【ARTIST】私がV-Drumsを選ぶ理由。 佐藤正則・佐藤奏

幼少の頃からドラムをはじめ、今やプロ・ドラマーとして活躍中の”ドラム・プリンセス” 佐藤奏さん。物心がつく前からお父さまのV-Drumsに触れ、プロ・ドラマーへの成長を共にしたV-Drums。奏さんとお父さまの正則さんに、なぜV-Drumsを使い続けていただいているのか、その理由をうかがいました。

 幼少の頃からドラムを始め、今やプロ・ドラマーとして活躍中の”ドラム・プリンセス”佐藤奏さん。物心がつく前から触れていたそのドラムは、ドラマーでもあるお父さまのV-Drumsでした。
そこから奏さんがプロ・ドラマーへと成長していく中で、常に愛着を持ってご活用いただいているV-Drums。奏さんとお父さまの正則さんに、なぜV-Drumsを使い続けていただいているのか、その理由をうかがいました。

#01

V-Drumsの強弱やドラムならではの奏法に追従する音色の変化は、本当に画期的だと思いました

奏さんがドラムを始めたのは、お父さまが自宅にV-Drumsを置いていたことがきっかけだそうですね。

正則:

そうなんです。16~7年前に、Vシンバルを初めて採用したTD-10 Expanded Systemを私が購入しまして。昔からアコースティック・ドラムをやっていて、電子ドラムもV-Drums以前のTD-7(コンパクト・ドラム・システム)や、それこそ80年代のα-DRUM(ローランドの電子ドラムキット第一号機)など、他社製品も含めていろいろと使っていたんです。そうした中で出会ったV-Drumsの、アコースティックに近い演奏感に衝撃を受けまして。特にタッチですね。強弱やドラムならではの奏法に追従する音色の変化は、本当に画期的だと思いました。当時はもうこれが電子ドラムの完成形だと思ったんですが、それが今でもどんどん進化し続けているって、本当にすごいことですよね。

奏さんからすると、物心がついた時に、家にはすでにV-Drumsが自宅にあったわけですね。

奏:

そうです。それで、いろんな音が出せて楽しそうだなって思って。小さい頃もずっと叩いていて、ドラムが好きになることが、イコール、音楽も好きになるという感じでした。

正則:

「関心を持ってくれるかな」とは思っていましたが、決して私から仕向けるようなことはせずに、自分から「やりたい」と思ってくれました。実は私自身、元々は音楽の道に進みたかったものを、両親からの猛反対で結局はその道を断念したということもあって、もし子どもが自発的に興味を持てば、本気でできる限りの後押しをしたいと思っていたんです。

では、ドラムの演奏も、お父さまから教えてもらって?

奏:

3歳から5歳くらいまでは、父にドラムの基本を教えてもらったり、自分で好きな曲に合わせて遊んでいたりしていました。それで5歳の時に、本格的にドラムを習いたいと思って、プロ・ドラマーの先生にもレッスンしてもらうようになりました。

正則:

当時、私はまだ早いかなと思ったんですよ。でも、試しに体験レッスンに行かせたら「絶対にやめないから、習いたい!」と娘が言うので、そこからずっと先生にはお世話になっています。

最初にV-Drumsに触れた時、どんなところが楽しいと感じましたか?

奏:

自分が叩いたことが音になるということが楽しくて。ギターやピアノよりも簡単に音が出せて、「なにこれ、楽しい!」って思ったんです。しかも、1個だけじゃなくていろんなところを叩くと違う音が鳴らせて、「組み合わせるとこんな風になるんだ」なんていうことを考えるのも楽しかったですね。

正則:

それで、娘専用にHD-1を買ったんです。その理由は、私がいない時でも電源スイッチを入れればすぐに音が鳴らせたことと、まだ娘はかなり小さかったので、身体に合わせたセッティングができて、キックがビーターレス・タイプのHD-1がいいと思ったんです。そうやって、その時々の目的に最適なV-Drumsを選んで使っていて、今はTD-50シリーズを使っています。

#02

想像以上に、親子でV-Drumsとアコースティック・ドラムに同じ感覚を共有できているんです

親世代は、まずアコースティック・ドラムがあって、そこにV-Drumsが登場してきたわけですが、奏さんにとっては、最初のドラムがV-Drumsで、そこからアコースティック・ドラムを知っていったわけですよね。そうした違いから生じる、親子間での「ドラム観の違い」のようなものありますか?

