【インタビュー】HoneyWorks [PART2 – INSTRUMENT SIDE]

「ニコニコ動画」で活躍中のクリエイター集団、HoneyWorks。《Part.2》では、HoneyWorksの4人に、新製品JD-Xiをじっくりと試奏して頂き、魅力を徹底的に解剖してもらいました。

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JD-Xiは、キーボーディスト以上に、
ボーカリストやギタリストが重宝しそうな面白いシンセ
-INSTRUMENT SIDE-
《Part.1》で、独自のコンセプトや曲作りのこだわりについて語ってくれたHoneyWorksの4人が、新製品JD-Xiをじっくりと試奏。彼らの脳内にどんなインスピレーションを与えたのか? JD-Xiの魅力を徹底的に解剖してもらおう。
直感的にリズムを作れて、想像を超えたフレーズが生まれてきそう
─ JD-Xiを試奏しての第一印象はいかがでしたか?

Oji:僕は、いわゆる“機械オンチ”なので、あまりシンセはいじらないんですけど、そんな僕でも、JD-Xiはかなり遊べました。これは、すごくとっつきやすかったですよ。

shito:普段は、こういった機材はほとんど触らないもんね。

Oji:触らない。でも、JD-Xiは面白かった。サウンドも、太くてしっかりしていますよね。

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─ 新開発のアナログ・シンセ音源は、どのように感じましたか?

Gom:デジタルとアナログの両方の音源を鳴らしてみて、その違いがはっきりと分かりました。アナログのニュアンスが欲しい時とか、曲によって使い分けできそうですね。

shito:うん。確かに、まったく音の感じが違った。どっちがどうではなくて、種類が違うというか。

Oji:そこが面白いよね。

cake:それに、この斬新なデザインから、シンセ以外の音、例えばピアノやエレピ、それにドラムまで鳴らせるって、ちょっとビックリしますけど(笑)、でも、キーボードとして基本的な音色も鳴らせるというのは、すごく便利ですよ。初めてキーボードを買う人でも、この1台だけで、やりたいことはひと通りできるでしょうから、そういう考えると実用的ですよね。

shito:あと、パターン・シーケンサーが、とても分かりやすかったです。音色を選んで、これでリズムを作っていたら、ずっと遊んでいられるし、誰でも曲が作れそうな気になりますね。

cake:直感的にリズムやフレーズを作っていけるから、作ろうと思ってなかったような、想像を超えたフレーズが生まれてきそうですよね。しかも、思いもよらなかったようなリズムがカッコよかったりして、そういった新しい発見ができるタイプのシンセだと思いました。

shito:アルペジオ機能もそうだよね。頭で考えても出てこないフレーズが作れたりして。カッコいいリフが思い浮かばなくて困った時とか、すごくありがたい(笑)。SE(効果音)的にも使えるだろうし。

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ツマミを複雑に動かさなくても、「こういう感じだよね」っていう“使える音”になってくれる
─ cakeさんは、キーボーディスト目線で、JD-Xiの魅力をどういった点に感じましたか?

cake:キーボーディストにとってみて、JD-Xiはシンセとして十分に魅力的ですが、僕ら以上に、ボーカリストやギタリストがこれを持っていると、すごく重宝するんじゃないかと思いました。付属のマイクで素の声も鳴らせますし、声に内蔵エフェクトをかけたりすることもできますから。それに最近って、ボーカリストやギタリストがライブで小型シンセを弾くというスタイルもありますから、そういった使い方にもマッチすると思います。ライブハウスやスタジオにも、手軽に持って行けそうですし。

shito:ライブは、十分にアリだよね。

cake:むしろ、大活躍してくれそう。パターン・シーケンサーを走らせながら、パートをミュートするのも簡単だし、リズムも、スネアにだけにリバーブをかけられたりだとか、自由度がすごいですよね。内蔵エフェクトも充実しているし、パフォーマンス性が優れていると思います。

─ エフェクターは、4系統、16種類を内蔵していて、いずれもツマミ1個でコントロールが可能です。もちろん、メニュー画面から、細かい調整もできるようになっています。

cake:1個のツマミでコントロールできるエフェクターって、あまりないですよね。

Gom:だから、多機能なのに、文字(ツマミやボタン)が、本当に少ない。

shito:いいこと言った!(笑)

cake:(笑)。いや、でも、説明が少なくて分かることって、本当に大事だよ。

shito:それが顕著に表れているのが。エンベロープですよね。音の立ち上がり方から、余韻の残り方まで、ツマミ1個で調整できるって、画期的だと思いました。

Gom:これはスゴイよね。すぐに音の鳴り方を変えられるっていうのがいいよね。

cake:もちろん、シンセに詳しい人なら、4個のツマミ(アタック/ディケイ/サスティーン/リリース)を個別に動かして、細かく調整したいと思うでしょうけど、シンセが初めてだっていう人や、ボーカリスト、ギタリストが楽器屋さんで触った時に、4個のツマミを適当に動かしたら音が鳴らなくなって、「やっぱりシンセって、難しいな」と思ってしまうことって、実はかなり多いと思うんですよ。

Gom:そうだよね。

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─ 特にエンベロープの設定によっては、まともな音が鳴りませんからね。

cake:そこでシンセをあきらめてしまう人って、絶対にいると思います。そういう点でも、1個のツマミで“鳴り方”を変えられるというアイデアは、すごくいいと思いますし、僕のようにシンセを専門的に弾く側の目線からしても、たとえば、アタックを際立たせて余韻を付けたりだとか、ちゃんとテンプレート的な音の鳴り方がすぐに作れるので、これは便利だと思います。

