紅い流星:僕らは自宅でリハーサルをすることが多くて、その際は、楽器をオーディオインターフェースに直接つないで、演奏しているんです。そして、ヘッドホンでモニターするためのキューボックスを作っていたりと、システムもそこそこ大がかりなんですね。これに、さらにエフェクターやDAWソフト(パソコン)も使いますから、たくさんの機材を組み合わせて使うことになります。でもHS-5を使えば、そのすべてのシステムが1台で完結できるので、とても素晴らしいと思いました。
ショボン:しかも、音がすごくいい。
紅い流星:録音までできるしね。
▲紅い流星(東京アクティブNEETs代表。映像、編曲、ピアノ担当)
ショボン:それはいいですね。こういう機材が、ずっと欲しかったんです。大げさな話ではなく、これは革命的だと思いますよ。HS-5と同じシステムを個々の機材の組み合わせで実現しようとすると、実はかなり大変で。だから、ものすごくありがたいです。このタイプの機材って、今までありそうで、なかったですから。
青い刹那:いや、まったく大丈夫でした。ベース用のアンプ・モデリングやコンプ、それにイコライザーまで内蔵されているから、普段と同じように、自然な音作りができました。
ショボン:確かに、ベースのサウンドも、すごく迫力があったね。
紅い流星:今までだったら、わざわざベース用のプリアンプを用意しないといけなかったけど、ベースをつなぐだけでいいから、すごく便利。
青い刹那:プリアンプすら、いらなくなったね。
山石本薫:東京アクティブNEETsでライブをする時は、自分達で音をステレオにまとめて、そのままPAに送ってスピーカーで鳴らしてもらうというシチュエーションがよくあるんです。そういう時って、僕もヘッドホンでモニターしながら演奏するんですが、まず管楽器奏者って、楽器的にヘッドホンに不慣れな方が多いじゃないですか。だから今までだと、機材を通したサックスの音って、ちょっとイメージと違った音色で聴こえることが多くて、自分の息遣いが甘くなってしまうこともありました。でも、HS-5のモニター・サウンドは、そういった違和感がありません。今までにない“生音感”と言うか、自分の演奏がそのままヘッドホンから聴こえるような印象で、すごく演奏しやすかったです。
紅い流星:もっと使い慣れてくれば、パート間のバランスや、エフェクトの音作りをもっと細かく調整していけて、さらに演奏しやすくなるでしょうね。
青い刹那操作性もシンプルで、基本的な操作が、直感的にできたよね。
ショボン:使い方も、すごく分かりやすかった。
紅い流星:バンド初心者だと、なかなか音が出せなかったり(笑)。
ショボン:そうそう!(笑) その点、これは本当に簡単だと思います。
ショボン:それはかなり実践的ですよね。そういう練習をしようと思ったら、今だと、さらに機材が大がかりになりますから。これだけ機能が充実しているなら、本当にもうパソコンが必要なさそう。簡単なデモとか、一瞬で作れるでしょうね。
紅い流星:今の僕らのシステムだと、ラックだとか大型の機材がたくさん必要で、かなりスペースをとっていたんですけど、そのすべてが1台に集約されているから、いろんな面で、本当に楽になります。今のシステムを組むのに、かなり投資したんだけどね(笑)。
ショボン:(笑)。しかもこれなら、移動するのに車もいらないもんね。
青い刹那:電車で持ち運びできるよ。
紅い流星:ベース・ケースのポケットにも入るんじゃない?
青い刹那:うん、このサイズなら入ると思うよ。
ショボン:軽っ!
