デジタル・グランドピアノ GPシリーズ 導入事例vol.03 福岡リハビリテーション病院 様(GP-9M導入)~来院者をピアノの音色が癒す~ローランド最高峰デジタル・グランドピアノ「GP-9M」。秋にオープンしたばかりの新棟に置かれた「GP-9M」について、総務課の長澤淳一さんと才野 力さん、外来受付スタッフの葉山紗希さんにお話を伺いました。
福岡リハビリテーション病院 様(GP-9M導入)
~来院者をピアノの音色が癒す~
デジタル・グランドピアノ「GPシリーズ」の導入事例を紹介している本企画。今回は福岡県福岡市西区にある、福岡リハビリテーション病院を訪ねました。シチュエーションとしてはvol.02でご紹介した施設に近いですが、こちらは一般病院ということで、より幅広い利用者の生活に密着した場所と言えます。秋にオープンしたばかりの新棟に置かれた「GP-9M」について、総務課の長澤淳一さんと才野 力さん、外来受付スタッフの葉山紗希さんにお話を伺いました。
(左から)
福岡リハビリテーション病院
法人事務部 総務課 課長 長澤淳一さん
法人事務部 総務課 才野 力さん
法人事務部 医事課 副主任 葉山紗希さん
利用者の皆さんが望む環境とは?
それを考え抜いてピアノに行き着いた
1980年に前身となる病院が開院し、1997年に現在の名前に改称した福岡リハビリテーション病院。さまざまな診療科を擁する総合病院であるとともに、その名の通りリハビリテーションに力を入れており、「運動器疾患」「脳血管疾患」「心疾患」「訪問(在宅)」に対応し、それぞれ専門性の高い医療を提供しています。「患者さんが自分の持てる力を最大限に発揮し、可能な限り質の高い生活を実現する」(同病院ホームページより)、それがこの病院の目指すところです。
もともと同病院は広い敷地に大きな病棟を構えており、新棟は総合受付がある中央部分を含めてリニューアルする形で建設。「”病院らしくない病院”をコンセプトに、自宅のような温もりのある病院を目指しました」(ホームページより)という言葉のとおり、病気や怪我で沈んだ気持ちを優しく包んでくれるような雰囲気が全館に溢れています。GP-9Mはエントランスを入ってすぐ、新しくなった総合受付の前に設置。病院を訪れるすべての人を、自動演奏で奏でられるピアノの豊かな音色が出迎えます。
長澤さん
「新棟を作るにあたり、当院を利用される皆様がどんなことを望んでいらっしゃるのかをスタッフ一同で考え抜きました。新しい総合受付は、病院に来られる方の緊張を少しでも緩和できたらと、広くて開放感のあるイメージで作っています。大きな窓から明るい光が入って、ちょっとした緑があって、とても雰囲気の良い場所になりました。そこにピアノを置くというのは理事長のアイデアです。もともと当院では以前から絵をたくさん飾っていて、“心が落ち着きます”という声を多くいただいていました。そこに音楽があれば、より良い雰囲気作りができるだろうと」
自動鍵盤付きピアノだから
耳だけでなく目でも楽しめる
併設のクリニックでは少し前からBGMを流すようになり、好評を得たこともピアノ導入を後押ししたようです。そこでGP-9Mを選んでいただいた決め手のひとつが、GPシリーズの最高峰にふさわしい装備である自動鍵盤。本体の内蔵曲やUSBメモリーに保存したSMFミュージックデータを再生すると、音が鳴るだけでなく鍵盤も動き、あたかもそこに奏者がいるかのようなギミックを楽しむことができます。
長澤さん
「ただ音楽を流すだけだったら、他にもいろいろな方法がありますよね。でもピアノが置いてあって、しかも鍵盤が動くとなれば、耳だけでなく目でも楽しめます。実際、見ているだけで、“自分も弾けるんじゃないかな”って思ったりして(笑)。すごく面白いです」
加えて、デジタルピアノならではの可搬性、メンテナンスが不要であることも選択理由になったとのこと。
福岡リハビリテーション病院
法人事務部 総務課 才野 力さん
「新棟には、研修を行ったり、地域の方に向けた健康講座などで利用できる多目的ホールを作りました。そこでもピアノを使っていきたいと考えているので、できるだけ軽くて運びやすいものがいい。それに、アコースティックピアノは調律のためのコストがかかりますが、そこもカットできるのは魅力でした」
長澤さん
「運用面でのメリットはとても大きいです。しかもグランドピアノの見た目で、サイズ感もちょうどいい。置く場所の雰囲気に合っていて、さらに良い感じに高めてくれていると思います」
スタッフの気持ちも和ませる
内蔵曲の幅広いレパートリー
取材を行ったのは、新棟がオープンして1ヶ月ほど経った頃のこと。受付で来院者を迎えるスタッフに環境の変化について尋ねると、次のような言葉が返ってきました。
福岡リハビリテーション病院
法人事務部 医事課 副主任 葉山紗希さん
