今はRC-30がないと成り立たない状態
まず、音楽歴を聞かせていただけますか?
4歳くらいからピアノを習っていて、中学~高校は吹奏楽部でトロンボーン、サックス、クラリネットを担当しました。大学時代は軽音楽部に入って、ピアノができるということでバンドでキーボードを弾いていましたね。結婚してからは、主人がドラムを叩くので一緒にバンド活動を続けて、子供が生まれて少し大きくなってからはファミリーバンドという形になったりと、いろいろやってきました。
ずっと音楽のある日々を過ごしてこられたのですね。今のスタイルの音楽活動を始めたきっかけは?
バンドではずっとキーボードをやっていましたが、電源のない場所では演奏できないんですよね……ローランドさんの企画なのにこんな話で申し訳ないんですけど(笑)。もっと路上とか野原とかに手軽に持っていって弾きたいなと思って、鍵盤ハーモニカとかトイピアノに手を出すようになったのがきっかけです。昔から鍵盤ハーモニカの音には魅力を感じていて、アコーディオンも含めたフリーリードの楽器に憧れがあったんです。そこで、訓練なしで弾けて楽器も軽い鍵盤ハーモニカにしたんですけど、それだけだと物足りなくて、トイピアノとかをだんだん増やしていって、今のスタイルになりました。
さらに「トイミュージック」という言葉のとおり、音の出るおもちゃも使っていますね。
最初トイミュージックのことはあまり知らなかったんですけど、もともとは特にフランスが中心だったみたいで、YouTubeにいろいろ動画が上がっているんです。おもちゃを使っているのにけっこう本格的な演奏をしているのを見て、私もやってみたいなと思うようになりました。
楽器やおもちゃが増えても演奏するのは一人だけ。そこでループステーションRC-30が登場するわけですね。
ループステーション自体はもっと前に、音楽をやっているアメリカ人の友達が勧めてくれたんです。私が一人でリズムを出したり録音したりしたいと思っていたとき、その友達が使っているのを見て「いいな」と思ったのがきっかけでした。それで自分もRC-30を買って、電子ピアノで弾いたコードをループさせて、そこに歌も入れて……みたいなことをやってみたかったんですけど、そのときはイメージ通りのことが上手くできなくて。どうしようかなと思っていた頃にトイミュージックを始めて、これならリズムをループで作れるかもしれないと、少しずつ音を重ねるようになっていきました。
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シンプルな使い方に辿り着いたことで、ループを活用できるようになったのですね。RC-30自体は使ってみていかがでしたか?
私はどちらかというと機械音痴で、シンセサイザーなどの電子楽器も使いこなせないタイプなんです。だからRC-30も最初は「私に使えるかな?」と思ってたんですけど、実際に使ってみたらとてもわかりやすかったですね。簡単に音を重ねることができて、さらに複雑なこともできるところが気に入っています。私はまだそこまで到達できていませんが、もっと使いこなしていけば今よりもっといろんなことができると思います。説明書もすごくわかりやすくて、誰でも使えそうな機材ですね。
トイピアノやおもちゃなど、アコースティック感というか手作り感のあるものに囲まれている中で、RC-30を自然に使いこなしている感じが素敵だと思いました。
ありがとうございます(笑)。音に関しても、マイクの性能もありますけどきれいに拾ってくれて、クリアな音が出るところも気に入っています。トイミュージックにもいろんなスタイルがあるんですけど、ルーパーを使っているのはそれほど多くないと思うので、そこで自分のオリジナリティを出せるのかなと。今はRC-30がないと成り立たない状態になっていますね。
BOSS『RC-30』使ってループさせたおもちゃのリズムに、トイピアノや鍵盤ハーモニカの可愛らしくもどこか物哀しいメロディとても素晴らしい作品でした。
身近なもので作った音楽を楽しんでもらう
今回の応募作品のような動画をSNSにたくさんアップしていますね。
トイミュージックは色が鮮やかなので、それだけでも目を引く動画になるんです。さらに、撮る角度なども意識しながら作っています。
「トイミュージックのNorissyi Land」という名義でライブ活動も行っているそうですね。
一番最初にトイミュージックのライブを始めたのが去年の1月で、その半年後くらいからRC-30を使うようになりました。だからまだ1年ちょっとなんですけど、こういうスタイルは珍しいのか、最近は声をかけていただくことが増えてきましたし、自分からも積極的にいろいろなライブに出させていただいています。
楽器だけでなくおもちゃや日用品も使ったスタイルは、言ってみれば「何でもあり」なところもあると思いますが、面白く聴かせるために意識していることはありますか?
お祭りなどで演奏することもあるので、子供さんから年配の方までいろんな方に見ていただくことが多いんです。そこで、皆さんが普段使っている身近なものを使って音楽を作るということはすごく意識していますね。ループさせる音も、ハサミとか調理用具とかを使ったりして、「こんなものが音楽になるんだ!」というのを楽しんでもらえるようにしています。鍵盤ハーモニカも、小学校の音楽の授業で使う楽器なので、子供たちはすごく興味深く見てくれますね。
今回の賞品となったR-07も既に活用していただいているようですね。
はい(笑)。ライブを録音したり、外に持って行って海の音を録音したりしています。いずれは曲の一部としてループさせたりできたらいいなと思っています。
そのR-07を試している動画もアップされていますが、そこではポータブル・ミキシング・モニターCM-30の姿も見えました。
以前、バンドでキーボードを弾いていたときに使っていたものです。今でもたまにキーボードを弾くときには必ず使っています。身の周りにはけっこうローランドさんの製品が多いですね(笑)。
では、「ローランドにこんなものを作ってほしい」という要望はありますか?
トイピアノみたいに持ち運びしやすい電子ピアノがあるといいですね。鍵盤数はトイピアノよりちょっとだけ多くて、音色はピアノとオルガンとストリングスくらいあれば十分。でも音はけっこう本格的なものがあったらといいなと思います。それとトイピアノを組み合わせて演奏してみたいですね。