asakura_report_eye

【レポ】浅倉大介 × JD-Xi「Seq Virus 2014-2015 Special Count Down」

日本を代表するシンセサイザー・アーティスト 浅倉大介。彼がRolandの最新シンセを世界最速で演奏したニュースは、2015年のスタートと共に世界各国でシェアされ話題となった。ハードウェア・シンセサイザーの演奏ノウハウを交え、イベントの様子をお届けしよう。

asakura_report_001
 iTunesで楽曲を独占配信するソロプロジェクト「DA METAVERSE」を約5年振りに再開した浅倉大介。その配信楽曲を中心に、これまでリリースしてきた楽曲を体感できるカウントダウンイベント「Seq Virus 2014-2015」が行われた。そこでは2015年の幕開けと共に全世界で大きな話題となったRolandシンセサイザーJD-Xiが世界最速で導入され、早くもそのポテンシャルで観客を沸かせていた。
asakura_report_002
 今回の浅倉氏のカウントダウンライブは、DJセットによるクラブ・スタイル。これまでリリースしてきた膨大な楽曲はMacintosh MacBook Proに立ち上げられたAbleton Liveから叩き出され、そこに浅倉氏お気に入りのDJエフェクターでもあるPioneer RMX-1000によるリアルタイム・パフォーマンスが加えられるというもの。イントロ/アウトロや曲間の”つなぎ”に活用されたのは、手をかざすことでSFXを奏でることができるAlesis air Synth。楽曲をただ流すだけではなく、その場のノリやフロアの雰囲気でピッチを微調整したり、エフェクトをかけたりするあたりはまさにDJといったところ。また、客席からは見えなかったが、ブースには浅倉氏が長年愛用するエフェクト・プロセッサー BOSS SE-70(ディレイ・エフェクターとしてair Synthと接続して使用)と、当日の様子を音声収録するために使われたWAVE/MP3レコーダー Roland R-05も置かれていた。

asakura_report_003
 そして今回新たに導入されたRoland JD-Xiは、自身のソロ曲「Nothung syndrome」や、accessの「Wild Butterfly」など、超高速なBPMの楽曲で登場。シンセならではの上昇音など、新開発のアナログ・エンジンならではの滑らかなピッチ変化、そしてアナログ・シンセとデジタル・シンセ、両方のエンジンを兼ね備えたJD-Xiならではの存在感ある音色で活用されていた。
 興味深かったのは、Ableton LiveからJD-XiへMIDI Clockを送っていたこと。DJスタイルであるが故に、そのBPMは楽曲により目まぐるしく変化する。そこでAbleton Liveから常にピッタリ合う同期信号を送ることで、JD-Xiの内蔵シーケンサーを完全にシンクさせ、DJスタイルの中にあってもスムーズに楽曲にマッチさせることに成功していた。まさに、アナログの音とデジタルのシーケンサーにより生み出されるサウンドは、JD-Xiのコンセプト”クロスオーバー”を彷彿させた。
 余談だが、Ableton LiveやNative Instruments TRAKTOR PROなどを使ってDJプレイをする際、こうしておけば内蔵のシーケンサーやアルペジエーター、それにBPMと同期するよう設定したLFOなども使い勝手がグッと増すわけだ。しかも、JD-XiはUSBケーブルをMac/PCと接続するだけでMIDIとオーディオの両方の信号を扱うこともできる。ハードウェア・シンセサイザーを導入したいと思っているDJは、是非参考にしてほしい。

 イベント本編は、前述のDA METAVERSEの楽曲はもちろん、様々な時事ネタを盛り込みつつも何と約4時間半もの間、ノンストップで続けられた。まずは年末ということで紅白歌合戦ネタ。自身が20年前にaccessとして出演した際の楽曲「SCANDALOUS BLUE」、T.M.Revolution×水樹奈々の「Preserved Roses」、そして・・・「実はもの凄いプレッシャーだった!」と語った、話題の中森明菜の復帰作「Rojo -Tierra-」などをプレイ。
 終盤のトークでは「今年の紅白では僕の曲が2曲も歌われています!」と観客から拍手を受けるシーンも。さらに、「Let It Go」、「ようかい体操第一」など、2014年を象徴する楽曲もチョイス。まさかの選曲に、合唱や振り付けで応戦するファンの姿を見て「素敵な一体感!」と感じてしまった。
asakura_report_004
asakura_report_005

 「DA METAVERSE」再開の第一弾となった楽曲「3×10^8 LUCKS」は、エレクトロニック・カテゴリーで一位を記録したことからも、その注目度が伺える。今後は月に一曲のペースで配信していく予定だそうで「配信できない月があったらゴメンネ(笑)」と、ファンに布石を打つ場面もあったが、きっとシンセサイザーの面白さを発見できる様々な楽曲を届けてくれることだろう。

asakura_report_006

ARTIST PROFILE:浅倉大介

 1991年デビュー。ソロ・アーティスト、またaccess、Iceman等のユニットとして活動。コンピューターやシンセサイザーを自由に使いこなし、デジタル・メディアへの積極的かつ斬新なアプローチが特に高い評価を受けている。プロデュース活動も多岐に渡り、数多くのアーティストを輩出するほか、テレビ番組のオープニング・テーマや映画・舞台音楽、ゲーム・ミュージックなどを手がけるなど、柔軟で幅広い活動を展開している。


オフィシャル・サイト:http://www.DAnet.ne.jp/

DA METAVERSE:http://www.dametaverse.com/

撮影/執筆:石井宏平
この記事をシェアする
Recommend 関連記事