【プロ直伝!】
Roland FA-06 FA-07 FA-08で学ぶ、
一歩進んだキーボード演奏
~Simple Tips for keyboard Player~
新しい生活、新しい環境。なにかと新しいコトに挑戦する機会の多いこのシーズン。高校生や大学生の中には、軽音部や軽音サークルに身を投じていく人も多いのではないでしょうか?ここでは2014年の発売以来、多くのキーボード・プレイヤーから絶大な支持を得ているローランドシンセ FA-06 FA-07 FA-08を使って、バンド演奏をより快適に楽しむためのノウハウを伝授していきます。
第一回 アコースティック・ピアノ編
誰もが憧れるアコースティック・ピアノの音。キーボード・プレイヤーのうち、実に80パーセント以上の人が”ピアノの音は必須!”と答えています(ローランド調べ)。そのアコースティック・ピアノの音色をじっくり紹介していきます。
Roland最高峰のピアノが入っている
まずは、現在のローランドシンセ最高峰の音といえるSuperNATURALアコースティック・ピアノの音色を収録しているのが最大の特長。※このSuperNATURALというワードは、この連載で度々出てくるので覚えておいてくださいね!
アコースティック・ピアノならではの強弱による自然な音色変化や、調律師やサウンド・エンジニアが手をつける項目をエディットできるなど、アコースティック・ピアノそのものの自然な形を細かく忠実に再現しています。
音色をドンドン拡張していける
FA-06 FA-07 FA-08は、最初から収録されている音色・・・いわゆるプリセット音色だけではありません。さらに音色を拡張するためのサウンド・ライブラリが存在します。ここには前述のSuperNATURALとはまた異なるタイプのサウンドがズラリと並んでいます。中でもEXP-04 Concert Piano Collectionは特に人気の高いタイトルです。
このEXP-04には、たった一台のグランド・ピアノを様々なシチュエーションで収録し、丁寧に仕上げた音色が収録されています。例えば、アコースティック・ピアノに立てるマイク。寄り気味なのか?引き気味なのか?一本なのか?複数本なのか?など、考えうる録音シーンを極力再現した力作なのです。プリセット音色だけでなく、拡張ライブラリからも最適な音色を発掘してみてください。
バンドでピアノの存在感を出すには・・・?
と、ここまでは割とFAの音色紹介になっていますが・・・FAの機能を使って、より”バンドに強い”ピアノを作ってみましょう。
まず、DUALを押して2つの音色を重ねるモードにします。通常はストリングスやパッドなどを重ねるのが定石ですが・・・ここではなんと「違うキャラクターのアコースティック・ピアノ」を重ねてみます。
今回はSuperNATURALアコースティック・ピアノに、90年代に数々のヒット曲で使われた特長的なPCMピアノの音を重ねています。このピアノは倍音成分が非常に豊かで、バンド内においては他のパートと被ることなく良いポジションに居られる音色。SuperNATURALアコースティック・ピアノでは生々しい部分を維持しつつも、PCMピアノがバンドでの存在感をブーストしています。もちろん、単に重ねるだけではなく、絶妙なボリューム調整を行うことで”ピアノらしさ”と”バンド内での存在感”を両立させることができます。どれくらいの数値がいいのかは、演奏する楽曲やバンドの編成によって変えていきましょう。ちなみにFAは画面に各音色(2つのアコースティック・ピアノ)のボリュームがわかりやすく表示されているので、演奏中での調整も楽々です。
次回はロックの必需品!?オルガンのTIPSをお届けします。
お楽しみに!
講師:上野紘史
東京藝術大学 音楽環境創造科 卒業。 シンセサイザーやデジタル・オーディオ・ワークステーションを駆使しての演奏、作曲・編曲、作詞までもこなすマルチ・クリエイター。 小学生の頃からピアノ、中学 2年からはシンセサイザーに触れ音楽の魅力を追求。 高校3年の半ばで東京藝術大学への進学を志し、見事合格。 藝大卒業後は大手プロダクション スターダスト主催の「SDRオーディション サウンドクリエイター クリエイター部門」に合格。 現在は様々なバンド/ユニットへの参加や楽曲提供を行う傍ら、メジャー・デビューに向け様々なクリエイティブな企画に挑戦するBS11内の音楽番組「ミュージック☆ロード」に 出演するなど幅広い活動を行っている。