青い刹那:ちょっとしたマルチ・エフェクターくらいですね。スゴイなぁ。
青い刹那:それはすごく便利そう。
紅い流星:先ほども少し話が出ましたけど、僕らが地方でライブをする時って、基本的にはボーカルの人がオケをバックに歌うようなイベントが多いんです。そこにバンドで参加する形になるので、バンドのサウンドを自分達でステレオ2ミックスにまとめて、それをPAに送らないといけないんです。しかも、そういった会場ってモニター環境もあまり整っていなかったりするので、ヘッドホンでモニターしたいと考えていて。ただそうすると、最初に言ったような大がかりなシステムが必要になるので、結局、エフェクターを省いたりとか、どこかで妥協しなくちゃいけなかったんです。そういう環境でHS-5が使えると、これはすごく便利だと思います。
紅い流星:そんな時でも、基本設定をUSBメモリーに保存しておけば……。
青い刹那:すぐにいつものセッティングにできて、あとはそのまま、メイン・アウトの音をPAスピーカーで鳴らしてくれればいいわけだから、間違いがないよね。
ショボン:現地でスピーカーさえ用意してくれていれば、HS-5と楽器だけでライブができるっていうのは、とても便利。まさに、こういう製品をずっと探していたんです。
ショボン:それがまたスゴイよね。
紅い流星:しかもV-Drumsがあれば、バンド練習でも完璧。
ショボン:そんな時に、TD-1KVですよ。確かに、学校でドラムを叩ける部屋って、そんなにないですからね。特に狭い学校だと、学校中にドラムの音が響き渡って、大ひんしゅく(笑)。それでも私は、学生時代は無理矢理に練習してたんですけど(笑)、ただやっぱり「ちょっと申し訳ないな」と思いながら練習していると、集中できないんですよね。だから、軽音にHS-5とTD-1KVがあると、最高でしょうね。
ショボン:ビーターレスの新しいキック・ペダル、これがスゴイですね。振動がとてもよく抑えられているし、パッドの打音もほとんどしなくて、自宅練習にぴったりだと思います。もちろん、TD-30KV-Sは本格的だし、いろんなことができて、音もすごくいいんだけど、その分、システムの規模もデカくなるし、スペースが必要で、移動も難しいじゃないですか。その点、これだったら、自宅や学校ですぐに片付けられたり、パッと出してきてドラムを楽しめるという手軽さがいいと思います。サウンドに関しても、15種類の内蔵ドラム・キット(音色)を試しましたけど、どれもすごくよくて、演奏していて楽しかったです。
紅い流星:新しいペダルの踏み心地は?
ショボン:いいと思うよ。キック・ペダルはちょっと軽いから、少し慣れが必要だけど、要は、“すごく軽いダイレクト・ドライブ・ペダル”みたいな感じだから、試しているうちに感覚が掴めてくれば大丈夫。新しいペダルだと思って使えば、全然問題ないですよ。これが自宅にあったら最高ですね。
山石本薫:とにかく、コンパクトだよね。ドラム・スローンが大きく見えるくらい(笑)。
ショボン:(笑)。軽いから、スッと移動させられるしね。それに、スネアに8インチのメッシュ・パッド(PDX-8)が採用されているっていうのが、すごく大きなポイントだと思います。打感もいいですね。TD-1KVって、V-Drumsラインナップの中でも、一番リーズナブルなクラスですよね? それにメッシュ・パッドが付いてくるんですから、これは嬉しいですよ。タムであれば、いろんなタイプがあるので「これは、こんな感じね」と思えるんですが、スネアに関しては、パッドの種類によっては、リバウンド具合やリム・ショットの感触が大きく変わってくるので、絶対にメッシュ・パッドがオススメです。「裏にスナッピーが張ってるんじゃないか?」と思うほどのフィーリングでした。
紅い流星:好きな所はいっぱいありますけど……。
ショボン:赤いところ?(笑)
紅い流星:(笑)。でも確かに、デザインもカッコよくなりましたよね。以前は、少し機械っぽいイメージのモデルが多かった印象がありましたけど、かなりスタイリッシュになったと思います。
ショボン:フォーミュラ感があるよね。
紅い流星:黒に、差し色の赤っていうのが、すごくカッコいい。中身に関しては、価格と機能、サウンドのバランスがすごくいいと思います。コスト・パフォーマンス性が抜群ですよね。東京アクティブNEETsでFA-08を使う際は、基本的にピアノとしてプレイしているんですが、SuperNATURALアコースティック・トーンのピアノは、すごくいいです。FA-08そのものは、オールマイティなワークステーション・シンセで、多機能な点も魅力だと思いますが、キーボードの基本であるピアノ音色がしっかりしているということは、とても大事なことだと考えています。鍵盤タッチもすごくよくて、音色とタッチのマッチ感、これが最高ですね。特にピアノに関しては、鍵盤と音源の兼ね合いはとても重要です。そういう意味から言っても、僕はFA-08をピアノ専用機として使っているくらい、ピアノの演奏感は、すごく気に入っています。
紅い流星:1人の楽器プレイヤーとしてではなく、プロデューサーになることが重要だと思います。動画をアップするにせよ、ライブ配信をするにせよ、多くの人に自分達を見てもらうプロモーションですから、どれだけ他の人と違うものを作れるか、自分達しかやっていないことを見せられるか。つまりネットを使うなら、どれだけ絵を面白く見せられるか、そこは大きなポイントだと思います。
