【ARTIST】小南千明ワンマンライブ「Quantize」レポート

思い出の地で実現させた小南千明のバースデー・ワンマンライブ「Quantize」をレポート。

2016年11月の楽器フェア。
Roland/BOSSブースのセンターステージで注目を集めたのが、DAW女 小南千明。
その彼女が、学生の頃からの思い出が詰まった六本木 Morph-Tokyoで待望のワンマンライブを行った。

ステージには彼女のトレードマークになりつつある Roland JD-XiTR-8。そしてこれも彼女のトレードマークと言えるDAWソフトウェア Studio One をコントロールする MacBook Pro だ

TR-8はライブのタイトルにもなっている「Quantize」でのリズム・パートの他、Studio Oneからの音声信号を24bit / 96kHzのハイレゾリューションで出力するためのオーディオ・インターフェースとしても使われている。

新曲として披露されたバラード「Hands」では、JD-Xi に収録された古き良き懐かしいエレクトリック・ピアノ音色だけでの弾き語りを披露。絶妙に掛けられたリバーブにより、ダンパーペダルを使わずに余韻を響かせるという奏法を自ら編み出していたのが印象深い。元々はMIDIキーボード+ソフトウェアでの弾き語りを考えていたが、記念すべきワンマンなので苦楽を共にしたJD-Xiで・・・ということらしい。

ライブ本編では彼女の代表曲「Closet」に合わせ遊べるゲームや楽曲の歌詞、さらにMVなどを投影するための巨大スクリーンを引っさげての演奏を見せる。VJによる視覚面での演出も大いにステージを盛り上げた。

ワンマンライブにふさわしく、豪華サポートメンバーを従えてのナンバーも披露。卓越したドラミングで小南のステージをサポートし続ける坂入康仁。リハーサルや本番でいつも思うが、彼の叩き出すサウンドは非常に耳馴染みが良く、デジタル音との相性も良い印象を受ける。

そして、小南千明のプロデューサーでもある浅田祐介はキーボードで参加。彼はこれまで CHARA 、Crystal Kay 、CHEMISTRY、Sugar Soul といったトップ・ミュージシャンの作品を数多く手掛けてきた重鎮である。※小南千明の楽曲に「ビート」と「メロディ」両者の心地よさを感じるのは、浅田祐介の影響が大きいのか?などと勝手に思っている。

「原曲だとシンセ・ベースとスラップ・ベースがレイヤーされているベース音色を、ライブでどう表現しようか考えた」と選択したのは Roland JD-XA。さらに印象的なリフは「敢えてモノフォノック&ワンパートで作った」という存在感抜群のシンセ・リードを使って演奏。DAWやソフトウェアの音とアコースティック・ドラムが作り出す空間にあって、JD-XA を駆使し抜群の存在感を見せた。

ちょうど1年前、2015年のバースデーには「1年後にはワンマンライブをしたい」と公言していた小南千明。その言葉通り、思い出の地でのライブを実現した。12月19日(月)には iTunes エレクトロニック・チャート 1位を獲得した1stアルバムに続く2ndアルバムの発売と、彼女が主催するライブ・イベント DAW女子会 Vol.4 の開催が決定。2016年もまだまだ終わりそうにない。そして2017年にはポニーキャニオンからメジャー・デビューが控える彼女。今後ますます目が離せなくなりそうだ。

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