【SUPPORT】 デジタルピアノの音がおかしい!?

デジタルピアノの“音”に関する疑問について、お客様相談センターに寄せられる「よくあるご質問」をもとに、調整・確認ポイントをご紹介いたします。

Roland BLOG -SUPPORT CATEGORY-

こんにちは。ローランドお客様相談センターの WEB担当がお送りするローランド・ブログ「サポートカテゴリー」です。
今回は 「デジタルピアノ」 の “音” に関する疑問について、お客様相談センターに寄せられる「よくあるご質問」をもとに、ご確認いただきたいポイントや回答をご紹介いたします。ぜひご覧ください!!


デジタルピアノを演奏していると “特定の鍵域” において以下のような違和感を覚えることはありませんか?

・金属的な音が混じる(”キーン”という音が聴こえる気がする)
・何かに共鳴するようなノイズがする
・高い音がビリビリする
・音がこもって聴こえる
・音程があっていない気がする

デジタルピアノをお使いのお客様から、上記のようなお問い合わせがお客様相談センターに寄せられることがあります。
きっと、お問合せいただいたお客様にとっては、「ピアノの故障かな?」「私のピアノはおかしいのかな?」と、不安になられることもあるのではないでしょうか?

しかし、それはピアノの 故障とは限らず、ピアノの音特有のものであったり、設置場所で何かに共鳴していたりする可能性があります。

実際にお客様相談センターにいただいたお問合せは、デジタルピアノのさまざまな設定を変更したり、置き場所を少し変えたりすることで、解決できることも多くありますので、今回は”音の違和感“に対しての対処法をご紹介いたします。
デジタルピアノで少しでも違和感を覚たことのある方は、ご参考にしていただけると嬉しいです!

ローランドのデジタルピアノを演奏中に “特定の鍵域” において「音がおかしいな」と感じた場合は、以下の点を確認してみてください。

1.どこから聴こえるか確認する

音の違和感がある箇所によって、その要因が異なります。
まずは、ピアノの内蔵スピーカーとヘッドホンの両方で聴こえるのか、どちらか一方でのみ聴こえるのか確認してみてください。

< 内蔵スピーカーで聴いたときのみ発生する場合 >

ピアノのスピーカーから鳴る音や内蔵スピーカーそのものによって発生している可能性が考えられます。

ピアノのスピーカーから鳴った音は、ピアノの周辺にあるものに音が共鳴しているケースも多く、例えば、ピアノの上に物を置いていたり、お部屋にあるものが共鳴していたり、ピアノを設置されている後ろに窓ガラスがあったりすると、特定の音域で音が共鳴することがあります。

「音が共鳴するなら特定の鍵域ではなく、すべての音に対してするんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実は違うのです。私達の生活環境にある様々な “物体” には、それぞれ振動しやすい固有の振動数(特定の周波数の音)が存在するようです。この振動数(周波数)がピアノの特定の鍵域の振動数(周波数)と一致している場合、空気を伝って共鳴するんですって!!!
※ 固有振動数(特定の周波数の音)が異なる物同士では共鳴は起こりません。

そのため、特定の鍵域のみ音が共鳴してしまうことがあるんです。

ピアノの上や周辺の物に、何か共鳴しそうなものはないか一度ご確認いただき、動かしてみて変化があるかどうか試してみてください。また、ピアノを置く向きや角度を少しだけ変えるだけで改善することもあります。窓ガラスが近くにあってピアノを弾くと振動する場合には、ピアノの置き場所を変えることもご検討いただけたらと思います。
※置き場所を変更する場合は、2名以上で慎重に作業を行ってくださいますようお願いいたします。

それでも改善されない場合は、スピーカーの故障や、内部部品の共鳴などの可能性がありますので、お客様相談センターまでお問合せをお願いいたします。

< ヘッドホンで聴いたときのみ(強く)発生する場合 >

お使いのデジタルピアノによっては、ヘッドホン使用時でも、ピアノ本体から音が聞こえるような効果をかけることができる機能「ヘッドホン 3D アンビエンス」を搭載しています。これにより、ヘッドホンから聞こえる音の響きが強調されているように感じるケースがあります。その場合は、一度「ヘッドホン 3D アンビエンス」の設定を「オフ」に設定してみてください。

また、ヘッドホンの種類によっても音の聴こえ方が変わってきます。もしお手元に異なるタイプのヘッドホンがありましたら、ヘッドホンを変えてみていただくのも効果的です。

< 内蔵スピーカーとヘッドホンの両方で発生する場合 >

デジタルピアノ音源の多くは、アコースティック・ピアノの音を忠実に再現するために、ハンマーが弦を叩く音や、演奏していない弦が共鳴する音、ペダルを踏んだ時に弦が共鳴する音などを、あえて取り入れています。

製品出荷時の標準的な設定値にもこの共鳴音が含まれていますが、人によってはこの共鳴音に違和感を覚えられる(耳障りに感じられる)ことがあります。

音質は香りと一緒で好みがあるため、感じ方が全く異なります。
音質にはピアノや音源によっても違いがあるので、これまでのピアノにお持ちのイメージやお好みの音によって、感じ方も異なります。体調や気分によって気になる部分が違ったり、好き嫌いもあったり、感じ方は人それぞれです。

もし内蔵スピーカーでも、ヘッドホンでも、同じように違和感を感じられた場合には、ピアノの設定で調節できることもあります。
そのような場合は、以下の「あなた好みのピアノに調整する」をお試しください。

2.あなた好みのピアノに調整する

ローランドのデジタルピアノでは、お客様ご自身で音をつくる(調整する)「ピアノデザイナー」機能を搭載しています。
※グラフィカルな画面で分かりやすく調整ができるアプリ「Piano Designer」も用意しております。

