ピエール中野:ありがとうございます。
ピエール中野:たぶん、好きなことをきちんと説明できているからだと思いますよ。Twitterでみんなに伝えることによって、さらに新しい発見があったり、楽しみが生まれたり。共有したほうが楽しいってことは、たくさんありますからね。小さいころから、伝えることを楽しんでたような気がします。
ピエール中野:元々そういうことが好きだったんですね。それがTwitterというツールの出現によって、情報発信や共有をすごく大きな規模でできるようになった。「なんだ、Twitterってオレにぴったりじゃん」って。すごく楽しいですよ。
ピエール中野:「こういうドラマーに」っていうのは、特にないですね。自らのバンド“凛として時雨”(以下、時雨)のドラマーとして、相応しい存在であることが大前提。そのうえで、自分を求めてくれる他のバンド、ミュージシャンがいれば、それに対して自分がどうアプローチしたらいいのか考えて、取り組んでいくつもりです。その中で得たことは、きちんと説明できる人間でありたいですね。
ピエール中野:そうです。ぜんぶ本の中で紹介しちゃってます。自分で観て内容は知ってるし、絶対に参考になることがわかっている。だから「興味があったらそっちを観たほうがいいですよ」って(笑)。自分にできないこと、説明が上手な人は、世の中にたくさんいますからね。
ピエール中野:どうだろう…自分が憧れたドラマーにはなれないじゃないですか。その憧れたドラマーができないことをやってやろうとは思います。例えばYOSHIKIさんだったらドラムとピアノ。じゃあ、オレはドラムとMCかなって(笑)。面白いほうのキャラ立ちしてみよう、とかね。その中でみんなが喜んでくれること、 自分がやっていて楽しいことを探していたらここにたどり着いた。「何かを目指して」というわけじゃないけど、試してやってみたらこうなった、みたいな感じですね。
ピエール中野:中2の頃はギターをやってたんです。でも後からはじめた友達が、自分より上手くなっちゃった…そういうのって、かなりやる気なくなるじゃないですか(笑)。また同時期に、たまたまX JAPANのビデオでYOSHIKIさんのドラム・ソロを観てしまった。透明のドラム使って、照明も派手で、水しぶきがあがってて「なんだコレ、ドラムって超かっこいいな!」って感動して。(ギターが上手くなっった)友達のお兄さんの文化祭を見に行ったのもその頃。LOUDNESSのコピー・バンドが出演してて、ドラム・ソロがすごくかっこよかったんですね。ドラム・ソロの間、会場の雰囲気がピンと張り詰めてるんだけど、終わった瞬間に「ワァアアアア」って喝采が巻き上がって。そんないろんな出来事が重なって、ドラムやってみようかなと。中3の終わりにドラム買って、それからです。
ピエール中野:ありましたね。当時、地元には上手ければ上手いほど偉い。みたいな雰囲気があったし。あそこにすごいヤツがいる、って名前が拡がるんですね。そんな中で、名を轟かせたいなと思ってた。だからムチャクチャ練習しましたよ。いろんなプレイヤーがいたし「バンドやろ、バンドやろ」ってみんな盛り上がってた。
ピエール中野:実は、23歳くらいまでに何にもなってなかったら、就職して働こうと決めてたんですね。専門学校に入ったときに。その後ちょうど23歳でいまのバンド、時雨に出会って加入したんです。親にも「このバンド、ホントすごいから続けさせてくれ」って頼んで。最初の音源のリリースが2005年なので、それから1~2年後ってことになりますね。
ピエール中野:練習環境には恵まれてたと思います。最初にツーバスの生ドラム・セット買って叩いてましたから。自宅の部屋で、軽音部の部室で、そして楽器店でも叩いてましたし。今はVドラム(V-Proシリーズ TD-30KV-S)を部屋に置いて叩いてます。
ピエール中野:フレーズの確認用だったり、ウォームアップ的に使ったりしてます。動いてないと筋力が落ちてきちゃうので。KD-9って、キック・パッドとして優れモノなんですよ。反応がむちゃくちゃよくて、リバウンドも自然。いわゆるアコースティック・ドラムに近い感触で練習できるんで、買って使ってました。
