こんにちは。ローランドサポート窓口の WEB 担当がお送りするローランド・ブログ「サポートカテゴリー」です。今回は、楽器と周辺機器を接続するケーブルの選び方についてご紹介いたします。ぜひご覧ください!!
楽器にとってケーブルは音を出すためのアンプをはじめ、周辺機器との接続などに必要不可欠なものですよね。しかし楽器とその周辺機器の組み合わせや接続に必要なケーブルはさまざまで、ローランドの製品サポート窓口にもケーブル選びのお悩みがよく寄せられます。そこで今回は、ケーブルの種類別に選び方や注意点をご紹介していきます!
まずは、音を出すために必要になるオーディオ・ケーブルについて、楽器で使われる代表的な種類と、その選び方をご紹介します。
■ 端子の形状
オーディオ・ケーブルのプラグとその接続用端子の代表的な形状は以下のようなものがあります。
どんなプラグのケーブルを接続できるかは、楽器側を見ればわかりやすいですね。
■ 伝送方式
オーディオ端子同士を接続するときは、それぞれの端子が対応する信号の伝送方式によって使用するケーブルも異なってきます。まずは、必ずどちらかの方式を使用することになる、ステレオとモノラルのしくみを押さえておきましょう。
モノラルとは 1 チャンネルの音声信号を使用する方式です。代表的なモノラル出力の楽器としてはギターやベースなどがあります。
これに対してステレオとは、2 チャンネルの音声信号を使用する方式で、L チャンネルと R チャンネルの信号をヘッドホンやスピーカーの L と R のチャンネルでそれぞれ再生することでステレオの音声として再生することができます。ステレオ出力は、シンセサイザーや電子ピアノ、電子ドラムなど多くの電子楽器で可能になっています。
標準フォン端子やミニ端子の場合、端子の見た目だけではステレオなのかモノラルなのかは見分けがつかないため、必要に応じて製品の説明書やスペックを確認しましょう。一方、ヘッドホン用端子ならステレオ、2 つペアの端子に L/R と振ってある場合はそれぞれがモノラル、など用途がわかれば判断できるものもあります。
続いて接続の方法です。モノラルは 1 チャンネル、ステレオは 2 チャンネルの信号を伝送する必要があるため、それに合わせたケーブル選びと必要な本数の用意が必要です。
■ 接続例
ここからは実際の接続例をご紹介していきます。まずはもっともシンプルなモノラルの標準端子同士の接続。このとき使うケーブルはTS ケーブル 1 本です。
ステレオ対応端子の接続なら、TRS ケーブルを使います。なぜステレオだと TRS ケーブルなのかというと、TRS ケーブルは音声信号を伝送する信号線を 2 本(2 チャンネル分)使えるからなんです。
L/R の 2 つのモノラル端子を使ってステレオ接続するパターンもあります。TS ケーブルのほか、L/RペアのRCA ピンケーブルもよく使われます。
入力と出力の端子が異なる場合でも、ステレオ接続なら Y 字ケーブルや変換アダプターを使って接続が可能です。
続いて、バランス接続という方式も押さえておきましょう。モノラル音声の伝送方法には、1 本の音声信号を使うアンバランス方式、2 本の信号を使うノイズに強いバランス方式があります。最初にご紹介した TS ケーブルでの接続はアンバランス接続です。バランス接続はマイクや PA 機器などでよく使われ、接続には XLR ケーブルや TRS ーブルが使われます。
※入出力端子ともにバランス接続に対応している必要があります。
バランス接続対応の TRS 標準端子は TS 標準(モノラル)端子と見た目は同じですが、バランス対応の場合はモノラル端子に対して TRS や バランス などと記載されるのが一般的です。またバランス接続対応のTRS 端子には、TS ケーブルも使用できます。TS ケーブルでの接続(アンバランス接続)で問題ない場合や、接続する機器のどちらか一方の端子がバランス接続非対応の場合は、TS ケーブルを使用しましょう。
▼ ステレオとモノラルどちらでも接続できる場合はどっちがいいの?
ローランド/ボスの製品にはステレオとモノラルどちらでも接続できるよう、多くの製品に L/MONO 端子、R 端子のペアがあります。L/MONO だけに接続すればモノラル出力、L/MONO、R 端子両方に接続すると音声を L/R に分けてステレオ出力してくれます。
どっちがいいのかは、お好みです。しっかりステレオで鳴らすことを想定して楽器の音作りをしている場合や、ステレオの音声データを再生する用途の場合は、モノラルにするとステレオ効果が失われてしまうのでステレオ出力して、ステレオ再生できる機器を使いましょう。
もともとステレオ効果のない音声を出力する場合や、ステレオ入力は可能だけど再生するスピーカーが 1 つだけの環境であれば、モノラルで接続しても問題ありません。もしステレオかモノラルか迷う場合には、必ずしもどちらが良いというものではないので、両方試してみていいと思った接続方法で OK です♪
続いては、ローランドのフット・コントローラー製品の接続用ケーブルについてです。
ケーブルを別途用意する必要のあるフット・コントローラーとしては、フット・スイッチとエクスプレッション・ペダルがあります。
フット・スイッチは、FS-5U や FS-5L などスイッチが一つのものは TS 標準ケーブルで接続できます。デュアル・フット・スイッチの FS-6 や FS-7 は A/B のスイッチに対応する 2 本の TS ケーブルを使って接続するほか、TRS ケーブル 1 本で A/B スイッチをまとめて接続することもできます。
製品によっては、TRS ケーブルでデュアル・フット・スイッチまたは FS-5U/FS-5L を 2 つ接続しないとコントロールできない機能もあるので、注意しましょう。
以下は CUBE Street II のフット・スイッチ端子に接続した場合の例です。TRSケーブルの TIP と RING に対応する機能をフット・スイッチでそれぞれコントロールできるようになっていますが、TS ケーブルでフット・スイッチ一つ接続した場合は、TIP 側のみ動作します。
一方エクスプレッション・ペダルはとってもシンプルで、TRS ケーブルのみ使用可能です。TS ケーブルでは動作しないので注意しましょう。
続いては MIDI ケーブルの選び方。
選び方といっても、ご存じのとおりスタンダードな MIDI 端子の接続なら、対応するケーブルは一つしかないのでケーブル選びで特に注意することはありません。一方、最近では TRS ミニ・タイプの MIDI 端子を採用した製品も増えてきていて、こちらはケーブル選びの注意点があります!
TRS ミニ・タイプの MIDI 端子の場合、注意したいのは必ずメーカー推奨品のケーブルを使用することです。TRS/MIDI ケーブルは、見た目は同じでもメーカーによって配線仕様が異なっている場合があり、仕様の異なるケーブルを選んでしまうと正常に使えないケースがあるんです。TRS ミニ・タイプの MIDI 端子を搭載したローランド/ボス製品の場合は、必ず専用の MIDI ケーブルを使いましょう。
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