【インタビュー】アーバンギャルド

ドラマーが加入して、さらに新曲ではベースも生に。今が一番、立体感のある音楽が作れている

アーバンギャルド
“トラウマ・テクノ・ポップ”をコンセプトに掲げる5人組バンド、アーバンギャルド。ベスト・アルバム『恋と革命とアーバンギャルド』には、佐久間正英プロデュースによる新曲「初恋地獄篇」「都会のアリス」が収録され、これまで以上にバンド感を強化した楽曲に仕上がっている。その、電子音とバンド・サウンドを融合させる楽器隊3名に独占インタビューを敢行。新曲のレコーディング秘話や、初音源化となった「ベビーブーム」の“バンド一発録り”で使用されたFP-80とV-Combo VR-09の印象を語ってもらった。
バンド感を意識しながらシーケンスのバランスを調整することで、プレイ・スタイルを変えずに3人の個性を押し出せた
─ まず、ベスト・アルバム収録の新曲「初恋地獄篇」と「都会のアリス」のプロデューサーとして、佐久間正英さんを迎えることになった経緯から教えてください。

谷地村:元々、佐久間さんとは面識がなかったんですが、この先、自分たちが曲作りをしていくうえでプロデューサーを立てたいねという話は、バンド内で以前から出ていたんです。前のアルバムを作った頃から、そういう話をしていたんですが、今回のベスト・アルバムを作るにあたって、自分たちとしても「バンド・サウンドを推し進めていきたい」という気持ちが強くなって、じゃあ、このタイミングじゃないかと思って。それで、バンドで話し合った中で、アーバンギャルドに必要なバンド・サウンドを構築するためには、ぜひ佐久間さんにお願いしたいということになったんです。

─ 実際に佐久間さんとレコーディングを行って、どのような発見がありましたか?

瀬々:僕としては、これまでのレコーディングの中で、今回が一番やりやすかったです。新曲では、佐久間さんにベースを弾いていただいたんですよ。もちろん、これまでと同じように打ち込みのフレーズもあるんですが、ベースが人間になったことで、しかもそれが佐久間さんですから、リズムがすごく取りやすくなりました。レコーディング時も、ようやくドラムとベースに意識を向けられるようになったという感覚があって、ものすごく演奏しやすかったです。まったくストレスもなく、それに怒られもせず(笑)、楽しくレコーディングができました。

谷地村:佐久間さんのいろんな“伝説”を耳にしていましたから(笑)。

瀬々:内心、ビクビクしながらスタジオに行ったんですが(笑)、むしろ佐久間さんには、僕らがやりたいと思っていることを、本当に汲み取っていただいて。

谷地村:もちろん、演奏に関してのアドバイスはあったんですけど、根本からすべてを変えちゃうようなことはまったく無くて、バンドやプレイヤーの個性を引き出すことを重視して下さって、本当にすごい方だなって思いました。。

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▲アーバンギャルド

─ 佐久間さんが、プロデューサーとしてだけでなく、ベーシストとしてプレイもされていたとは知りませんでした。鍵山さんにとっては、ドラマーとして、プレイ面でも大きな変化があったのでは?

鍵山:これまでのレコーディングはずっとベースが打ち込みでしたから、シンセ・ベースに僕らが寄り添う形でプレイしていたんです。それが今回、佐久間さんがプレイしてくださったことで、リズム隊のグルーヴ感や一体感というものを、初めて得られたという感覚がありました。

瀬々:普段のアーバンギャルドは、すっごくクソ真面目なベース(笑)。絶対にブレないからね、アイツは(笑)。

鍵山:絶対に間違えないし(笑)。

谷地村:一般的なバンドって、ドラムとベースがリズムを組み立てるということは当たり前だと思うんですけど、僕らには、その“当たり前”の部分が、ずっと無かったわけです。シンセ・ベースのカッチリとしたシーケンスに、まずドラムをカッチリと合わせていく。それが、今までのレコーディングで、グルーヴさえも、“ズレ”に感じてしまうような部分もありました。その点で新曲は、本当にバンドのグルーヴが出せたんじゃないかって思っています。

鍵山:僕はそもそも、ハードコア系のドラムをやっていたんです。そこから、“航空電子”っていうインディーズ・バンドでテクノ・ポップもプレイするようになって、今ではアーバンギャルドでテクノ・ポップにどっぷりと浸かっています。でも元がハードコア系なので、いまひとつ、アーバンギャルドのアンサンブルの中での自分(ドラム)の居場所がどこなのか、掴み切れていなかったんです。でも新曲では、佐久間さんにバンド感とテクノのバランスを取っていただいたことで、両方の要素を自分の中で融合させられました。

谷地村:加入3年目にして、やっと居場所が見つかった……(笑)。

鍵山:「ここに居ていいんだ」って(笑)。

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▲左から、瀬々信(Gt)、谷地村啓(Key)、鍵山喬一(Dr)

─ ギターに関しても、プレイや音作りの面で何か変化はありましたか?

