【ARTIST】Aston Microphones ユーザー・ストーリー # 益田トッシュ

ヒット曲の作曲/アレンジからライブのマニピュレーター、さらには映画/舞台の音楽制作に至るまで、様々なフィールドで活躍されている益田トッシュさん。6月23日全国公開の映画『猫は抱くもの』(犬童一心監督・沢尻エリカ主演)でも、エンディング・ソング『ロマンス交差点』の作曲/編曲/プロデュースを手がけられています。そんな益田さんが、最近のお気に入り機材として挙げる、Aston Microphones、SpiritとOriginの2本について、使い始めた理由と、お気に入りのポイントについて話を伺いました。

Aston Microphones ユーザー・ストーリー

 ヒット曲の作曲/アレンジからライブのマニピュレーター、さらには映画/舞台の音楽制作に至るまで、様々なフィールドで活躍されている益田トッシュさん。最近は映画の劇中曲制作の仕事が増えているとのことで、6月23日全国公開の映画『猫は抱くもの』(犬童一心監督・沢尻エリカ主演)でも、エンディング・ソング『ロマンス交差点』の作曲/編曲/プロデュースを手がけられています。そんな益田さんが、最近のお気に入り機材として挙げるのが、Aston Microphonesのマイクロフォン。SpiritとOriginの2本を所有し、様々な現場に持ち込んでは歌や楽器の録音で活用されているそうです。多忙を極める益田さんに、Aston Microphonesを使い始めた理由と、お気に入りのポイントについて話を伺いました。

J-POPとは違うアプローチが
必要となる映画の劇中曲制作

益田さんは作曲/アレンジ、ライブのマニピュレーター、映画や舞台向けの楽曲/劇伴制作など、かなり多岐にわたって仕事をされていますね。

益田:

そうですね。仕事の割合はその年によって違うんですけど、去年は映画の仕事が多くて、中国に1ヶ月近く滞在しました。その間も、みやぞんさんのCMの曲を作ったり、chayやNao Yoshiokaのライブのマニピュレーターを担当したり、いろいろやっていました。

一昨年公開された宮藤官九郎監督の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』では、劇中曲の作曲/アレンジも手がけられていましたね。

益田:

舞台の仕事では主に劇伴制作がメインになるんですけど、映画の仕事ですと自分の場合は歌ものを作ることが多いんです。映画の挿入歌作りって、かなり特殊な仕事で、J-POP的な曲作りのスキルに加えて、映像やストーリーに対する解釈も必要になる。舞台の仕事で経験があるので、映画の撮影現場でも役者さんに歌唱指導や演奏指導をする場合もあるのですが、こういったことも今までの経験でやらせていただいています。海外で撮影する場合は、僕が現地で録音させてもらうこともあります。

監督からは細かいリクエストがあるのですか?

益田:

具体的な曲調というよりも、大まかなイメージだったり、シーンの意味などを伝えられることが多いかも知れません。その打ち合わせの内容から想像して曲を作っていく。犬童一心監督も宮藤官九郎監督も、大変な才能をお持ちの方々で、もの凄くクリエイティブ。“音楽はこうあるべき”という固定概念が無い。だからJ-POPの楽曲制作とは違って、音楽そのものの意味を自由にイチから作り上げる感じです。個人的にはそこが凄くおもしろかったりします。

リスナーの側からすると、楽曲自体はJ-POPとそんなに違わない感じがするのですが、どのあたりが一番違いますか?

益田:

いろいろありますけど、例えば役者さんが歌う場合は、音域だけでなく、役者さんのセリフの節回しというかサウンドを考えながら、どのメロディーが一番良いかを考えて作ったりとか。あとは同じ曲でもバージョン違いをたくさん作る必要があったり。現在、犬童一心監督の『猫は抱くもの』(6月23日全国公開)という映画で使われている曲を2曲作っているんですけど、主演の沢尻エリカちゃんが元アイドル・グループに所属していたという設定で、そのグループの代表曲となる『ロマンス交差点』という曲を作ったんです。その曲は劇中、何回か流れるんですが、流れるたびにアレンジや構成、ミックスが違う。ただ流れるだけじゃなく、もっとシーンと一体になっているんです。そんな感じで映画のシーンによってバージョンが変わってくるので、撮影が進行して初めて全体が掴めるようになったり、撮影現場に行かせてもらって初めて分かることも多いんです。なので、J-POPの仕事とはかなり違いますね。

『ロマンス交差点』

今日は益田さんが作業中のスタジオにお邪魔してインタビューを行なっているわけですが、レコーディング・ブース内にDAWがセッティングされていますね。

益田:

許されれば僕は歌い手さんと同じ部屋で録音するのが好きなんです。同じ部屋で録音すると、歌い手さんとすぐにコミュニケーションが取れますし、生の声の出方、発声などの“肌感”も伝わってくる。もちろん、ノイズ的な面などマイナス面もあるんですけど、それ以上にメリットの方が大きいと思っています。ディレクションがまったく違ってくるんです。今回の映画の曲でも、現場で歌唱指導しながらその場で割としっかりした仮歌を録っておく。そうすると、歌い手さんがそれを記憶してくれて後々いいパフォーマンスに繋がるんです。

Astonは、音楽的な
トーンを重視して設計されたマイク

普段、歌録りではどんなマイクを使用されているのですか?