─ ツマミの動きが、音作りの理に適っている、と。

cake:だから、いちいち複数のツマミを複雑に動かさなくても、「こういう感じだよね」っていう、“使える音”になってくれる。そこがすごい。シンセサイズの理屈が分かっている人にとっても、使いやすい仕様だと思います。あと、エフェクターの中では、僕はスライサーが気に入りました。これも、ツマミを回すだけでスライスのタイミングがテンポに同期しながら、16分音符や3連符に切り替わってくれて、音楽的に破綻しないように作られているので、とても実用的です。ディレイやリバーブも、欲しい効果がすぐに得られるので、とても使いやすいと思いました。

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Oji:リア・パネルにあるUSB端子って、どういう役目をするんですか?

─ USBオーディオ/MIDIインターフェス機能を搭載しているので、パソコンと接続すれば、本体で鳴らす音はもちろん、付属マイクやインプット端子に入力したギターなどの演奏も、DAWに直接オーディオで録音できます。ですから、「曲を作ろう!」と気構えなくても、音を鳴らしながら遊んでいて、カッコいいフレーズができたら、それをDAWに録って、PC上で細かく作り込むといったような使い方もできるんです。

Oji:なるほど。そう考えると、最初にcakeが言っていたけど、ボーカリストによさそうですね。シンセの音だけじゃなくて、声とかギターも、これ経由でDAWに録れるっていうのは、便利だなと思います。

リアルタイム感がすごくいい。ニコニコ生放送で使ってみたい
─ 試奏時には、ギターを入力して、オート・ノート機能でシンセ音色を鳴らすという活用法も試していましたね。

Oji:これは面白かったですよ。効果音的にも使えるし、うまく音色を選べば、ギター・シンセっぽいこともできました。僕は、ギター・シンセって使ったことがないんですよ。だから、いきなり専用機を買うのは、勇気がいるじゃないですか(笑)。でも、JD-Xiを持っていることで、ギター・シンセ的な遊びも楽しめるっていうのは、きっかけとしても気軽ですよね。もしこれでハマれば、専用機を買えばいいわけですし。そういった広がりも生まれそうなシンセだと感じました。

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shito:とにかくパターン・シーケンサーでリズムやフレーズをどんどん作っていけるから、ダンス・ミュージックとか、簡単に作れそうだよね。しかも、このサイズだし。

Gom:ミニ鍵盤は馴染みがあるから、むしろ、僕らには使いやすいし。

cake:デスクトップでも邪魔にならないサイズ感が、僕はとっても好きです。ライブでも、他のキーボードの上にも置きやすそう。

Gom:これとサンプラーがあったら、ニコニコ生放送で使えるよね。マイクも、付属のグースネック・マイクで十分だし。

cake:ニコニコ生放送のために、わざわざ大きな機材を用意して複雑なシステムを組むより、これ1台でやる方が、全然いいですよね。

shito:ニコニコ生放送で使ったら、ネット系のクリエイターとか、あとはボーカロイドで曲を作ってる人とかも、すごく面白がってくれそうなタイプのシンセだと思います。

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─ では、もしHonyWorksでJD-Xiを使うとしたら……?

cake:制作、ライブ、ニコニコ生放送(笑)。

shito:あと、息抜き(笑)。

Gom:(笑)。でも、やっぱりニコニコ生放送で使ってみたいです。JD-Xiのリアルタイム感が、すごくいい。直観的だし。

shito:しかも、映像を見ている人にとっても、面白く見てもらえそうだよね。特に、声を使った演出は、面白いと思ってもらえるんじゃないかな。

cake:既にあるような、標準的なシンセを小型化したものではなくて、こういう個性的なシンセは、とても珍しいと思いますし、触っていて、楽しいです。いつまでも、遊んでしまいそうな、そんなシンセだと思いました。

製品紹介
JD-Xi
アナログとデジタル、2つの異なるサウンド・エンジンをコンパクトなボディに凝縮したアナログ/デジタルクロスオーバー・シンセサイザー。

FA-06
ゼロから音楽をつくりだす新しいワークステーション。最高クラスのサウンド、サンプラー、アイデアをカタチにするシーケンサーを搭載。様々なシーンで活躍するシンセサイザーです。

INFORMATION
《CD》
CHiCO with HoneyWorks
『アイのシナリオ』
SMCL-372
¥1,241(税別)
《ライブ/イベント》
『ちゃんげろソニック』
4/4(土) 名古屋E.L.L
4/5(日) 大阪BIG CAT
4/11(土) 福岡DRUM Be-1
4/12(日) 高松MONSTER

PROFILE
HoneyWorks
動画投稿サイト「ニコニコ動画」上で活動するクリエイター・ユニット。メンバーはコンポーザーGom、shito、イラストレーターのヤマコ、サポート・メンバーにOji(海賊王)、ろこるがいる。2014年5月にziro、cakeがサポート・メンバーに加入。音楽性は、「キュンキュン系」「青春系」と呼ばれるポジティブ系ロックを主体とし、2014年1月29日、ボーカロイド・ベスト・アルバム『ずっと前から好きでした。』でメジャー・デビュー。同年5月、「CHiCO with HoneyWorks」の始動を発表した。
http://honeyworks.jp/
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