【レポ】Roland Summer Forward 2015 浅倉大介パフォーマンス分析

機材セッティングから、裏話まで。浅倉大介氏がJD-X × AIRAで示した、Rolandシンセサイザーの新たな1ページがそこにありました。

JD-X × AIRAが示した、
Rolandシンセサイザーの新たな1ページ。

プレスやディーラー向けの新製品お披露目の場となった、Roland Summer Forward 2015。既にその様子を捉えた動画をご覧になられた方も多いのではないでしょうか?アナログ/デジタル クロスオーバーシンセサイザー JD-XA、AIRA Modularといった新製品のロールアウトに加え、トップミュージシャンである浅倉大介さんによる過激なパフォーマンスも話題となりました。今回は、その浅倉さんの機材セッティングを中心に、当日の様子をお届けしましょう。
asakura_set
今回の浅倉さんの使用機材はJD-XA、JD-Xi、TB-3、SYSTEM-1、MX-1、SBX-1、Pioneer CDJ-2000 NEXUS。JD-XAはイントロのディープなSFXや、中盤以降のLead。SFXはJD-XAの開発スタッフが徹底的にこだわったアナログフィルター、ポルタメントやLFOによる滑らかな音色変化。Leadはアナログパートを軸とし、エフェクトを効果的に使った過激なサウンドや、シンプルながら印象的な矩形波によるサウンド。いずれも『作れそうで簡単には作れない』JD-XAならではのゴージャスなサウンドに仕上がっていました。

左手には『要塞』と呼ぶに相応しい、最新のRoland機材を中心としたセット。
【JD-Xi】
即興演奏時のリズムパートや、歪み系エフェクトを使って仕上げられたサウンドで使用。
【TB-3】
Realtime RecやScatter機能などを駆使し、まさにリアルタイムでフレーズを作り変えていくというTB-3ならではの使い方。TB-3=Baseline、という概念に囚われず、高音域で鳴らしシーケンスのように使っていたのも印象的。
【SYSTEM-1】
JD-XAとはまた違ったサウンド・キャラクター=ACBにより実現した鋭いサウンド。今回は曲中や楽曲の締めにポルタメントを効かせたLeadやBassサウンドを多用。
jd-xa playjd-xa play【MX-1】
JD-XA、JD-Xi、TB-3、SYSTEM-1、CDJ-2000 NexusがMX-1接続されていましたが、MX-1=Mix Performerという名の通り、今回の演奏を縁の下で支えていました。今回の機材は全てMX-1にインプットしてPAへ送っていたので、マスター段に掛けることで効果を発揮するLooperやFilterといったエフェクトも効果を発揮。さらに、SYSTEM-1やJD-Xiで作られた、EDMテイストの”上昇/下降音”に、MX-1で徐々にSideChainを掛けるという『今っぽい』という表現がシックリ来るサウンドも聴くことができました。
浅倉さん曰く「MX-1のSideChainは、任意のパートに、リアルタイムに掛けていくことができるのが面白い。単純なOn/Offだけだとあの感じは出せないし、全パート同時に掛かってしまってもダメ。その点、MX-1はそういった細かいコントロールができるので、面白い。」とのこと。まさに現代のダンス・ミュージックをリアルタイムに演奏するに必須のアイテムと言えます。
【SYNC BOX SBX-1】
同期のマスターとなったのはSYNC BOX SBX-1。このMIDI OUTを懐かしのA-110(MIDI IN ×1、MIDI THRU ×5)に入力し、各機種にMIDI Clockを送信していました。

>>>JD-XA Musician’s Impression

daisuke asakura

※別ページが開きます

ちなみにこのセッティング、2015年4月からスタートしたaccessのツアーともかなり近い形になっています。ファンの皆さんはどこがどう違うかを探してみるのも面白いかも?
さて、気になる演奏の中身へ。前半は全て即興によるパフォーマンス。「触っていてとにかく楽しい」という言葉通り、出てくるフレーズが本当に活き活きとしている印象。そして後半は、これらの機材をCDJから叩き出されたDA METAVERSE最新曲(5/13時点)『march hare』にオーバーダブする形で進行。実はCDJとその他の機材は、厳密にはSYNCしていませんでした。そこはSBX-1のBPMや各機種のStart/Stopなどをリアルタイムにコントロールしてピッタリ合わせこむ浅倉さんの手腕が発揮されていたのです!ちなみに『march hare』は、完全にRoland担当者の趣味で選定しましたが(笑)、今回のセッティングにはバッチリ合っていたのではないでしょうか?さらにmarch hareの生演奏はこのイベントが初だったそうです。

今回浅倉さんにJD-XAの演奏を依頼したのは、2010年にGAIA SH-01発表時も演奏して頂いていたことにも起因します。というのも、JD-XAには『GAIAでシンセサイザーを始めた方に、次のステップを提供したい』という想いも込めたためです。JD-XAは、あのとき浅倉さんの演奏でGAIAに興味を持って頂いた方にも、ぜひ触って頂きたいと思っています。

ARTIST PROFILE:浅倉大介

1991年デビュー。ソロ・アーティスト、またaccess、Iceman等のユニットとして活動。コンピューターやシンセサイザーを自由に使いこなし、デジタル・メディアへの積極的かつ斬新なアプローチが特に高い評価を受けている。プロデュース活動も多岐に渡り、数多くのアーティストを輩出するほか、テレビ番組のオープニング・テーマや映画・舞台音楽、ゲーム・ミュージックなどを手がけるなど、柔軟で幅広い活動を展開している。
【オフィシャル・サイト】
www.DAnet.ne.jp/
【DA METAVERSE】
www.dametaverse.com/

多のサウンド・クリエイター、アーティストが語るJD-XA。妥協を許さずに設計されたディディールはこのページから。

アナログとデジタル、2つの異なるサウンド・エンジンをコンパクトなボディに凝縮。

制作とパフォーマンスをシームレスにつなぐ、「PLUG-OUT」コンセプトを採用したシンセサイザー。

多彩な入出力に対応した「演奏」できるデジタル・ミキサー。

アナログ/デジタル機器、パソコンとの同期演奏が可能なシンク・ボックス。

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