デジタル・グランドピアノ GPシリーズ 導入事例vol.02 介護医療院 五木田 様(GP-9M導入)~介護施設で活躍するピアノ~

デジタル・グランドピアノ GPシリーズ 導入事例vol.02 介護医療院 五木田 様(GP-9M導入)~介護施設で活躍するピアノ~ローランド最高峰デジタル・グランドピアノ「GP-9M」。介護医療院 島﨑淳さん、古石優さん、難波直子さんに、GP-9M導入に至った経緯や、ピアノ設置の目的、活用法などについてお話を伺いました。

介護医療院 五木田 様(GP-9M導入)

~介護施設で活躍するピアノ~

本企画のvol.01で、「ピアノという楽器が必要とされる空間やシチュエーションは、ますます広がりをみせています」と述べました。今回は、まさにその実例と言えるケースとして、京都市の介護医療院 五木田をご紹介します。今年の春に新築移転を行ったばかりのこの施設は、同じタイミングでローランドの最高級デジタル・グランドピアノ「GP-9M」を導入。利用者やスタッフの心を和ませ、コミュニケーションのきっかけにもなっているそうです。理事長の島﨑 淳さん、事務長の古石 優さん、事務次長の難波直子さんにお話を伺いました。

(左から)

医療法人 五木田病院 事務長 古石 優さん

医療法人 五木田病院 理事長 島﨑 淳さん

医療法人 五木田病院 事務次長 難波直子さん

人生の終わりを過ごす場所では
音楽がとても大事

介護医療院とは、2018年に制定された高齢者向け介護施設の新しいカテゴリーで、厚生労働省の定義では「医療の必要な要介護高齢者の長期療養・生活施設」となっています。多種多様な介護施設の形態が存在する中、医療サービスと介護サービスの両方を長期にわたって提供する介護医療院は、今後ますます重要性を増していくと思われます。介護医療院 五木田は、1980年に高齢者専用病院として設立されて以来、社会状況や制度の変化に合わせたアップデートを経て現在に至っています。

医療法人 五木田病院
理事長 島﨑 淳さん

「ここは医療や看護も行っていますが、病院ではなく、生活するための場所。平たく言うと、終の住処(ついのすみか)です。新しくなった現在の施設は、人生の終わりに向かう時間をゆっくりと心地よく過ごしてもらえるように考えて設計・運営しています」

そう話す言葉のとおり、ここではいわゆる介護施設のイメージと異なる特徴がいくつも見られます。「アットホーム感のある場所にしたい」という理事長の思いから、施設全体をハイグレードマンションのようなイメージで設計。すべてのフロアに大型のバルコニーが設けられ、車椅子はもちろんベッドに寝たままでも外に出て太陽の光を浴びることができます。内装はエリアごとに配色テーマが設けられ、例えばGP-9Mが置かれた1階のエントランスホールは、ラグジュアリー感のある雰囲気でまとめられています。

島﨑さん

「正直言いますと、ピアノを置きたいというのは僕のわがままから始まったことです(笑)。それは、ずっと音楽が好きだったから。もともと小さい頃から周りに音楽がある環境で、ピアノを習っていた時期もあります。ここに移転する前の施設にピアノはありませんでしたが、童謡や昔の流行歌などをカセットテープに編集して、談話室で流したりしていました。それが利用者の皆さんに好評で、談話室で過ごしてもらうきっかけのひとつになっていたんです。だから音楽はとても大事だなと思っていました」

グランドピアノの形をした電子ピアノで
自動演奏もできるのが決め手に

先述した通り、GP-9Mが置かれているのは、エントランスを入ると目の前に広がる大きなスペースの一角。ピアノの隣には観葉植物、壁にはクリムトの絵画が掛けられ、ちょっとしたギャラリーのような雰囲気です。そんな空間を優しく満たしているのが、自動鍵盤を備えたGP-9Mが控えめな音量で奏でるピアノ曲。これは利用者や来訪者の耳を和ませるだけでなく、隣接するスタッフルームの職員の皆さんがリラックスして業務を行えるという恩恵もあるとのこと。最新の「ピアノ・リアリティ・テクノロジー」の採用によって小音量でも豊かさを失わないGP-9Mの面目躍如です。

医療法人 五木田病院
事務長 古石 優さん

「最初は単にBGMを流すという案もありました。でも、やはり生の音がいいということで、ピアノを置こうという発想になりました。まずアコースティックピアノで自動演奏ができるものを探したのですが、音量調整という点で希望に沿うものがなく、各方面に相談して出会ったのがGP-9Mでした」

