AUDIX ARTIST/ENGINEER INTERVIEW #07 瀬戸口恵

独自技術による高品質と優れたコストパフォーマンスが特徴であるRoland Partner Brandのマイクブランド「AUDIX」、その魅力を多角的にお伝えするインプレッション・インタビュー。シンガーソングライター、“velvet peach seven”のコーラス、そして専門学校講師とさまざまな視点を持つ瀬戸口恵氏に、それぞれの立場に基づくマイク選びとお勧めのAUDIXを伺いました。

AUDIXはそのまま空気感が出てくれるので
自然体で歌いやすい

#07瀬戸口恵

口元がマイクから離れた時の繊細な部分も、広めに拾ってくれるマイクを探しています

まずは瀬戸口さんの自己紹介も含めて、普段はどんな時にマイクを使用していますか?

瀬戸口:シンガーソングライターとしていろいろな会場でライブをするので、もちろんマイクを使って演奏しますし、コロナ禍に入って宅録をする機会が増えたので、コンデンサーマイクを使って声やアコギを録音しています。

マイク自体を意識しはじめたのはいつ頃ですか?

瀬戸口:弾き語りを始めて、いろいろなお店で歌わせていただくようになってからです。お店によって声の乗りが違ったり、ライブが何本も重なった時に気付いてからマイクにこだわり出しました。あと、けっこうマイクに口につけて歌うので、多くの人が使うマイクを使わせていただくのは申し訳ないと思って、21歳くらいの時に自分のマイクを買おうと思ったんです。

現在、具体的なモデルで言うと何を使っていますか?

瀬戸口:ライブの時はダイナミックマイクで、それこそAUDIXのOM6とか、定番のマイクとか、あとはお店によくあるマイクを使っています。小さな会場から大きな会場までいろいろな場所でやるので、音の響きと自分の歌い方と相談しながらマイクを替えますね。家で録る時はコンデンサーマイクで、AUDIXのA131とか数種類使っています。最近はシンガーソングライターとしての活動とは別に専門学校に教えに行っているのですが、授業の一環で教室にセットを立てて、生徒たちに宅録体験というかレコーディング体験を教えているんです。

マイク選びに関して、生徒さんにはどのようなアドバイスを?

瀬戸口:まずは自分の声を知った上で、“こういう音を出したいとか、こういう音が好きだなっていう自分の好みを見つけてね”という話をします。声を素直に出したい人もいれば、もっと声を補いたい人もいるので、それぞれのマイクの特性を説明しつつ実際に持っているマイクで試してもらっています。

“こういう声の人にはこういうマイクがいい”など目安はありますか?

瀬戸口:女性はハイがバーン!と出がちなので、ハイがパワーアップするようなマイクを使うと余計にキンキン鳴っちゃうとか、男性はローがボフボフと鳴ってしまうので、そういうところがすっきりするマイクがいいよねっていう話をしています。バンドと弾き語りでもマイクの使い分けがあるので面白いですよね。

そういう意味で、瀬戸口さんの声に合うのはどんなマイクですか?

瀬戸口:まだ模索中ですが、弾き語りで歌う時はパワーも低音も欲しいので、今のところはAKGのマイクが一番やりやすいかなと思っています。バンドの場合、このマイクだと低音が埋もれちゃうのがネックだったのですが、AUDIXのOM6はすごく抜けが良くて。輪郭が出るので、バンドの時はよくAUDIXを使わせてもらっています。

まだ模索中ということですが、マイクを選ぶ上で大事にしている部分は何でしょう。

瀬戸口:マイクは、口元とマイクが少し離れた状態でバランス良く出るように設計されていると聞いたことがあるのですが、私の歌い方がけっこうオンマイクなので、その状態で素直に声を拾ってくれるマイクを探すようにしています。自分で書いた曲や歌詞を弾き語りで歌う時は、けっこう表現を大事にしていて。口元がマイクから離れた時のブレスや繊細な部分も、広めに拾ってくれるマイクを探していますね。

A131は立ち上がりが早くてナチュラルに録れる

AUDIXとの出会いはいつですか?

瀬戸口:AUDIXの存在を知ったのは約半年前で、ONE OK ROCKのTakaさんが昔使っていたのを見て。歌が上手い人だから“どんなマイクを使っているんだろう?”と思って調べたら、私が見た動画ではAUDIXを使っていて。その時はすでに自分のマイクを持っていたので、実際に試したりはしなかったのですが、今回お話をいただいてOM6、i5、A131の3機種をお借りして宅録やライブで試しました。

アコギを録る時はどういったマイクを使いますか?

