【Artist】VT-4 Sound Review / FUN RUMOR STORY – TaKey

VT-4レビュー&解説。発売以来絶大な人気を誇るVoiceTransformerVT-4。今回はバンドFUN RUMOR STORYでボーカルとして活躍するTaKeyさんをお迎えし、製品レビューを敢行。実際に歌っていただき、VT-4の人気の秘密を紐解いてみた。

TaKey

VT-4レビュー&解説

ハードならではのリアルタイム操作のボイス・チェンジや、手軽に操作できるエフェクトが人気のVOICE TRANSFORMER VT-4。今回はFUN RUMOR STORYのVocalのTaKeyさんにVT-4をお試しいただいた。

早速ですが、普段歌を歌うときにエフェクトってどうされていますか?

レコーディングではドライで録って後は基本的はエンジニアさんの方でリバーブとかの空間系をつけていただくことがほとんどですね。一方でライブでも外音はPAさんに任せてしまうことがほとんどなのですが、この曲は深めとか、ディレイをここで使いたいとかを個別にお願いしています。でも現場によっては、細かいところまでお願いできなかったりすることも多くて、曲の途中でエフェクトを変えたいなぁとか、ここがもうちょっとこうだったりなぁとか思うことはよくあります。そういう意味では今回はとっても楽しみです。

では早速中身を機能ごとにご紹介していきましょう。

よろしくお願いします

最初にご紹介するのはPITCH & FORMANTです。分かりやすいPITCHからみてみましょう。その名のとおり音程を変更するパラメータですが、ここでは分かりやすいようにBalanceを100%にして地声を消して試してみましょう。声を出しながらPITCHのスライダーをいじってみていただけますか?

これ歌いながら変更できるんですが、すごいですね!効果は思ったとおりなんですが、変更の幅が大きいので、予想外の声になりますね!

続いてもう一つのFORMANTです。FORMANTというとちょっと聞き馴染みがないと思いますが、声帯を開けたり締めたりするイメージでしょうか。

これすごい!さっきのPITCHは音程だけでしたがこれは性別が変わっちゃう?感じにもなりますね!

この2つのパラメータを両方動かすと、、。
注)極端にパラメータを上げる

あはは。これは犯罪者ですね。ニュースとかでよくある。

これはちょっと極端な例でしたが、ちょっとだけ上げる、とかちょっとだけ下げる感じで機械的にならないポイントを探っていくと、

これは、自分の声なんだけど自分の声じゃないような、キャラクターが変わってますね!楽しい!ちょっと作りこんでいいですか?

いかがでしたか?

思っていた以上に面白い!機械っぽくならない自然なポイントに合わせるのが難しかったのと、声を変えただけではなんか違うくて、マイクを通す前の地声を少し変えてみたり。あとやっぱり話し方が女性なんだって思いましたね。男っぽい話し方が難しくてうまくできなかったですが、きっとこれができるようになるともっとフィットするような気がします。でもこういう機能って今まで使ったことが無かったんですが、自分じゃない感じとか、キャラクターを演じる楽しさみたいなのを感じたのは初めてだったので自分でも新しい発見です。

続いてAUTO PITCHを見ていきましょう。中央にある大きなノブがAUTO PITCHのパラメータです。

これっていわゆるピッチ補正ですよね。常に外さない様に練習しているのでそれを補ってくれるのは嬉しいですね

補正は曲調に合わせることができますので、右上のつまみで曲調を指定してあげれば、補正も自然に行えます。ノブを少し回すと、自然な補正を行ってくれますが、ノブを右に回していくと、急激に補正がかかるようになってハードチューン・サウンド、いわゆるケロケロ・ボイスも再現することができます。

この強くかけた感じがすごくいいですね。こういうのってライブで再現出来ないんですよね。

CDとかでよく聞くケロケロ・ボイスはだいたいレコーディングで録った声を後でDAW側で加工しますからね。それをライブでやろうとすると、PCを用意しないといけないですし、レイテンシー(遅れ)がどうしても出ますよね。