「やはり新鮮ですね。受付で待っている間、ピアノを見に行く患者さんもいらっしゃいますし、小さいお子様や高齢者の方は特に楽しんでおられる様子です。受付にいる私たちも、ずいぶん気分が変わりました」
BGMの再生装置として運用するにあたっては、音量の最大値を設定するボリューム・リミット機能を使い、意図せず大きな音が鳴ってしまうことを防いでいます。また、GP-9Mの特徴である内蔵曲の豊富さもおおいに役立っているそうです。
葉山さん
「普段はブルグミュラーやツェルニー100番あたりを流すことが多いのですが、土曜日はお子様の受診が多いので、ときどきエンターテイメントのカテゴリーに変えたりします。音楽に詳しくないスタッフも、“ミッキーマウスの曲だ” “アナ雪の曲だ”とわかるので、和みます」
才野さん
「エンターテイメントのカテゴリーに入っている曲のリストを見たときは、“これを病院で流していいんだろうか”と少し心配になったんですけど、理事長に聴いてもらったら、“いいじゃない!”という反応だったので驚きました。ピアノを置くというアイデアもそうですが、理事長の柔軟な発想に感銘を受けました」
なお、取材の時点では、再生や選曲の操作をピアノ本体で行っていらっしゃいましたが、スマートフォン/タブレット用のアプリ「Roland Piano App」のリモコン機能を使えば、離れたところから操作が可能です。それをお伝えしたところ「受付の中から操作できるのは便利ですね! 曲の再生に合わせて楽譜が見えるのも楽しいです。ぜひ活用したいと思います」(葉山さん)と喜んでおられました。
ピアノから始まる新しいコミュニケーション
そして将来へと広がるアイデア
運用面での利点や便利な機能はもちろんのこと、ローランドの最新技術によって実現された極上の音色と演奏感も、スタッフの皆さんを魅了しています。
才野さん
「僕は少しだけピアノの経験があるのですが、弾き心地はピアノそのものだなと感じました。朝早く誰もいない時間にここでちょっと弾いてみたんですけど、広くて洒落たこの空間で弾くのはとても気持ち良かったです」
長澤さん
「初めて音を聴いたときは、とりあえず上(大屋根)を開けて中を見ましたね。スピーカーが並んでいるのを見て、“これでこんなにピアノらしい音がするのか”と驚きました。来院される方も中を覗き込んで、弦が張られていないことを確認される方がけっこういらっしゃいます」
また、ピアノがあることでスタッフ間の空気にも変化が現れたといいます。
長澤さん
「才野がピアノを弾けるなんて、このピアノが来るまで知りませんでした。一緒に働いているスタッフに、実はこういう一面もあったんだと。そういうところから生まれるコミュニケーションも大切ですよね」
葉山さん
「受付は複数のスタッフで担当していますが、忙しくてちょっとギスギスしてしまいそうなときも、ピアノの音が聴こえると雰囲気が和らぎます。“ちょっと一息入れようかな”という気持ちになれるのは良いですね」
楽器作りはまず演奏者のことを考えるのが第一ですが、その先には、演奏しない人にもたくさんの喜びをもたらすのだということを、こうしてお話を聞いていると実感させられます。福岡リハビリテーション病院にとってすでに欠かせない存在になっているGP-9Mは、これからさらに大きな役割を担っていくことになるでしょう。
長澤さん
「利用者さん、スタッフ、そして環境も含めて良い相乗効果が生まれていると思います。もし当院と同じようなことを考えていらっしゃる病院や施設があるとしたら、文句なしにお薦めできます。今後は多目的ホールでの催しはもちろんのこと、当院の特徴であるリハビリテーションにも活用するなど、新しいアイデアがたくさん湧いてきます。導入のメリットを言い出したらキリがありません。“ローランドさんありがとうございます”という気持ちです」
医療法人 博仁会 福岡リハビリテーション病院
1980年、生の松原 原病院として開院。1997年、福岡リハビリテーション病院に改称。膝・肩・腰・股関節に特化した整形外科手術の年間総数は1,000症例(2023年度)を超え、脳血管疾患においては在宅復帰率約80%のリハビリテーション実績を持つなど、在宅復帰率や重症患者の受入率、回復率など高い基準をクリアすることで回復期リハビリテーション病棟1を取得、急性期から回復期、退院後の生活期までのリハビリテーションを提供している。関連施設として、整形外科を専門とする福岡リハ整形外科クリニックを併設。
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福岡リハビリテーション病院
法人事務部 総務課 課長 長澤淳一さん
「当院は年間1,000症例以上の手術を行っている整形外科をはじめ、内科も一般内科に加えて糖尿病・循環器・消化器・脳神経の専門外来があり、地域の皆様にしっかりとした医療を提供してまいりました。新棟が完成したことで、これまで以上に良い環境で治療を受けていただけると考えています」