「ピアノデザイナー」では、さまざまな音の要素を調整して、お客様ご自身でお好みの音に設定することができる機能ですが、気になる金属音や響きなどを改善できることもあります。

★ 調整ポイントの紹介 ★

PureAcousticピアノ音源」、「スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源」、「スーパーナチュラル・ピアノ音源」を搭載したモデルでは、鍵盤ごとに単体での調整が可能です。 ※ ただし、設定が有効なのは「グランドピアノ音色」のみです。

PureAcousticピアノ音源
   LX700 シリーズ / FP-90X

●スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源
   HP700シリーズ / GPシリーズ / KF-10(要アプリ) / DP603

●スーパーナチュラル・ピアノ音源(一部製品を除き、本体での設定が可能)
   RP701 / F701 / FP-60X / FP-30X(要アプリ)

特に、音の響きの調整で有効なパラメーターは、以下の通りです。

「 88鍵キャラクター/ボリューム/チューニング 」
    1つ1つの鍵盤ごとに、キャラクター、ボリュームの変更や、チューニングができます。

「 ストリングレゾナンス 」
    弦の共鳴音を調整でき、値が大きいほど共鳴音が大きくなります。

「 アリコート 」
    グランドピアノにつけられることがある共鳴弦を調節でき、値が大きいほど共鳴音が大きくなります。

「 ダンパーレゾナンス 」
    ダンパー・ペダルを踏んだ時の他弦の共鳴音を調整でき、値が大きいほど共鳴音が大きくなります。

「 ダンパーノイズ 」
    アコースティック・ピアノのダンパーノイズ(ダンパー・ペダルを踏んで、弦が解放されたときに鳴る音)を調整します。

それぞれの値を上げたり、下げたり、オフにしたりして、音を聴き比べてみてください。
また、「キータッチ」「音の明るさ」も調整してみていただくことも効果的です。
音程が気になる場合は、「調律法」も設定してみてください。平均律、純正律だけでなく、ピタゴラス音律などその他の調律も選ぶことができます。

※ ピアノデザイナーには、上記のパラメーター以外にも、共鳴音や、響板の響きを調整するパラメーターもありますので、様々なパラメーターを調節し、お好みの設定にしていただけたら幸いです。

音がおかしいな・・・と違和感を覚えたら、「故障かな?」と思う前に、一度「ピアノデザイナー」で調整してみてくださいね!!
もしかすると、それをきっかけにあなた好みのピアノをご自身で作ることができちゃうかもしれません♪色々調整してお楽しみください。

また、ペダルを踏んでいないのに、高音域(高い音)だけペダルの効果がかかってる・・・ってお困りの方は、以下のページもご覧くださいね。

【参考記事】 Piano Diary Vol.002 ~ デジタルピアノのペダルが壊れてる!? ~ >>

Piano Diary画像

3.それでも改善しない場合

上記の内容をお試しいただいても音の違和感に変化がない場合は、以下の内容についてもお試しください。

1.ピアノを初期化します(お買い上げ時の設定に戻す)

意図せず本体の設定が変わっていたり、動作が不安定になっていたりする可能性が考えられます。
取扱説明書の「お買い上げ時の設定に戻す(ファクトリーリセット)」をご覧いただき、本体の設定を初期化した場合に変化があるかどうかお試しください。
※ 機種によっては、本体の電源を入れ直すことで初期化されるものもございます。

2.音色を変更します

ピアノ音色を変えた場合に変化があるかご確認ください。
※ グランドピアノ音色では響きに違和感があるものの、アップライト音色では気にならない等、音色によって違いがあるかご確認いただけると助かります。

3.トランスポーズ(移調)します

鍵盤のトランスポーズを行った場合、変化があるかご確認ください。
※ トランスポーズの方法につきましては、取扱説明書「鍵盤のトランスポーズ」をご参照ください。

   例:鍵盤のトランスポーズを行うと、違和感のある鍵盤も移動する
        鍵盤のトランスポーズ行っても、違和感のある鍵盤は変化しない、など。

4.電源オフの状態で鍵盤の感触を確認します

ピアノの電源をオフにした状態で違和感のある鍵盤を押した際、他の鍵盤と比べて感触に違いがあるかご確認ください。
※ 鍵盤の内部に異物が混入して音がおかしくなることがございます。

   例:中で何かにこすれる感じがする
        他の鍵盤と比べて打鍵時の感触が重い、など。

5.音に違和感を覚えるタイミングを確認します

音の違和感は、ピアノをご購入いただいた当初から感じていましたでしょうか。それとも、途中から感じられたのでしょうか。
また、違和感は打鍵した瞬間から感じるのか、余韻(響き)で感じるのかご確認ください。

   例:打鍵した瞬間から金属的なノイズが混じる
        打鍵時は正常だが、余韻(響き)が濁る、など。

以上の内容をお試しいただいても音の違和感に変化がない場合は、お試しいただいた以下の結果とあわせて、お客様相談センター までご連絡くださいますようお願いいたします。
※ お問い合わせいただく際、サポート・ブログをご覧いただいてお試しいただいた内容をお伝えいただくと、スムーズなご案内が可能です。

●音をどこで確認しているか(ヘッドホンまたはピアノのスピーカー)
●ピアノデザイナーでの調整結果(調整した項目も含む)
●ピアノを初期化した結果
●音色を変更した結果
●トランスポーズした結果
●電源オフの状態で鍵盤の感触
●音に違和感を覚えるタイミング


お客様相談センターが配信しているメールマガジン「サポート・ニュース」では、お客様とのコミュニケーションやサポート・ニュースならではの情報などを、公開情報の更新時にあわせて配信しておりますので、ぜひ「メールニュース登録」にて「サポート・ニュース」をご登録ください☆

この記事をシェアする
Recommend 関連記事