齋藤久師
今回は、AIRAシリーズなど多くのRolandシンセサイザーのアドバイザーとしてもお世話になっている齋藤久師さんにRoland Boutiqueをお試し頂きました。日本屈指のシンセ・フリークとしても知られる齋藤さん。
彼の目に、Roland Boutiqueはどう映ったのか!?
第一印象は?
まず、この見た目と大きさ、それに名前にも驚きました。これまでのRolandでは絶対に考えられなかったシンセですよね。デザインも凄くいいので、若い人にも受け入れられるでしょう。それに「限定生産」「コンパクト」「同じ大きさ」というようなコレクション要素もある。欲しい!
Roland Boutiqueの魅力って??
3機種共通して言えるのは、このサイズや価格なのに出てくる音は本格的であるということ。僕はTR-8などのAIRAシリーズが生まれる際にたくさんアドバイスをしたんですが、それらと同じACB(Analog Circuit Behavior)という技術が使われていると聞いて、納得。あとは、どの機種にもオリジナルにはなかったステップ・シーケンサーが付いているのが面白い。フレーズを鳴らしながらフィルターやLFOを触ってるだけで何時間でも楽しめるし、AIRAシリーズなどの機材とMIDIで同期させてもいいですね。もう、重たくて不安定なオリジナルのJUNO-106を引っ張り出すことも少なくなるかも。
あと、これは若干苦情なんですけど・・・スピーカーが付いてるでしょ?電池で動くでしょ?これらのおかげで結線やスピーカーを用意する必要がないから、サッと電源入れて遊んじゃうんだよね。初めてBoutiqueを見せてもらったときも急ぎの仕事があったんだけど、どうしてくれるんだ!?って(笑)。
無人島に一台だけ持っていくとしたら??
そりゃもう、JU-06。JUNO-106は、もう「これでもか!」ってくらい触りましたけど、本当にその106とソックリな音がする。JUNO-106って、DCOだったじゃないですか?だからかな?JUPITER-8よりも更に再現度が高い気がする。もしかするとACBとの相性がいいのかもしれませんね。しかも、ただ単に再現しているだけじゃない。触った瞬間に106との差を明確に感じたのは、LFO Rateの速さ。オリジナルではこんなに高速で動かなかったけど、今っぽい音を作るにはこの高速LFOは不可欠。そこは正当に進化している気がします。あと、106といえば!のCHORUSもしっかり再現されていますよね。ここも単に再現するだけでなく、ノイズの量を3段階で変えられるというデジタルならではの機能も付いてる。音や操作感は限りなくアナログに近づいてきて、デジタルの利便性がしっかり活かされているわけですね。