こんにちは。皆様は、「エアロフォン」という楽器をご存じですか?世の中にありそうで無かった、どなたでも楽しく演奏できる新感覚のデジタル管楽器です。開発チームのあらゆる試行錯誤の中から生まれたばかり。そんなエアロフォンは、今、世界中で、サックス奏者をはじめ、多くの管楽器奏者の方がトライし、新しい演奏スタイルを楽しんでいらっしゃいます。実際に演奏された方のご意見やご要望、時には厳しいお言葉に、真摯に耳を傾けて、この楽器を成長させていきたいと強く思っています。
・使われている方が、この新しい楽器をどのように楽しんでいるか?
・エアロフォン・オーナーの楽しみをさらに広げるためにはどうすれば良いか?
・まだエアロフォンの経験のない、多くの方々にその楽しさを知ってもらうためにはどうしたら良いか?
そういったことを考えぬいた結果、本連載を企画してみました。「MY STORY 私がエアロフォンを吹く理由」と題したこの連載は、オーナーとエアロフォンの関係を探る新しい企画です。
連載1回目は、エアロフォンを用いて精力的に音楽活動を展開されている、フランス在住の日本人サックスプレイヤーの「辻本純佳さん」にご登場いただきます。ローランドが運営する演奏動画紹介サイト「(Roland Spotlight)」へご自身の動画をコンタクトくださったことをきっかけに、本企画に登場してくださいました。辻本さんへの感謝とともに、エアロフォンの魅力が多くのお客様へ伝われば素敵だと思っています。それでは、インタビュー形式の本編をごらんください。
辻本さんの音楽歴を教えてください。
13歳からクラシックサクソフォンを始めました。地元・奈良県にある高円高等学校音楽科を経て、相愛大学音楽学部に特別奨学生として4年間在籍し、卒業しました。在学中には同大学の「学長賞」を受賞。その他にも、第15回大阪国際音楽コンクール管楽器部門第3位、第25回日本クラシック音楽コンクール全国大会一般の部最高位など、サックス奏者として精力的に活動して来ました。現在は、フランス東部の Conservatoire de Strasbourg に在学し、留学生活を送っています。Philippe GEISS氏の元でクロスオーバーや即興演奏、本年からはエアロフォンを使いエレクトロの分野等も中心に学んでいます。
主に演奏している楽器はサックスとのことですが、どうしてそれを選ばれたのですか?
普段の音楽活動では、ソプラノ・アルト・テナーの三種類のサックスを主に演奏しています。中学校で吹奏楽部に入部した事をきっかけに始め、サックスに秘められた音色・魅力・可能性に魅せられ、高校進学後は音楽を専門的に学ぶことを決めました。十数年間主にクラシックの分野を学んできましたが、大学卒業・留学をきっかけに少しずつジャズ・即興も勉強し始めています。
今後の目標や夢をどのように描かれていますか?
クラシックやジャズ、ポップス等、様々なシーンで全く異なる音色を持つサックス。一つのジャンルにとどまらず、様々な音色を使い分けるマルチプレイヤーになる事が第一の目標です。また、エアロフォンと出会った事で音楽の幅も広がり、電子楽器を扱えるようになりたいという新たな目標も加わりました。生楽器は心に直接響く音色を奏でることができ、何百年前から受け継がれて来た歴史があります。電子楽器は一人で何種類もの楽器の音色を操ることができ、技術の進歩と共にさらに多くの可能性が広がります。双方の楽器の魅力を存分に引き出せるようなプレイヤーになるのが私の夢です。
楽器の可能性を未来的な視点で捉えらていらっしゃいますね。辻本さんのこの先の音楽が楽しみです。昨年末よりご愛用いただいているエアロフォンですが、この楽器との出会いや印象、初めて演奏した時の感覚などいかがでしたか?
家の近くの楽器店で偶然エアロフォンが展示されているのを見つけたのがきっかけでした。それまでは電子機器にはあまり興味が無かったのですが、見るからにサックスのキー配置だ・・・というのが印象的で、インターネット等で情報を集め、2016年末に島村楽器グランフロント大阪店にてエアロフォンを購入。電子楽器を使うのは今回が初めてでしたが、操作はシンプルで分かりやすく、設定から録音まで苦労せずできました。また、サックスの運指と殆ど同じ感覚で操作できるので、普段サックスで演奏しているレパートリーを、エアロフォンでも違和感なく演奏することができます。何と言っても嬉しいのが、演奏場所を選ばないことです。サックスは音が大きいので家で吹くことができず、練習室やスタジオを借りたりと、今まで苦労は絶えませんでした。エアロフォンはヘッドフォンを繋げれば昼夜を問わず自宅で練習できるので、周りを気にせず練習に集中することができます。
エアロフォン活用したオリジナル動画をインターネットに公開していらっしゃいますが、動画とエアロフォンの関係性や親和性はいかがでしょうか?
管楽器などの生音をマイク録音する際は、場所や録音機材の質等、環境によって大きくクオリティが変化するので大変気を使う必要があります。その点、エアロフォンはライン録りが可能なので、パソコン一つで自宅でもどこでも最高の音質で録音できるというのはとても画期的だと思います。また撮影時に関しては、フットワークが軽いので野外での動画撮影にもとても役立ちます。現在4本ほどの動画を上げていますが、エアロフォンの利便性をさらに生かして、沢山の動画をアップしたいと思っています。
電子楽器を野外で演奏することは、電源やスピーカーの制約から、意外と実現が難しかったりします。そういった意味で、フットワークの軽さはエアロフォンが持つ、「楽器として当たり前」な特徴かもしれません。それでは最後に、エアロフォンと特徴楽器演奏は今後の辻本さんの音楽活動のなかで、エアロフォンはどのような役割を担えそうでしょうか?また、その可能性について期待することがあれば教えてください。
動画制作に限らず、コンサートでの演奏も積極的に行なっていきたいと考えています。一番近い本番では3月中旬にある演奏会でサックス四重奏をバックに演奏する予定です。また2017年末にフランスで行われるサクソフォンフェスティバルでも、エアロフォンを吹いてほしいとのオファーを受けています。
個人的には、エアロフォンの様々な音色を多重録音して 、一人一役といわず一人五十役ぐらいの規模で、いつの日か1人オーケストラを完成させることが密かな夢です(笑)エアロフォンの為のオリジナル楽曲や、オーケストラをバックにしたコンチェルトなんかも作れたら夢が広がりますね。
これからもこの楽器でどんな新しい音楽が生み出されるのか、楽しみです!
辻本さんのYouTube channel