正則:

まさしく、私と娘は真逆の方向からV-Drumsに出会ったわけですが、それが想像以上にV-Drumsとアコースティック・ドラムに同じ感覚を共有できているんです。これは、他の電子ドラムだったらどうだったかなと感じるところで、V-Drumsならではだと思っています。

奏:

V-Drumsは、アコースティック・ドラムと区別なく演奏できるので、自宅ではV-Drumsで練習をして、本番で生ドラムを叩いてもまったく違和感なく、そのまま演奏できるんです。そこがいいなと思っていて。それにヘッドホンを使ったりして、周りを気にせず思い切り叩けるところがV-Drumsのよさだと思っています。

正則:

そのメリットは、ものすごく感じています。アコースティック・ドラムのための練習ならばアコースティック・ドラムを使うべきではありますが、そこにこだわり過ぎて完全防音ではない部屋でアコースティック・ドラムを使って練習していると、どうしてもうるさくないように遠慮がちに叩く癖がついてしまうんですよ。そうするとステージでも、どこか迷いのある演奏のように聴こえてしまうんですよね。ですから、隣近所を気にすることなく思い切り叩いて練習できるということは、すごく大事だと思っています。

だからなのか、奏さんのプレイは、テクニックが高度なだけでなく、とてもダイナミックですよね。

正則:

そう感じて頂けたなら本望です。まさにV-Drumsの賜物ですよね。

奏:

特に最近のV-Drumsは、強弱の細かさの表現力もすごく進化しているし、動画で演奏した新しいTD-17KVX-Sは、スネアのリムショットがすごくやりやすくなっているので、今まで以上にさらにアコースティック・ドラムと同じ感覚で演奏できました。

せっかくの機会なので、今回お試しいただいたTD-17KVX-Sの感想も聞かせてもらえますか?

奏:

スネアがひと回り大きくなったり、リムの出っ張り具合だとかが、よりアコースティック・ドラムに近くなったと思いますし、あと、キック・パッドがガッチリと固定されるので、思い切り踏んでも安定していて演奏しやすかったです。

正則:

私もセッティング時に少し叩かせていただきましたが、やっぱりスネアが大きくなったことが一番いいなって思いました。しかも、反応がさらによくなったように感じました。あとは、キック・ペダルを踏んだ時にビーターがキック・パッドの打面にメリ込む感じが、よりアコースティック・ドラムの感触に近くなっていて、開発した方のこだわりを強く感じました。

TD-17KVX-Sは、3シンバル仕様で、しかもこのクラスのV-Drumsでは初めて可動式ハイハットが採用されたキットになっていて、クラスを超えた本格的なパッド構成になっています。

奏:

ハイハットもとても叩きやすくて、手足の動きに対する音の反応もすごくよかったです。ちゃんと自分が鳴らしたいように音が鳴ってくれました。

正則:

ハイハットのペダルを踏むとパッドが固定されて、緩めるとパッドが揺れるリアルな感触、それがこのグレードで実現されているところがすごいですし、流石だなと思いました。もう、理屈抜きで音楽を楽しめるしっかりとした楽器だということが、とてもよく分かりました。

#03

V-Drumsのように、強弱での音色変化をきちんと身体で覚えられる楽器を選ぶことが大切

ドラムの練習って、メトロノームに合わせて叩き続けるという、やや修行的なイメージがありますが、楽しく練習できるように、何か工夫したことはありましたか?

正則:

音源部分のMIX INという外部入力端子に、常にオーディオ・ケーブルをつなぎっ放しにして、床に転がしておきました。それで、「ここにゲーム機や携帯でもつなげば、その曲を流してドラムと一緒に演奏できるよ」って教えたら、あとはもう娘が勝手に好きな曲に合わせて遊んでましたね。

奏:

やってた! 懐かしい(笑)。小さい頃は、上手にリズムを演奏できなくても、好きな曲に合わせて、手拍子みたく“タン!タン!”って叩くだけでも楽しかったんです。それだけでも、リズム感が身についたと思います。

正則:

そもそも、ドラムに興味を持ち始めた頃に遊びながら演奏していたのが「アンパンマン」の歌でしたからね。しかも、リズムを叩くのではなく、音の高低を使ってメロディを叩いてたんですよ。

奏:

メロディの低いところはフロアタム、高い音になると、シンバルや高音のタムという感じで叩いていたんです。いろんな音を鳴らせるのが楽しくて。

正則:

それが2歳くらいの時ですね。だから娘は、ドラムという楽器を認識して練習を始める以前に、そうした遊びからドラムに入っていて、親バカながら「このアプローチは、スティーヴ・ガッドのようじゃないか!」って、そんなことを言っていました(笑)。ただ、そうしたことができたのも、生活の中にV-Drumsがあったからこそだと思っています。娘専用に最初に買ったHD-1と、その次のTD-9は、あえて家族みんながいるリビングに置いたんです。すると、「見て、見て。こんなこともできるようになった!」って、得意気に叩くんですよ。その演奏を家族みんなで聴いていました。

楽器が、家族のコミュニケーションにも役立っていたんですね。

正則:

そうなんです。娘がいろんなイベントに出させていただくきっかけになった最初の動画なんて、まさに先ほどお話したように、娘がゲーム機をつないで好きにV-Drumsを叩いている横で、その演奏に合わせて弟が踊るっていうもので(笑)。それが今につながっているんです。

ただ一方で、ギターやキーボードに比べると、お子さんが興味を持っても、何を買えばいいのかなかなか分からない楽器でもありますよね。

正則:

確かにそう思います。私自身、電子ドラムを含め楽器に関してアドバイスを求められることがあるんですけど、ドラム経験者向けの『手軽に演奏が楽しめる』というコンセプトの安価なモデルなどを「アコースティック・ドラムとは全然違うけど、ある程度の音が鳴るし、手足の動きは練習できるから、この程度でいいや」という感じで、目的に合わないのに子供に与えてしまうと、“その程度”の演奏しかできなくなってしまうんです。ですから、しっかりとした演奏方法だったり、V-Drumsのように強弱での音色変化をきちんと身体で覚えられる楽器を選ぶことが、とても大切です。

「上手になってからいい楽器を買えばいい」という話になりがちですよね。

正則:

そうなんです。でも、“とりあえずの練習用”で身についてしまったものを後から修正するのは、とても大変なんです。よく、親御さんから「どうせ子供が使うものだから」という言葉をよく聞くんですけど、その感覚だと「どうせ子供がやること」の範囲で終わってしまうんじゃないかと思っています。だから私自身は、娘を「キッズドラマー」として育てているという感覚は一度も持ったことがなくて、最初から10年先、20年先、さらにその先を考えて、娘の成長に合わせてその都度、最適な楽器を選んできました。バイオリンでも、成長に合わせて楽器を買い替えていくじゃないですか。あれをまさにドラムでやってきたんです。

なるほど。ただ、楽器に詳しくない方からすると、特に電子ドラムは、どのモデルも見た目に大差がないので、「じゃあ安いのでいいよね」となりがちですよね。そこで、「どれを選んだらいいか分からない」という親御さんに、電子ドラムを選ぶ際のポイントを教えてください。

正則:

先ほど話した私の例は家族の理解もあって、さらに私の「小遣いゼロ」などいろんなことを犠牲にしてできたことで(笑)、なかなかそこまでは難しいと思いますので、ひとつのモデルを長く使うためにも“とりあえず”の物ではなく、やはりある程度以上のグレードの楽器を購入すべきだと思います。その内容を具体的に言うなら、パッドはアコースティック・ドラムにフィーリングが近いメッシュ・パッドで、バスドラムやハイハットは、アコースティック・ドラムと同じペダルやスタンドが使えるもの。そして大事なポイントは、強弱できちんと音色が変化して、演奏表現を身に付けられるグレードの電子ドラムがいいということです。そういう意味でも新しいTD-17KVX-Sは、この価格帯でありながらこれらの点がすべて凝縮されているので、とてもオススメだと思います。

一方で奏さんからは、これからドラムを始めたいという中高生に、プレイヤー目線で、どんな電子ドラムを選べばいいのか、アドバイスをお願いします。

奏:

小さな練習用パッドでもスネアの練習はできますけど、それだけではやっぱりスネアからタムやシンバルなど、叩く位置を移動する練習ができませんし、そうした練習だけを続けた状態でアコースティック・ドラムを叩くと、手の移動がぎこちなくなってしまいます。ですから、スムーズに叩けるようになるためにも、やっぱりスネアとバスドラム、ハイハット、それにタムとシンバルといった最低限のものが、それなりの大きさで揃ったセットの電子ドラムで練習するのがいいと思います。

ちなみに、練習で役に立ったV-Drumsならではの機能などはありますか?

奏:

小さい頃って、メトロノームに合わせて叩くだけだとすぐに飽きちゃうので、まず自分が好きな曲を鳴らしながら練習するのがいいと思います。そこから、本格的にドラムを叩くようになってからは、V-Drumsに最初から入っている内蔵曲を鳴らしながら、自分でドラムのフレーズを考えたりもしましたし、そこまでしなくても、単に曲を聴きながら8ビートを刻むだけでも、リズム感を養えます。V-Drumsなら、そうやって自分に合った練習方法が見つけられると思います。

#04

ドラムという楽器の迫力や、歌うようにリズムをプレイできるという音楽的な素晴らしさを、V-Drumsだからこそ伝えられた

では改めて、数ある電子ドラムの中で、V-Drumsを選んでよかったと感じる点を教えてください。

正則:

何年か前から、すごい瞬間に立ち会えたことが何度かありまして。娘が小学校高学年くらいの頃から「ミニライブ」という形で、全国のショッピングモールでV-Drumsを演奏させていただいているんです。その際に、おそらく日頃はドラムとかの楽器には縁が無さそうなおばあちゃんから、「楽器やってます」という方まで、そういった方々が「感動しました」って涙を流してくださるんです。それって、単に小さい子供が頑張っているからではなく、『音色の力』が大きかったと思っているんです。ドラムという楽器の迫力や、歌うようにリズムをプレイできるという音楽的な素晴らしさを伝えられたからこそだと感じて。しかも、それを電子ドラムでやっていたわけで。もしこれが、表現力の乏しい電子ドラムだったら、どんなにいい演奏をしてもそうはならなかったと確信しています。逆に言えば「V-Drumsはそこまで表現できる楽器なんだ!」と、改めてそのすごさを実感できましたし、娘が最初に触れた楽器が、そうしたV-Drumsだったからこそ、今があるんだなと思っています。

そして長年V-Drumsをプレイしてきた奏さんは、もしお友達にV-Drumsのよさを伝えるとしたら、どういった点を挙げますか?

奏:

家でも気軽に練習できて、しかも思いっきり叩けて、夜でも楽しく練習できることですね。

正則:

まさしくそう。娘が成長して腕を上げていくと、「くそぉ、負けてられない!」と思って、家族が寝静まった後にこっそり練習したりするんですよ(笑)。あとは、「次のライブで演奏する曲を入れておいたよ」って言えば、娘が自分で操作して練習しておいてくれるという手軽さですね。これも今までは、パソコンを経由してUSBメモリーなどに音楽データを入れておく必要がありましたけど、新しいTD-17KVX-Sはさらに進化して、Bluetoothで音楽が鳴らせるじゃないですか。お子さんが、自分のスマートフォンから好きな曲を鳴らして演奏できるって、とても素晴らしいと思います。しかも音源部分に、スマートフォンや携帯音楽プレイヤーを置けるトレイまで用意されていて。こうした心配りって、実は何気にものすごくありがたいんですよ。

最後に、お父さん目線で、お子さんがドラムという楽器、もっと広くいえば、音楽をやるようになってよかったと感じている点があれば、教えてください。

正則:

私は、教育的にどうこうとか、そういった難しいことはあまり考えずにやってきましたが、ただ振り返ってみると、娘が自分に自信を持てるものを得られたということは、とても大きいことなのかなと感じています。娘はとてもシャイな性格で、幼稚園でも砂場の端で一人で遊んでいるような感じだったんです。それが、いざドラムを叩くと「スゴイね!」と、みんなが注目してくれる。そう言われるのってやっぱり嬉しいことですし、そこから仲良くしてくれる友達もできて、少しずつ自分に自信を持てるようになったのかなって思っています。あとはそれとは別に、ドラムという点ではリズム感と関係あるかもしれませんが、物覚えがいいのかなって感じることがあります。

奏:

記憶力がよくなる気がする!リズム感がよくなったことで、いろんなことを身に付けられるのが早くなったような気がします。

正則:

それと、電子楽器という部分で言えば、娘はいろんな家電の操作を覚えるのが得意ですね。

奏:

確かに!

正則:

スマートフォンにしても、テレビやブルーレイ・レコーダーにしても、説明書を見ないでもパパッと操作できるし、「そんな機能があったの?」ってこっちが聞くくらい、いろんな機器を使いこなしていますね。これも、ずっとV-Drumsを使ってきたことの隠れた効用なのかもしれません(笑)。

佐藤奏(Ear Candy Jazz Factory)

2002年10月29日埼玉県生まれ。幼い頃からJazz Fusion、Popsを中心に音楽に親しむ。3歳よりドラムを始め、5歳の時にプロドラマーになる事を決意する。6歳よりイベントステージやレコーディング等で多くの著名アーティストとの共演を経て、中学生からはプロドラマーとして更に活動の幅を広げる。「V-Drums World Championship 2011 日本大会」(ジュニア部門) 優勝。女性ドラマーの世界的コンテスト「Hit Like A Girl」(Under 18)で日本人初のグランプリ受賞。「Singapore Drum Fest 2016」出演。2017年、Smooth Jazz ピアニスト 成田玲、セッション·ベーシスト 櫻井奈穂子と「Ear Candy Jazz Factory」を結成。2017年よりNHK Eテレ「ムジカ·ピッコリーノ」に機関士助手「ルネッタ」役(ドラム担当)で出演。

Products

製品情報

TD-17 Series

▲記事の中でも紹介されている、自宅でドラムを末永く楽しめるTD-17シリーズ。アコースティック・ドラムに迫る演奏感とBluetooth®機能で、楽しみながらスキル・アップ。

TD-1DMK

▲これからドラムをはじめるお子様におすすめしたいTD-1DMK。V-Drumsならではの表現力、打撃音が静かなダブル・メッシュ・ヘッド、練習に役立つコーチ機能など、エントリーから末長くお使いいただける特徴を凝縮したV-Drums。

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