歌っていても遅れが全く無いですね。しかも手元でいつでもコントロールできるので、ケロらせたいポイントだけに使うこともできてすごく便利!一曲を通してずっとかけていてもいいんですが、曲によってはしつこい感じが出てしまうときに、その場で変更できるのは嬉しい。

次はエフェクトをご紹介しましょう。VT-4はたくさんエフェクトを持っているのですが、エフェクトの種類によってはかけ合わせて使うことができます。
最初はREVERBです。これはパネルに専用スライダーがあるので、いつでもかかり具合を調整することができます。

これに限らずですけど手元でかかり具合を操作できるのって良いですよね。リバーブの質感もいいですね

このスライダーはREVERB以外に、ECHOやDELAYに切り替えて使うこともできます。

DELAY楽しいですね。トークだとお風呂でしゃべってるみたい!いつもはエンジニアやPAの方にお任せしていて気軽に調整できないですし、とくに練習やリハなんかでポイントポイントで使いたい場面があるんですが、こう気軽に使えるのは嬉しいです。

次にHARMONYを試してみましょう。いくつか設定を変えられるんですが、今は地声に上5度の設定になっています。この和声も曲調に合わせることができます。

これはシンプルに楽しい!ハモりが欲しい場面って結構あるんですけど、コーラスが用意できない時とか一気に歌がゴージャスになって厚みが出るので、歌っていて気持ちいいですね!一人の練習って結構味気ない、地味な感じになってしまうんで、コーラスが重なるところだけつけて楽しく練習できるってところがいいポイントですね。

次にMIDIキーボードを繋いで、VOCODERを試してみましょう。弾きながら声を出してみてください。

鍵盤で弾いた音程に声が強制されるんですね!絶対に音をはずさないっていう。
機械的なモノトーンの音程って意外と面白いですね!

これにHARMONYを足してあげると和声でもきっちり演奏できるんです。

効果音的にも使えるし、ライブでコーラスパートを加えるのにも良いですね。

最後にMEGAPHONEを試しましょう。これにもいくつかタイプがあるのですが、よく使うところでMEGAPHONEとRADIOを試してみましょう。

これこれ!これ曲の中で入れたいって思うときあるんです!でもこれも実際にMEGAPHONEをマイクの前に置いてってパフォーマンスとしては良いんですけど、実現は難しいですよね。これが手軽にできるのってなかなか無いですよ!

さて今日は基本的な機能をいくつかご紹介しましたが実際に使ってみていかがでしたか?

とっても楽しかったです。使えない機能はないんじゃないかってくらい全部がハマる感じがしました。お話してきたようにボーカルって現場任せなところも多くて、普段はあまり意識しないんですが、自分でコントロールできる楽しさを改めて認識しましたね。特にHARMONYやMEGAPHONEは実際の実現が難しいのが手軽にできて便利です。これだけ便利にできるのであれば普段使いからライブまで使い方のアイデアがどんどん出てきそうです。

今日ご紹介した以外にも、実はオーディオ・インターフェース機能も持っていたりしますので、USBケーブル1本でPCと接続すれば、そのままレコーディングやストリーミングなんかにも使えます。

それってかなり便利ですね!私も配信をやっているんですが、配信をやるときにゲームやキャラクターを演じたり、効果音として声に変化を加えるのって楽しそう。

是非、ライブだけでなく、配信チャンネルでも使ってみてください。

もちろん!この楽しさって、誰でも使えるところが良いと思ったので、皆さんにも是非試していただきたいですね。私もライブで実際に使ってみたいです。

PROFILE

TaKey(FUN RUMOR STORY)日本のガールズ・バンド。略称は“ふぁんるー”。※ 

メンバーはTaKey(vo)、Ruchia(g)、Mami(b)、Lin(ds)、Sherry(key)の5名。2016年夏にファッション誌『KERA』協力による第2弾ガールズバンドオーディションの最終選考5名によって結成し、同年5月にシングル「水色デイズ」でデビュー。東京を中心にライヴやイベントなどを精力的に展開。

※惜しまれつつも2020年9月に解散

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