動きを大きく見せて、自分もお客さんも楽しい演奏を
セッティングで、何か大失敗しちゃったような経験はありますか?
澤村 – 演奏中に、キックペダルのビーターが飛んでいっちゃったことがあって。曲が始まって割りとすぐだったんですけど、ねごとのメンバーが、誰も演奏を止めなくて、それで私も止めれなくて。
えっ!じゃあその曲は、ずっとバスドラムは無しで……?
澤村 – だけど私は頑張って、右足でバスドラムを蹴ったりして(笑)。でもやっぱり、それじゃあ全然ダメなんですよね。それで途中から、左手で“チッ、チッ、タッ、チッ…”とハイハットとスネアを叩きながら、右手でバスドラムを“ドン!ドン!”って叩いて、それで1曲、演奏し切りました(一同爆笑)。あれは一番ビックリしたなぁー(笑)。
最後まで叩き切った小夜子さんもスゴイですけど、演奏を止めなかったメンバーもスゴイですね(笑)。
澤村 – ねぇ?普通は止めますよね。一番大事なバスドラムがなくなるんですから(笑)。この時のことは、メンバーもみんな、覚えてるんじゃないかな。みなさんも、ビーターのネジはしっかりと締めておきましょう(笑)。
有り難い教訓です(笑)。あと、“見た目”という点では、小夜子さんは、よくInstagramにライブやリハスタで演奏している動画をアップしていますよね?あれは、スタッフさんが撮影しているのですか?
澤村 – いえ、iPhoneを譜面台とかにポンと置いて、自分で撮ってます。ライブ中の動画も、MC中とかにスタートボタンをピッと押して。フェスとかだと、右手で叩いて、左手でお客さんを撮ったりもしてるんです(笑)。やっぱり演奏中の動画を見ると、「お客さんからは、こう見えてるんだ」とか、「顔はどうかな?楽しそうかな?」とかが分かりますよね。ただ、スタジオで撮る時は、(事務所の確認を取らずに)勝手にアップしているので、一応は気を使って(笑)、ハイハットやシンバルで顔が隠れるようにしているんです。だから、リハスタで動画を撮る時は、映像優先で普段とは違うセッティングにしていて。ハイハットを高くして、顔を隠しながら、フロアタムも見えるように、いつもより高くしたり、逆に画面内に収まるようにシンバルの高さを調整したりして、動画を見てくれる人が分かりやすいような、映像用のセッティングにしているんです。
そういった動画を参考にしながら、カッコいいプレイを目指して頑張っているドラマーに向けて、最後に“上手に見せるためのワンポイント・アドバイス”をお願いします!
澤村 – 動きを大きく見せることは、大切ですね。あとは、とりあえず首を振るとか、髪を伸ばすとか。私も高校時代は、髪を長くしてやってたなぁー。特に高校生がやるような曲って、みんなで歌って楽しめるような元気な曲が多いと思うから、いっぱい身体を使って演奏した方がいいと思います。ドラムを始めたばかりの頃って、手先だけで演奏しがちなので、タムを回す時も、身体ごとタムに向かって動くとか。身体を大きく動かさないと叩けないように、わざとシンバルをメッチャ高くしたりしても、楽しいかもしれませんね(笑)。
澤村小夜子(ねごと)
2010年ねごとのドラマーとしてデビュー。全国ワンマンツアーを始め数々の大型ロックフェスにも出演。過去3枚のフルアルバムと9枚のシングルをリリース。2015年にはGLAYのトリプルAサイドシングル「HEROES / 微熱Ⓐgirlサマー / つづれ織り~so far and yet so close~」でGLAY初の女性ドラマーとしてレコーディングに参加。2016年には私立恵比寿中学「穴空」ではABEDON(阿部義晴 / ユニコーン)プロデュースの「ゼッテーアナーキー」にてドラムでレコーディングに参加するなど、今後さらなるドラマーとしての活躍が期待される。