Vドラム開発で培ったノウハウとテクノロジーが、随所に盛り込まれたVハイハット VH-13。そのひとつが、オープン／クローズを検出するモーション・センサーです。ハイハットの開き具合を0.1mm単位で検出し、クローズから少しルーズにしたクローズ、ハーフ・オープン、さらにオープン、フル・オープンへの繊細なコントロールにも自然に音色が変化。さらにペダル・アクションによるペダルの速度も検出。フット・クローズ、フット・スプラッシュのような多彩なハイハット・ワークもサウンドへと反映します。

あたかも2枚のシンバルが存在しているかのような、自然な演奏感と踏み心地。画期的なセンサー構造によってもたらされたトップ／ボトム一体型のVハイハット VH-11の表現力は、まさにアコースティック感覚そのものです。ボウ／エッジに組み込まれた高感度センサー、そしてシンバル受けにセットされるペダル位置検出ユニットによって、一連のペダル・ワークに応じた繊細な演奏表現を実現します。

豊かなダイナミクスのエッジ・ショット、掴んでミュートするチョーク奏法など、多彩な表現をかなえるVシンバル。クラッシュ・シンバルでは、パワフルな強打だけでなく、シンバルに軽く触れるような演奏も可能。スウェル奏法のような連打では、音のつながりが実に自然で滑らかです。ライド・シンバルではベル・ショットが可能なほか、ボウ部分の叩く強さと打点位置の違いで音色がさまざまに変化※。シンバル特有のレガート奏法の際にも、表情豊かなサウンドが得られます。
※TD-30とスリー・ウェイ・トリガー対応Vシンバルとの組み合わせで対応

演奏感と静粛性の両立を目指し、開発が進められたVシンバル。さまざまな素材での試作を重ね、センサーとの相性、耐久性の検証といったテストを繰り返し、プラスチックをラバーで覆った現在の形が完成しました。また、シンバル・マウントとのジョイント部に採用されたシーソー構造により、叩いた際の「重さ」や「逃げ」、スティックの「跳ね返り」、さらに「揺れ」まで忠実に再現。その再現性の高さは、長きに渡る開発の成果であるとともに、あくなき探究心と技術力の賜物なのです。

サウンドや演奏性の追求だけではなく、ローランドが目指してきたのは、ドラム・システムとしてのトータルな完成度を高めること。その特長的な存在が、フラッグシップ・モデル V-Proシリーズを支えるドラム・スタンド MDS-25です。スタンド全体にクローム・フィニッシュを採用するとともに、楽器とスタンドが一体化したデザインを徹底。トータル・バランスを考慮しながら、これまでと比べ、重心を全体的に低くすることで安定性も向上。さらにはセッティングの多様性、高度な耐久性や安定性、そして上質なデザイン性など、ドラム・スタンドMDSシリーズには、ローランドのドラム・ハードウェアに対するこだわりが集約されているのです。

MDS-25およびMDS-12Vに採用された、ケーブル・インサイド・パイプ構造。スタンドのパイプ内にパッド接続ケーブルを収納することで、ケーブル接続の煩雑さを解消した、まさに革新的な技術です。乱雑な配線で見栄えを損なうこともなく、ジャック部には接続先がひと目で確認できるマーキング・ラベルを装着済み。スピーディかつ機能美あふれるセッティングが実現します。またプロ・スペックを徹底したMDS-25では、耐久性や安全性がさらにアップ。ホルダー（垂直パイプと水平パイプのジョイント・パーツ）のケーブル出口を広げ、ケーブル保護を目的としたラバー・スリーブを装備。ツアーなど過酷な使用状況にも耐えるヘビー・デューティーな構造となっています。

パッドやシンバルを支えるクランプ部にも、セッティングの保持力を高める独自の工夫が施されています。MDS-25に採用されたアルミ・ダイキャスト製クランプには、パイプとの接触部にナイロン・スリーブを採用。異なる材質で締め付けることによって強度なグリップ力が得られ、さらにはパイプ表面の傷付き防止にも効果を発揮します。

快適なドラミングをかなえるための不可欠な要素として、常にドラム・スタンドの安定性強化に取り組んできたローランド。MDS-25には、正面2箇所のホルダー部にメモリー・ロックを標準装備。常に同じ位置でセッティングが可能となるほか、スタンド組み立て時の安全性も確保されています。また、MDS-25に採用された新形状のゴム脚は、スタンド全体の安定性とセッティングのズレ防止に貢献しています。

さまざまなセッティングへの対応を目指し、MDS-25およびMDS-12V、MDS-9Vではボール・クランプを採用。素早く自由に角度調節できるため、理想のセッティングがスムーズに行えます。またMDS-25、MDS-12Vのシンバル・マウントは、パイプ内にブーム・アームを収納してストレート・スタンドとしても使用可能。さらに、標準ではタムがセットされているホルダーにシンバルをマウントするなど、自由なセッティングが可能となります。