瀬々:これまではいつも、シーケンスのベースが、ギターの低域や倍音部分を食ってしまっていたんです。だから、ギターはすごくドンシャリにして、シンセ・ベースに負けないようにローをガッツリと出すことで、無理な音圧の稼ぎ方をしていました。それが今回、佐久間さんにベースを弾いていただいたことで、いい意味でベースの帯域がギュッと狭まったので、ギターの出したい部分とベースの棲み分けができました。しかも、僕らの音楽にとって、上モノのシーケンスがキラキラと鳴ることは重要で、同じ上モノ同志でも、ギターとシーケンスの使い分けも、上手くできたと思っています。

谷地村:シーケンスを打ち込む立場から言うと、佐久間さんには、アレンジ段階からご一緒いただけたので、「こういう音は、もしかしたらいらないかも」「このフレーズは、もっと簡略化していいかも」というアドバイスをいただきながら、制作を進められました。ベースが打ち込みから生になることに重点を置いて、全体のバンド感を意識しながら、シーケンス・フレーズを間引いていくことで、バランスを調整したんです。そうすることで、3人とも、今までのプレイ・スタイルを変えることなく、より個性をグッと前に出せたような気がしています。特に瀬々さんのギターって、“オイシイところ”が、これまでのサウンドではちょっと見えにくかったと思うんです。でも、ベースの音が引き締まって、シーケンスが整理できたことで、これまで以上に、前にグッと押し出せたんじゃないかって思っています。

─ 確かに新曲は、音像がスッキリとしつつも、アーバンギャルドらしい“ごちゃごちゃ感”が、より際立った仕上がりになっていますね。

鍵山:やっぱり、バランスがよくなったんだと思います。最初に佐久間さんと一緒に音を出した時は、「これはヒドイな」っていうことになって(笑)。“中音(ステージ内でプレイヤーが聴くモニター・サウンド)”がグシャグシャだったんですよ。そのバランスを整理していただいたことが、一番大きかったですね。

谷地村:その結果、他の曲に関しても、ライブでの意識がかなり変わりました。

瀬々:いろいろと学んだことで、音のバランスの取り方が、ちょっと変わったよね。ライブでのシーケンスに関しても、以前とは違って、僕ら楽器隊の“オイシイところ”がキチンと出せるように、バランスが取れるようになったんです。これは、とても大きな収穫でした。

新しい曲は奥行きがあって立体的。そこが宅録からスタジオ・レコーディングに変わった一番の変化
─ ベスト・アルバムで初音源化となった「ベビーブーム」は、ボーカルまで含めて「せーの!」で行う、いわゆる一発録りでレコーディングされたそうですが、これも新しいバランス感覚を手に入れたからという面もあったのですか?

谷地村:それもありましたが、そもそもは(松永)天馬(Vo)が、「一発録りでやったら面白いんじゃないか」って言い出して。この曲は、できるだけライブに近い感じがいいだろうという共通認識がバンド内にあったので、自然とそういう方向性になりましたね。曲中で、天馬以外のメンバーが返事をする部分があるんですが、そこだけ別録りで、あとはボーカルを含め、全員が同じスタジオに入っての一発録りなんです。

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瀬々:ダビングで返事を録る時も、1本のマイクに4人が縦に並んで、1人が終わったら、次の人が前に出てっていう録り方で、1テイクOKでした。だからこれも、ある意味では一発録りでしたね(笑)。

谷地村:その中間部分で天馬の喋りが入るんですが、そこの長さって、ライブでは毎回違うんですよ。喋りのタイミングを見計らって、僕がシーケンスをポン出しして、次の展開に進むんですが、レコーディングでは、そこもまったく同じようにやりました。

鍵山:そう言えば、この曲って、何年くらい前からライブでやってるんですか?

