマホのHOMEボタンのような感覚で使ってもらえればと思います。ちなみにONE TOUCH PIANOにはピアノ音色以外を割り当てることも可能です。

▲プレイヤー視点で考案したONE TOUCH PIANOボタン

さらに、TONEボタンと鍵盤との間には、これまで以上にスペースを設けています。ドラテを貼れるスペース・・・というのは半分冗談で、オクターヴ弾きなどをする際に中指でTONEボタンを押してしまうことも多いと思い、このようにしています。

▲演奏時に誤ってボタンを押すことのないよう配慮したデザイン

RD-2000は、これまでのRDシリーズを愛用していただいた方はもちろん、これまでRDシリーズや電子ピアノそのものに馴染みのなかった方にもきっと満足いただけるであろう仕上がりになりました。RD-2000が、すべてのミュージシャンのステージを華やかに彩ってくれることを願っています。

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