例えばホテルのラウンジなどのような場所なら、自動演奏のピアノが朗々と鳴っていても問題ないでしょう。しかし、ピアノの音をその場の空気に溶け込ませたいシチュエーションでは、音量を自由にコントロールできる電子ピアノが威力を発揮します。

島﨑さん

「いくら良い音でも、利用者さんの部屋まで聴こえるような大きい音で鳴らすわけにはいきません。あと、見た目のインパクトも重要でした。エントランスを入ってすぐの場所に置いてあるので、グランドピアノのフォルムのGP-9Mは最高ですね。こんなピアノを見つけてくれた古石には感謝しています」

古石さん

「アコースティックピアノと違って、調律のコストがかからないのも魅力でした。ちなみに、このスペースはピアノを置くために作ったように思われるかもしれませんが、理事長から“ピアノを置きたい”と言われたのは建物の竣工間際だったんです。せっかくこれだけのものを建てたのだからということで玄関周りを広くしておいたのですが、ピアノを置いてみたら、ここしかないと思えるくらいピッタリで驚きました」

本格的なピアノを自分たちで動かせる
だからこそ活用の幅がさらに広がる

普段はエントランスホールでBGMを奏でているGP-9Mは、もちろん楽器としての本来の用途でもお使いいただいています。

医療法人 五木田病院
事務次長 難波直子さん

「利用者さんの中には、昔、保育園の先生をされていた方など、ピアノの演奏経験がある方がけっこういらっしゃるんです。そういう方が、同じフロアにあるリハビリ室へ向かう途中でちょっと弾いていったりすることもあります」

そうして手や頭を使うことは心身の健康維持に役立ち、ピアノを介した会話が生まれるきっかけにもなります。楽器のクオリティが高ければ、そこで得られる喜びも大きいに違いありません。

また、取材の前月には地域のボランティアが来院して演奏会を実施。フルート、トランペット、二胡、ピアノのアンサンブルを、利用者の前で披露しました。その際は、会場となった多目的室にGP-9Mを移動。こういう使い方ができるのも電子ピアノならではの強みですが、導入したときは「そこまで考えていなかった」のだそうです。

古石さん

「もともと、ピアノを自分たちで動かせるなんて思っていなかったんです。でも、やってみたら“できるやないか”って(笑)。それで、すでにできあがっていた多目的室の扉を、GP-9Mが通るサイズに作り替えました」

介護施設の雰囲気を変えたGP-9Mは
これからも強みであり続ける

島﨑さん

「アコースティックピアノと違って、動かしやすいというのは大きなメリットですね。そして何より、GP-9Mを弾いたボランティアの人が“これ、ええわ”と言ってくれた。それは本当に嬉しかったです。最初にGP-9Mの蓋(大屋根)を開けたときはスピーカーが並んだ様子に驚きましたが、音を聴くとタッチの違いまでしっかり表現されていて、ピアノとしてのポテンシャルの高さを感じました」

今回お話を伺った場所でもある多目的室は、外の道路からも直接出入りできるオープンカフェのような作りになっており、将来的には地域に開かれた介護施設として幅広く活用していく構想もあるそうです。そうなれば、GP-9Mは今以上に活躍することでしょう。

島﨑さん

「今は利用者さんのことを考えるのが最優先で、それは今後も変わりません。でもまた違う形で地域に貢献できたらという思いがあります。そのときも、ピアノがあるというのは強みになるでしょうね。そもそも、ピアノを置いたことで施設の雰囲気は以前とずいぶん変わりました」

難波さん

「面会に来られたご家族の方も、以前よりゆっくりして帰られるようになった気がします。そういう雰囲気作りができているのかなと思います」

島﨑さん

「まだできあがったばかりの施設なので、新しい可能性はたくさんあると思っています。昔の外国映画で、ピアノの周りにみんなで集まって歌っているシーンがよくありますが、いつかそんな風に使ってもらうのもいいですね」

理事長は「僕のわがままから始まった」と笑っておられましたが、GP-9Mの導入が、介護医療院 五木田に想定以上のものをもたらしたのは間違いなさそうです。デジタル・グランドピアノだからこそ辿り着いた活用スタイルが、これからどう広がっていくのか。そんなことを期待させられる取材となりました。

介護医療院 五木田

https://www.gokita-kaigo.com

島﨑理事長の祖父である医学博士・五木田和次郎氏が、高齢者専用の病院として1980年に開設。2000年に介護療養型医療施設へ、2019年に介護医療院へ移行した。2024年4月、さらなる療養環境の整備のため新築移転。介護医療院として新築された施設は全国的にもまだほとんど例がない。

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自動鍵盤などデジタルならではの楽しみ方を実現する
ローランド最高峰のデジタル・グランドピアノ。

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