瀬々:10年ぐらいかな? アーバンギャルド結成時からやってる曲だから、少なくとも、8年くらい前には作っていたはず。

谷地村:瀬々さんは、結成時のオリジナル・メンバーなんですけど、ドラムもベースもキーボードもいなかった時代の、一番古い曲。でも当時、その編成でバンドの体を成していたっていうところが、よく考えたらスゴイ話ですよね(笑)。

瀬々:よくやったと思う(笑)。初期の曲は、8トラックくらいのMTRを使って宅録で作ってました。

谷地村:天馬が打ち込んでたの?

瀬々:そう。入門的なシーケンス・ソフトで、天馬が作ってた。その頃は、天馬に「こういう音を出したいんだけど」って言われて、僕が「こんな感じ?」って言いながら、シンセと同期させて音を鳴らしていたんです。ギターもライン録音だったし。

鍵山:ベスト・アルバムには、僕が加入する前の曲も収録されているんですが、昔の曲って、よくも悪くも“絵”っぽいですよね。マスタリングの際に思ったんですけど。

瀬々:ああ、平面的だよね。

鍵山:だけど新しい曲は、奥行きがあって立体的。当たり前のことなのかもしれないですけど、その違いを改めて感じました。

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瀬々:そこが、宅録からスタジオ・レコーディングに変わった一番の変化なんじゃないかな。宅録で、楽曲に立体感を生み出す難しさは、本当に身に染みてますから。

谷地村:その1つのターニング・ポイントが、鍵山くんの加入だと思ってます。僕が打ち込みでドラムを組んでいた時も、意識して立体感をシミュレートしてましたけど、やっぱり生ドラムには敵わない。もちろん、最近のドラム音源って、サウンドはすごくリアルになりましたけど、でも人間が叩くダイナミクスやリズムの揺らぎを打ち込みで作ることが難しくて、そういう部分も、楽曲が平面的になってしまった要因なんじゃないかって思っています。そこから鍵山くんが加入して、打ち込みのドラムが生ドラムになって、さらに新曲ではベースも生になったので、今が一番、立体感のある音楽が作れているんじゃないかという気がしています。

─ 今の話にもつながるかもしれませんが、アーバンギャルドの音楽に欠かせない打ち込みのシーケンスと、キーボードでプレイするフレーズは、どのような意識で作り分けているのですか?

谷地村:例えば、ピアノ・ロック的な曲の場合は、曲を作る段階からピアノをメインに鳴らして、その上にシーケンスを重ねていくというイメージで打ち込んでいきます。それがピアノが入っていない曲だと、曲作りの時点では、キーボードを弾くということは想定せずに、その楽曲を活かすようなシンセの音色やフレーズを作っていきます。ライブで何をどう弾くかは、後で考えるんです。ですから、ライブで自分のパートがムチャクチャに難しくなって、地獄を見るケースもあるんですけど(笑)。

─ (笑)。確かにアーバンギャルドの楽曲は、ピアノの使い方がユニークですよね。

谷地村:僕は元々、ジャズが大好きだったんですよ。そこからアーバンギャルドでテクノ・ポップをやることになった時に、僕らの周囲のテクノ系バンドは、キーボードが割とロボット的に、人間味をそぎ落としてミニマルなフレーズを弾くといったタイプが多かったんです。そこで僕は、打ち込みがありつつ、もっと即興性のあるプレイだったり、ライブの度に、いつも少し違ったフレーズを弾くといった要素を取り入れようと考えました。ですから、ピアノがメインとなる曲では、今でもそういう意識で自由に弾いていますし、反対に、打ち込みメインの曲だと、自分はシーケンスの一部になるという感覚なんです。そういう意味では、今回の新曲にはピアノが入っていないので、2曲とも後者のイメージで曲作りをしました。

─ そういった“上モノ”に対して、同じ上モノであるギターは、どのようにアレンジしていくのですか?

瀬々:アレンジを詰める際は、クソ真面目な打ち込みベースを聴きながら作業するので(笑)、グルーヴィさを出すために、今までは、ベースと少し被るくらいのローをあえて出して、ズンズンと弾く癖がありました。ただそれも、生ベースと一緒に弾いたことで、そこまでギターでローを出さなくても成立するんだということが分かって、音作りの考え方が変わりましたね。今は、ギター特有のジャキジャキしたニュアンスを出すようにしています。

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─ では、使うエフェクターなどにも変化があったのですか?