紅い流星:ここ数年の主流として、多くのミュージシャンが、1台のカメラのみの固定映像で配信している中で、僕らはたくさんのカメラを使って、編集にもこだわっています。カメラ自体も、デジタル一眼レフ(の動画機能)を使うことで、ちょっと映画的な質感にしたり。具体的に言うと、例えば鍵盤を映す際も、左手(高音)側から撮ると、近くははっきりと映るけど、遠く(低音側)に行くにしたがってボヤけていくような映像が撮れるんです。音だけではない、そういったいろんな研究をどれだけやって、バンドのプロデュースに役立てられるか。ネットで活躍するためには、そこがとても重要ですね。
紅い流星:音に関しては、どんなミュージシャンでも気を遣うところなので、さらにプラスして、映像のことも少し勉強してみるといいと思います。例えば、普段テレビを見る時でも、カメラの映し方や構図を意識するとか。自分達が演奏する際も、ただ楽器を弾くだけじゃなくて、その様子を画面の中で客観的に観たらどう感じるかを考えられるようになると、動画配信に役立つと思います。ネット動画に関して言うと、演奏以外の要素、それこそ動画の説明文の書き方から、タイトル、サムネイル画像といった1つ1つが、とても大事なんです。それによって、見てもらえるかどうかが、大きく左右されますから。
紅い流星:もちろん、1カメの固定映像が悪いわけではないんです。僕らも、最初は携帯電話の動画機能で撮った動画から始めました。ただ、1カメでやるにしても、何か面白い、他の人にはない要素がないと、多くの人に見てもらうのは難しいということです。音や曲のよさだけで、動画を見てもらうのは、本当に大変ですから。じゃあどうするかと言うと、超簡単な例を挙げるなら、配信時にネタとして視聴者がツッコミを入れられるようなデザインのTシャツを着るだけでも、それによってコメントが増えるんですよ。コメントが増えると、動画自体のポイントが上がって、ランキングが上がりますから、多くの人に見てもらえるきっかけにつながります。ニコニコ動画の場合だと、「再生数」、「コメント」、「マイリスト」っていう要素があって、単に再生数が上がるだけではなくて、コメントがたくさん付いた方が伸びがいいですし、「また見たい」と思ってマイリストに登録してもらうことで、まだ伸びていきます。そういった、コメントをしたくなったり、マイリストに入れたくなるような“仕掛け”は必要でしょうね。そのいい例が、ゴールデンボンバーさん。大ブレイクする前に、イベントで一緒になったこともあるんですが、彼らの場合は楽器は弾かないけど(笑)、今話したような仕掛け、パフォーマンスに200%、300%の力を入れた結果じゃないかと思っています。
山石本薫:僕はいつも、演奏する曲自体を好きになることから始めるようにしています。曲を好きになることで、どういう感情を込めて、どういう風に演奏すればいいか、そこを考えられるようになりますし、聴く人にも、その感情や表現が伝わるようにと意識して演奏しています。技術はもちろんですが、感情の部分も多くの人に伝えられたらと、いつも考えています。
青い刹那:僕はベースということもあって、例えば、ドラム、ピアノ、ベースというトリオ編成であれば、ドラムとピアノの2人のグルーヴをつなげる中和剤になろうと考えながらプレイしています。それがベースの役割だと思いますし、そのうえで、隙あらば何か“仕掛け”をブッ込むというのが(笑)、僕の個性だと思っています。
ショボン:私は、一緒にやっているメンバー、例えば今日の4人なら、どこにアクセントを持っていったらみんなが演奏しやすいか、ノリやすいか、そこを大事に考えています。
ショボン:まったく変わりますね。一番分かりやすい例が、ボーカルです。ボーカリストによって、リズムのどこにアクセントを持っていくと歌いやすいのか、それが8分裏なのか、どこなのかを常に考えています。ただし、東京アクティブNEETsの演奏に限っては、曲自体がすごく難しいので、アクセントの位置を意識しながらも、「この曲、できるかな?」といったチャレンジも、同時に行っている感じですね(笑)。
紅い流星:僕は、キーボードの立ち位置を向上させられるようなバンド、プレイヤーになりたいという気持ちがあります。キーボードって、バンドの中で裏方的な役割になることも多いじゃないですか。だけどこのバンドでは、キーボードがどれだけメインになれるか、カッコよく見せられるかということが、僕的なテーマ。「キーボーディストがセンターにいていいんだぞ!」っていう存在になりたいんです。
紅い流星:いろんな楽器をやった結果、最終的にキーボードに戻ってきた理由は、“全体を見渡せる楽器”だからだと感じています。そもそもキーボードには、すべての楽器音色が入っていますから、プロデュースする立場となる人にとって、一番適した楽器だと思っているんです。いろんな楽器の知識を得るためにも、オススメな楽器なので、これから楽器を始める人で、リーダー気質を持った人や、プロデュースに興味がある人は、キーボードを始めるのがいいと思いますよ。よくありがちな、「昔ピアノを習っていたから」というような理由だけではなく、そういった視点で楽器を選ぶのも、面白いんじゃないかなって思っています。