瀬戸口:アコギはAria Dreadnoughtを使っているのですが、生音がいいので、エア感を素直に録れたらという想いでAUDIXのA131を使っています。A131は立ち上がりが早くてすごくナチュラルに録れるのでめちゃくちゃ愛用させてもらっています(笑)。

“ナチュラル”という表現をもう少し具体的に言うと?

瀬戸口:感覚的な話ですが、セットしてヘッドフォンを付けて鳴らした時、今まで使っていたマイクも悪くはないのですが、“ちょっと硬いな”とか“モコッてしちゃうな”という印象があって。いろいろと調節しながら良い音を探していくんですけど、AUDIXはすぐにバチッと良い音が出て、調整された状態からバンッてそのままの音が出てくる印象。あとはどこに置くかによって空気感が変わるので、音を調整するというよりもサラウンド、場所を調節するくらいなんです。

曲によってマイクを置く場所を変えるんですか?

瀬戸口:そうですね。曲によって変えたり、最近はCDにするためだけじゃなくて“遊びで曲を作ってみよう”とラフな感じで録る機会が増えたので、いろいろと試しながらやっています。

瀬戸口さんが特に好きなマイクのセッティングは?

瀬戸口:アコギのスタンダードなマイクの位置ってサウンドホールの近くだと思うんですけど、ちょっと上のほう(目線付近)から録ることでその場で聴いている感じというか、空気感も含めてそばにいるような感覚で録れたのが面白いと思いました。プラス低音域が欲しいのでピンポイントでi5を立てたり、あとはラインの音も混ぜて録ったりします。

改めて、それぞれのマイク(OM6、A131、i5)の印象を教えてください。

瀬戸口:全体的に素直な音が出る印象があって、OM6は話している声がそのまま伸びていく感じ。低音がバンッて出るマイクをずっと求めていたんですけど、こんなに素直に音が伸びるマイクはなかなかないんじゃないかなって。なので、バンドで使った時にすごく伸びが気持ち良くて。ワーッて叫んだ時もキリキリしないというか、高音が気持ちいいマイクですね。A131はアコギや声を録る時もそうなんですけど、そのままの音を素直に録ってくれるので扱いやすい。軽いから持ち運びもしやすいし、いろいろなシーンで使えます。i5はピンポイントで欲しいところ(音域)が録れるのでありがたいです。

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今後、どのようなシーンで使ってみたいですか?

瀬戸口:バンド(velvet peach seven)では声にエフェクトを掛けて歌うんですけど、ライブの際にAUDIXにエフェクトを掛けたらどんな感じで出るのか試してみたいですね。素直に音を拾う特性であれば、エフェクトの掛かり具合もすごくレスポンスがいいのかなと思います。

専門学校生の方がマイクを選ぶ時、“AUDIXだったらここがいい”みたいなアピールポイントがあれば。

瀬戸口:マイクがなかったら自然に歌えるけど、マイクを持つとガチガチに力が入ってしまう人が多いんです。AUDIXはすごく軽いし、そのまま空気感が出てくれるので自然体で歌いやすいと思います。

初めてのマイクとしてもいいし、ある程度音楽活動をやられてる人にもいいと。

瀬戸口:はい。あとは最近の曲って音程が高いじゃないですか。AUDIXは本当に高音が伸びやかなので、そういう曲でもキリキリとした高音域をまろやかにカバーしてくれると思います。私はたくさんの生徒たちを見ていますが、マイクの使い方が難しいとか、声がキンキンしちゃう子も使いやすいでしょうし、あまり人を選ばなさそうな印象があります。バンドの中で歌う時も含め、幅広いユーザーに向いていると思います。

PROFILE

瀬戸口恵

長崎出身、福岡在住のシンガーソングライター。velvet peach sevenのchorus担当。高校卒業後、音楽の専門学校にて歌を学ぶ。同時に作詞、作曲、ギターを習得。バンド活動を経て21歳の頃よりソロ活動を開始。velvet peach sevenではボイスエフェクターを駆使したエレクトロロックサウンドを中心としている。これまでに、CM起用曲の収録を含むオリジナルアルバムを4枚リリース。全国各地でのライブに加え、演奏サポートや楽曲提供、講師業など、活動の幅は多岐に渡る。Pops、Rock、Blues、HipHopなどから影響を受け紡ぎ出されるサウンドは、静と動、光と影、繊細かつダイナミックに様々な心のシーンを描く。
 
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