現在の部員数とバンド数を教えてください。
杉野森 渉先生(以下、杉野森):
3年生を含めると、今年度のライトミュージック部は57名で活動しています(取材時)。バンド数は3年生を入れると、合計で16バンドです。
活動日や練習場所、活動内容など、
普段の様子を教えてください。
杉野森:
活動日は水曜日・金曜日・土曜日の週3日です。本来であれば、今年度から月曜日を追加して、週4日の活動にする予定だったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で活動日を増やすことができなかったため、今年度も週3日としています。
練習場所は本校のホールを水曜日と土曜日に使わせていただき、活動しています。金曜日はホールが使えないため、普通教室を2部屋使用して、練習に取り組んでいます。ホールではアンサンブル練習をメインにし、普通教室では各自が個人練習をしたり、パートごとに集まったり、バンドでミーティングをするなど、教室でできる活動をさせています。アンサンブル練習は、セッティングの時間込みで15分から20分のスケジュールを組み、各バンドが練習に励んでいます。水曜日は6バンド、土曜日は10バンドが入れるので、全バンドが週1回は音出しができる状況です。
夏と秋の大会以外では、
どのような演奏の機会がありますか?
杉野森:
本校では、毎年4月と5月に新入生歓迎ライブを開催しています。その後、1年生が正式に入部したタイミングで「シャッフル・バンド」を組ませているんです。これは1年生から3年生の部員をごちゃ混ぜにしたバンドを顧問が組み、1ヶ月間で練習し、発表会で全バンドに演奏させる取り組みです。その後、7月末から8月上旬にホールで定期ライブを開催したり、毎年夏合宿を実施しているので、合宿の最終日にも成果発表の演奏会を行っています。
9月の文化祭が終わると3年生が引退するので、そのタイミングで今度は1、2年生でシャッフル・バンドを組み、お披露目ライブを11月に行っています。その後、各自が組んでいたバンドに戻り、12月末にクリスマス・ライブを、3月には3年生を送る卒業ライブを開催しています。
本校のライトミュージック部は人数が多いので、今まで関わったことがなかったり、話をしたことがない…という人が出てしまいます。しかし、私は音楽を演奏する上で「コミュニケーション」が一番大切だと考えているので、人と話すのが苦手云々ではなく、慣れてもらうためにも、毎年シャッフル・バンドを組ませています。「上級生がきちんと下級生の面倒を見る」という目的も含め、コミュニケーションをしっかりと取ってもらうことを意識しながら実施しています。また、中にはバンドが解散してしまい、活動できなくなった部員もいるので、そのシャッフル・バンドを足がかりにして、新しいバンドを組む…というキッカケを与えられれば、とも考えています。
部員数の多い部活動だと思いますが、
苦労されている点を教えてください。
杉野森:
一番悩むところは各部員の「音楽に対する熱量の差」です。どの学年の中にも、どうしても「差」というのは生まれてしまうので、「一生懸命にやりたい!」という子と「そんなに…」という子の間でトラブルが起こることがあります。
それから、練習場所と機材ですね。練習場所に関しては、ある程度の音量が出てしまうので、これまで近隣の方から苦情をいただくことがありました。本校は防音設備がないので、活動場所や活動時間、音量などに苦労しています。
機材に関しては、大切に扱っているのですが、ドラムのシンバルをはじめ、消耗品もまとまった金額が必要なことが多いので、金銭面も悩みの1つです。真空管を搭載したギターのアンプヘッドも、乱暴に持ち運びをすると真空管が割れてしまい、修理に数万円がかかってしまいます。また、音楽室やホールが使えない時の練習環境が整っていない点も苦労しているところです。