【SUPPORT】開発者が語る「V-Drums 使いこなし術」Vol.001 ~ ドラムスタンドの重要性 ~

ドラムの土台となる“スタンド”をテーマに、スタンドの重要性と理想のセッティングに近づくためのポイントをご紹介いたします。

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こんにちは。ローランドお客様相談センターの WEB 担当がお送りするローランド・ブログ「サポートカテゴリー」です。
今回は、以前より多数のご要望をいただいていた「V-Drums 使いこなし術」について、長年 V-Drums の開発に携わり、アーティストさんをはじめとする多くのドラマーやユーザーと関わってきた“熱血開発部長”こと、西裕之氏に熱く語っていただきます!!
数回では語り切れない程使いこなし術があるため、深掘りしながらシリーズ化してご紹介したいと思います。
第一回目は、土台となるドラムスタンドの重要性と意外と知られていないセッティング方法をお届けいたします。ぜひご覧ください!!


私:今では V-Drums も電子ドラムの代名詞になったといっても過言ではないほど、世界中の皆さんに愛され、使っていただいていますが、V-Drums はどのような歴史がありますか?

西:1997年の Winter NAMM ショウで初代 TD-10 を発表/発売してから、ちょうど今年の 1月で 22年が経ちました。世界各国、多くの方にご愛用いただいており、本当にありがたいことです。

私:22年間で V-Drums が最も進化した部分は何ですか?

西:音源、パッド、シンバル、ハイ・ハットなど様々であり、正直一つに絞ることは難しいです。ですが、開発者の我々から皆さんへのお願いとして、音源やパッドを支えるドラム・スタンド(MDS-○○ というもの)の存在を是非忘れないで欲しいという気持ちがあります。

私:ドラム・スタンド…あまり重要視してませんでしたが、V-Drums をお買い上げいただいたら、まずやらなければならないのがスタンドの組み立てですよね。

西:そうです!!音源やパッドを差し置いて「ドラム・スタンド」を真っ先にあげると違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、土台がしっかりしていないと、いくら上物を綺麗に調整したところで全く使い物にならないということがよくあるように、ドラムもその土台をしっかりセットしておくことがとても重要なのです。もちろん製品マニュアルや組み立てを解説したビデオも公開しているのですが、「その人に合った理想のセットアップ」というものは、使用者が自ら体感しないと、なかなか実現できないものなんです。

私:ではどうすればよいのでしょうか?

西:それは、やはりセットアップに必要な原理原則を理解しておくことが大切だと私は思います。
まず第一に、スタンドの縦パイプが垂直に立っていることがとても重要です。
通常、4本脚のドラム・スタンドの縦パイプは、すべて垂直に立つように設計されていますが、組み立てる途中でそれがずれたり回転しすぎたりすると、パイプがまっすぐ立たないのです。
自分のドラム・スタンドのパイプがまっすぐ立っていない場合、何等かの組立てミスが考えられるのでその場合は、ご面倒でも製品写真や製品マニュアルを見て、どこがおかしいかを一度チェックしてみてくださいね。

二つ目に、床に置くペダル類の位置です。
自分の両脚を各ペダル(キックペダル、ハイハットペダル)の上に置いたときに、遠く感じたり、近すぎたりすると、うまく脚の力がペダルに伝わりません。気持ち良い位置というものを自分で探し当てておくことをお勧めします。目安としては、ハイハット・ペダルとキック・ペダルは逆ハの字の形で、立ち幅(普通に立った時の足幅)よりも少し広い間隔が一般的です。
ドラムの教則本でも、ドラム・レッスンの先生も、よく「足を置いたときに両膝が直角に曲がるくらいが理想」といわれてます。ぜひ、理想的な位置を自分で探してみてください。

三つ目にスネアの位置と高さです。
これは上記のペダルの位置が決まって、両膝を開いたときに、その両膝の先端を結んだ線の中心かやや外側にスネアのヘッドの中心が来て、打面がちょうどおへその高さになるくらいが理想的です。

スネアは両手でたたくことの多い楽器ですから、スネアをたたいている時の形も、ペダルの位置を決めるときの膝と同様、スティックでたたく力が最もスネアに伝わるように、力を抜いた状態で肘が自然と直角になり、ビシッと打ち込めることが重要です。電子ドラムも、生ドラムも、自分の力をしっかりドラムに効率よく伝える動きという点では同じなのです。

私:なるほど!! 三つの原理原則を知ったら、素人の私でも安心してセットアップできる気がしてきました♪そして、気持ちよく演奏することが出来そうでワクワクします!!

西:そうですか。それを聞いて私も少し安心しました。自分で叩いてみて気持ち良いポイントが必ずありますので、それを自分で見つけてみてください!!

上記の 3つだけは、いつ何時も、マニュアルがなくても「自分で決められる」と、皆さんのドラム生活をより快適なものにしていただけるのではないかと考えています。
ドラム・スタンドのセットアップは、音源やパッド類を支える上ですべての基礎になる、とても重要なものですので、今日から少し意識してみていただき、自分なりの理想のセットアップのコツをつかんでおくと、もうセットアップに関しては「怖いものなし」ですよ。
とは言っても、一番の理想は、違和感なく自然に打ち込めるポジションで、好きな曲を思いっきり楽しんで演奏することですよ。

私:はいっ、分かりました!!ありがとうございました。


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