益田:

そんなに高価なマイクは持ってないのですが、外で録音するときはスタジオのNeumann U67を使ったり、自分で録音するときはBlue Microphonesのマイクを使ったり。ちなみに自分で録るのは歌とギターが主です。あとはたまにドラムを録るくらいです。

そんな益田さんは最近、Aston Microphonesを愛用されているそうですが、使い始めたきっかけは何だったのでしょうか。

益田:

Nao Yoshiokaのライブで、エンジニアの安藤さん(注:サンフォニックス所属の安藤拓也氏)が使っていて、凄く良いなと感じたんです。そして見た目もカッコ良かったので、興味を持って調べてみたら、僕の大親友のイギリス人エンジニア、アラン・ブランチ(Alan Branch)が開発に関わっていることが分かって。それで使い始めた感じですね。

第一印象はいかがでしたか?

益田:

Apple Logic Proにマイク・チェック用のプロジェクトが用意してあって、僕は初めて使用するマイクはそのプロジェクトを使って自分の歌で試すんですけど、“シャリシャリしていないな”というのが第一印象でした。最近高域がチリチリしてて粗い感じのマイクが多いんですけど、そういう感じが無い。それと凄く音楽的なトーンがするマイクだなと思いましたね。アラン・ブランチをはじめ、エンジニアやミュージシャンといった現場の人たちの意見が反映されている感じが分かりました。技術的なスペックだけではなく、音楽的なトーンを重視して作られたマイクだなという印象でした。パッと聴いた音色が凄く自分の好みでしたね。

OriginとSpirit、両方使用されているのですか?

益田:

ええ。個人的には圧倒的にSpiritの方が好みです。僕はトランスの音が大好きなので、明らかにトランスが入っているという存在感と太さが凄く良いですね。一方、Originはハイの立ち方に少し特徴があるので、上の線が欲しいときに使っています。先日も二階堂ふみちゃんの歌を録音したんですが、そのときはOriginを使いました。

Aston Microphonesのマイクは、ポップフィルターが内蔵されているのが大きな特徴なのですが、その点についてはいかがですか?

益田:

ポップフィルターと衝撃を吸収するスタンド・アダプタが内蔵されているのは画期的ですよね。こういった仕事をしていると、レコーディングを想定していなかった場面で録音が必要になることもあるんです。例えば、映画の仕事で急に録音が必要となり、またスケジュール的にスタジオに移動できない状況の場合、例えホテルの一室で録音したとしても、それが結果クリエイティブな意味での正解であれば、そうします。そんなときもAston Microphonesなら、パッと立てて録音することができるのでとても便利ですよね。でも、ポップフィルターを内蔵していると言っても、近すぎるとやっぱり吹かれてしまいます。完全に吹かれを無くしてしまったら、やっぱり音質面に影響を与えてしまうと思いますし。スタジオで使うのであれば、別にポップフィルターは使った方がいいと思います。

高い堅牢性もAston Microphonesの特徴の一つです。

益田:

この丈夫さは最高ですね。海外でレコーディングするときって、いかに荷物を減らすかというのが重要になってくるんですよ。しかしマイクって、本体は小さくても結局はケースや箱に入れなければならないので、けっこうかさばるんです。しかしAston Microphonesなら、巾着か何かに入れてスーツケースに入れてしまえば問題なさそう。本当にコンパクトかつ、頑丈な感じがします。

Aston Microphonesは、設計/開発だけでなく、組み立てもイギリス行われています。使用されて品質の高さは感じますか?

益田:

感じますね。今の時代、パーツがグローバリーなのは仕方ないと思うので、そのパーツをどんな工法で、どのように組み立てているかというのがとても重要だと思うんです。使っていて、凄く高いクオリティコントロールがされているな、と感じています。

幅広い分野で仕事をされている益田さんですが、Aston Microphonesをおすすめしたい現場というのはありますか?

益田:

そうですね……。舞台の音響さんにおすすめしたいですね。舞台の現場を覗くと、例えばドラムのトップとかに若干壊れやすそうな種類のマイクを使っていたりするんです。その点、Aston Microphonesなら、スタンドが倒れてしまっても壊れませんし、安価なので本数も揃えられますから、ライブはもちろん、舞台の現場にも最高なマイクなのではないかと思います。ルックスも良いですから、客席から見えてしまっても問題ないですしね。実際、先ほどお話しした『ロマンス交差点』の映画本編では、Spiritが5本登場しています。

今後、Aston Microphonesに望むことというと?

益田:

もっとバリエーションが増えて、音色で選べるようになったらいいですね。スモール・ダイアフラムを搭載したものや、チリチリした帯域もうるさくなくしっかり出ているモデルなども聴いてみたいです。それほど高くないので、一度気に入ればどんどん揃えてしまうような気がしますね。

Cinema Information

シネマ インフォメーション

映画:「猫は抱くもの」

監督:犬童一心
主演:沢尻エリカ
企画制作配給:キノフィルムズ(木下グループ)
製作プロダクション:ADKアーツ
公開:6月23日より全国ロードショー
http://nekodaku.jp/

Products Information

Aston Microphones

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