クロス素材のコンパクトなキック・パッド。
ピエール中野:破れることはないし、打感もいいし、ああいうのをずっと探し求めてた。たまたま楽器屋に行ったときに試奏して、そこで知って「これすごい! なんで誰も教えてくれなかったの?」って(笑)。あれは本当に(アコースティックに)近いです。超優秀ですよ。
ピエール中野:反応の良さ、音のリアルさ、随分よくなりましたよね。倍音や共鳴の感じまで、ホントに生々しくて。(Vドラム音源TD-30で)自分好みの音を作ってみたんですけど、普段使っているセットの感覚とほとんど変わらず演奏できてる。こんなに使えるんだ、ってビックリしました。
ピエール中野:そうです。(音色カスタマイズ Vエディット機能を使って)「こうやったら近づくかな…」って感じでやってたらできた。アコースティック・ドラムの音というよりは、ミックスしてできあがったCDで聴くようなドラムの音がすぐに作れる。実際に進化しているんだろうけど、音ひとつとっても(前モデルと)こんなに違うもんなんだ、と思いましたね。
ピエール中野:ハイハットも良くなってますよ。踏み込んだ時のピッチ感もしっかり表現してくれるようになった。
ピエール中野:その辺、(最新モデルは)かなりポイント高いですよ。
ピエール中野:そうそう、その辺もよく再現できてる。…しかし、よくやりましたよね(笑)
ピエール中野:しかしすごい世界だなあ(笑)。
ピエール中野:スネアのアクセント移動にしてもそうだし、叩く位置が変わったときの感じも、自分の音がしっかり出てくるから、叩いてて気持ちいいですよ。だいぶ個性出てくる部分ですし。
ピエール中野:即興演奏、セッションの時によさそう。時雨以外に即興系のバンド(CHAOTIC SPEED KING)もやってるんですけど、その時に音色変えながらプレイしたら、まわりのフレーズも変わってくるでしょうね。観てるほうも楽しいだろうし。
ピエール中野:アコースティックだと、ひとつの音色の中でフレーズ、ダイナミクスとか表現できることが限られてる。そこがいい楽器でもあるんだけど。Vドラムならまったく違うアプローチができるんで、相当面白いとこができるんじゃないかな。例えば「DJとVドラムだけ」っていうのも相性いいでしょうね。アコースティックよりも音色的に合うだろうし。
ピエール中野:これから確実に増えると思いますよ。だって自宅で作った音色が、いつでもエンジニアとか作曲者に聴かせられるわけだし。例えば、レコーディング・スタジオに常設されるのが当たり前の世の中になったとする。そうなれば、あとは(USBメモリーで)データだけ持っていって、Vドラムに挿して、そこで録るだけ。録ったあとでアレンジャーがフレーズを変えたりもできる。何なら、自宅に居てパソコンでやり取り、なんてこともできるわけで。
ピエール中野:アコースティック・ドラムでレコーディングする現場はなくならないけど、そういうことも増えるんじゃないかなと。確かなのは、いま「Vドラムがこんな凄いことになっている」ってこと。この事実がいろんな人に知れ渡れば、確実に増えてくると思いますよ。
ピエール中野:わりとよく言ってる事なんですが…「運とかチャンスは必ず巡ってくるので、それを逃さないための実力を身に付けておいてください」これに尽きると思います。意外と(チャンスは)来てるはずなのに、実力が無いから逃しているだけ。「あの時、相応しい実力を身に付けておけば…」、「あの時、こういうふうに考えられていたら…」と思える瞬間が自分にもある。がんばってほしいですね。
”凛として時雨”のドラマー。圧倒的なライブ・パフォーマンスとマイク・パフォーマンスで、ごく一部のファンから熱狂的な支持を集める。YouTubeで公開されている“わかりやすいけど寝癖が気になる”と評判のドラム・セミナーは再生回数30万回を超えている。好きなことや興味のあることにはどこまでも追求していくタイプ。Twitterはこちら→https://twitter.com/Pinakano