瀬々:システム自体を、すべてガッツリと変えました。アンプも、中高域がキレイに鳴らせるものに変えて、ギターそのものも、以前はハムバッカーでズンズンと弾いていましたが、今回はシングルコイル・ピックアップにして。エフェクターに関しては、「ベビーブーム」では、ボスPS-6が大活躍だったんです。踏んだ時に、音がオクターブ上がるようにピッチ・シフト機能を使って、ピュンピュンと鳴らしました。あと、まだバンドではまだ使ってないんですが、ハーモニー機能もいろいろと試しているところです。歪みは、自分で改造したボスDS-1です。トーンを上げた時にローも持ち上がるようにしたり、パーツを替えて、歪み方をちょっと変えたりと、マニアックに手を加えてます(笑)。

─ ライブでは、V-Drumsのパッドをドラム・キットに組み込んでプレイしているそうですね。

鍵山:「都会のアリス」などで、エフェクティブなワンショット・サウンドを鳴らすのにV-Drumsを使っています。今後もライブで、リムに取り付けられる小型のバー・パッドBT-1や新しいV-Drumsを上手く取り入れていきたいなと考えているところです。

ピアノを即興的に弾く「ベビーブーム」は、FP-80を弾くことで、自分の身体性をそのまま音で表現できた
─ 谷地村さんは、「ベビーブーム」のレコーディングで、ピアノにFP-80、オルガンにV-ComboVR-09をプレイされたとのことですが、まずFP-80の印象はいかがでしたか?

谷地村:一番に感じたのは、象牙調の鍵盤、アイボリー・フィール鍵盤のタッチのよさ。これが何よりよかったです。指先に吸い付く感覚があって、弾いていて、手が汗ばんできても滑らないんですよね。和音を弾いた時も手にフィットするので、正確性も高くて、とても弾きやすかったです。特に「ベビーブーム」は、かなりピアノを即興的に弾く曲だったので、自分の身体性をそのまま音で表現することができて、満足しています。

─ SuperNATURALピアノ音源のサウンドは、どのように感じましたか?

谷地村:これは褒め言葉なんですが、自然すぎて、何も感じませんでした。そこが、スゴイなって。僕は実家でグランドピアノを弾くので、アコースティック・ピアノの感触や響きが、自分の中に随分と染みついているんです。ですから、演奏していて違和感があると、何かしら「あれ?」って思うわけですが、それがまったくありませんでした。しかも、弾いていて楽しいんですよね。ずっとピアノを弾き続けたいと思わせてくれるタッチとサウンドでした。

鍵山:レコーディングの合間も、ずっとFP-80を弾いてたもんね。

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谷地村:ずっと触ってた(笑)。あと個人的には、リズム機能やメトロノーム機能が内蔵されているのがすごくよかったです。僕はよく、スマートフォンのアプリを使って、メトロノームを鳴らしながら練習することがあるんですよ。その機能が、すぐ見て分かるところに用意されていて、本体で鳴らせるわけですから、ひと手間はぶけるので、これは使い勝手がよかったです。スピーカー内蔵の88鍵モデルでこのサイズ感も、十分だと思います。車移動も楽にできました。

─ 「ベビーブーム」では、[PIANO3:Bright Piano]の音色で演奏されたそうですね。この音色を選んだポイントは?

谷地村:バンドのように、ギターとドラムがガッツリと鳴っている音の洪水の中だと、ハイの抜けがいい音色の方が、タッチの粒が見えやすいんです。これがもし、弾き語りやピアノ・ソロであれば、ベーシックな[PIANO1:ConcertPiano]がすごく気持ちがいい響きなんですが、バンドの中では、音が少し引っ込んでしまうんですね。だから、普段もハイを少しブーストさせて音を際立たせているんですが、FP-80の[PIANO3:Bright Piano]は、その名前のごとく、まさにブライトなサウンドだったので、これを選びました。あと、FP-80をレコーディングで使う際は、スピーカーを必ずオフにしないとローがブーストされてしまうので、ここはポイントだと思います。

─ V-Combo VR-09のオルガン・サウンドはいかがでしたか?

谷地村:レコーディング直前にV-Combo VR-09が届いて、正直に言うと、もし日ごろ使っているオルガンとあまりイメージがかけ離れていたら、使うのはやめようと思っていたんです。でも、前日に触ってみたら、「まったく問題なく、すぐに使える!」と思いました。

─ 具体的には、どういう部分で、そのように感じたのですか?

谷地村:まず、音作りがすごく楽でした。内蔵エフェクトが、かなり充実していますよね。ツマミを触れば、そのパラメーターがすぐにディスプレイ画面に表示されるので、自分が今、何の値をいじっているのかも分かりやすかったですし、リバーブもいろんな種類が入っていて豊富ですよね。「ベビーブーム」では、プログレ的なオルガンをイメージしていたので、オーバードライブで歪ませて、プレート・リバーブを少しかけています。あえてプリセットは使わずに、イチから音を作りましたが、「これは速攻で使える!」と感じました。しかも鍵盤が、ピアノのように深く押し込まなくても、軽く触れるだけで発音してくれるじゃないですか。こういう反応もオルガンと同じで、グリッサンドが、すごくやりやすかったです。しかもハーモニック・バーまで搭載されていますから、ライブでも使いやすいオルガンだと思います。

瀬々:実は僕も、楽器屋さんで2台とも弾いてみたんです。やっぱり、使いやすいと思いましたね。特にV-Combo VR-09のオルガンは出音も速いですし、2台とも、どの現場でも間違いなく使える楽器だと思います。さすが、ピアノとオルガンをずっと作り続けてきたローランドのキーボードだなって思いました。しかもV-Combo VR-09は、すごく軽いですよね。

─ 重量はわずか5.5kgですので、女性でも楽に持ち運べます。それに、電池駆動にも対応しているんです。

谷地村:電池で使えるのは大きいですね。

鍵山:最近はリハスタに行くと、みんなローランドのキーボードを背負ってるよね。

谷地村:そうそう。JUNO-Diとかね。特にガールズ・バンドの女の子は、JUNO率が高いですよね。V-Combo VR-09も、同じ感覚で持ち運びができるんじゃないかな。

瀬々:オルガンが必要なバンドには、すごくオススメだと思いますよ。

谷地村:それに、1台にピアノやシンセの音色もいろいろと入っているし、このサウンドと機能性を考えると、かなり手頃な価格だと思います。こういうキーボードを探している人は、多いと思いますよ。

─ ありがとうございます。では最後に、今回お伺いしたお話の内容が実際に体感できるであろう、7月から始まる全国ツアー『恋と革命とアーバンギャルドツアー ~前衛都市、五年目の真実。』について、抱負をお願いします。

鍵山:新曲は、今までの楽曲の中でも一番バンド感がある曲なので、昔からのファンにも、新しいファンにも、すべてのファンに向けて、「アーバンギャルドはバンドなんだよ」っていう部分を出していきたいですね。

谷地村:今はメンバーだけじゃなくて、現場のスタッフやPAさんも含めて、みんなが「アーバンギャルドをバンドにしていこう」っていうムードが強くなってきているんです。もちろん、僕らもそこを意識して音作りをしているので、お客さんには、ライブのサウンドからバンド感を聴き取ってもらえると、すごく嬉しいですね。

瀬々:そうだね。特に新曲は、“バンド”っていうことをすごく意識して作ったし、その2曲を持って臨むツアーなので、打ち込みのテクノ・ポップではあるんだけど、「バンドなんだぞ」っていうところガツッと見せたいし、見ていただきたいです。それでお客さんが楽しんでくれたら、もう言うことはないですよ。

鍵山:アーバンギャルドみたいなバンドが増えて欲しいよね。

瀬々:うん、そうだね。“デジタル”と“バンド”の融合って言うのかな。そういうバンドが増えれば、音楽も楽器も、これからもっと面白くなっていくと思います。

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製品紹介
最高級のピアノ・サウンドと立体的な音場感を実現したポータブルな一台
Roland Piano Digital
FP-80
バーチャル・トーンホイール音源を搭載したライブ・キーボード

V-Combo VR-09
INFORMATION
『恋と革命とアーバンギャルド』
UPCH-1935 ¥3,059 2013.6.19(水)発売
PROFILE
アーバンギャルド
二十一世紀初頭、詩や演劇のフィールドで活動していた松永天馬(Vo)の呼びかけで結成。シャンソン歌手としてステージに立っていた浜崎容子(Vo)をアイコンとし、病的な現代を標榜する。メタルへの造詣が深い瀬々信(Gt)、ジャズや現代音楽を学んできた谷地村啓(Key)、多様なジャンルを行き渡った鍵山喬一(Dr)によるパフォーマンスは、アンダーグラウンドでありながらポップな音楽へと昇華している。2011年7月、シングル「スカート革命」でメジャー・デビュー。2013年6月に初のベスト・アルバム『恋と革命とアーバンギャルド』をリリースし、同7月より、バンド最大規模の全国ツアーに臨む。

オフィシャル・サイト: http://urbangarde.net/
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