【ARTIST】GiGS JUNO-DS音色制作現場に潜入 第5弾/雨のパレード 山﨑康介

バンドという形態にこだわらないボーダーレスなサウンドが魅力の3ピース・バンド:雨のパレード。特に昨今のライブでは、シンセサイザーや同期音源もふんだんに採り入れて、独自のスタイルを確立しています。GiGS2月号ではそんな彼らが1月22日にリリースする最新アルバム『BORDERLESS』を特集。その中で、山﨑さんによるJUNO-DS61Bの試奏企画も展開されました。このページではその取材現場の模様をお届けしましょう!

GiGS 雨のパレード:山﨑康介の
JUNO-DS音色制作現場に潜入

今回山﨑さんに試奏してもらったJUNO-DS61Bは、鍵盤がすべて黒で統一されたオール・ブラック仕様。高品位な音質や多数搭載された即戦力のプリセット・トーン、可搬性に優れた軽量さなどの魅力はそのままに、精悍なルックスをまとった限定モデルです。以前にも同誌でJUNO-DS61を試奏してくれた山﨑さん(2017年6月号)は、このJUNO-DSにどんな印象を持ったのでしょうか?

取材開始直後からすぐに音色作りをスタートした山﨑さん。今回はJUNO-DSを使って1月22日発売の最新アルバム『BORDERLESS』収録曲のサウンドを目指してくれるそうです。「やっぱり音色を選ぶのが本当に簡単ですね。こういったユーザー・フレンドリーさが素敵です。2年前の試奏ではJUNO-DSの機能を一通り試してみたので、今回はもう少し深いところまで掘り下げながら『BORDERLESS』で鳴らしたいろんな音を再現してみようと思います」(山﨑)

まず山﨑さんは1,000以上のプリセット・トーンの中からベースになる音色を探し始めました。その後、エディット・モードでオシレーターやフィルター、エンベロープ、EQ、エフェクトを調整。山﨑さんがツマミを操作するたびに楽曲で聴くことができる音色に近付いていく様に、現場にはおおっ!という声が挙がっていました。

そして、いよいよ今回の目玉企画! 山﨑さん自身がJUNO-DS61Bで作り込んでくれた3つの音色を紹介していきましょう!!

1つ目は「Walk on」で鳴っているパッド系の音色。「内蔵されている[Frends Pad]を調整して近付けていきました。ポイントにしたのは打鍵したときのアタック。まずこれをゼロにすることで立ち上がりを速くしたんです。あと、フィルターもキモになったと思いますね。少し開き気味になっている状態から徐々に閉じていくように調整してみました。そこからアンプ・エンベロープの数値を少しイジって、ずっと同じ音量で鳴るんじゃなく若干減衰していくようにして、一層立ち上がりの速さを強調してみたんです」(山﨑)

2つ目は「Trust」のリフ・サウンド。「この音色は[Poly Brass]をベースにしています。もともとリバーブが深めに掛かっているプリセット・トーンだったので、「Trust」のようなドライで尖った感じを出すためにまずはリバーブをOFFに。あと、鍵盤から指を離したときに残響音が残らないようにリリースもかなり短めにしました。もしもう少しザラつかせたいと思ったら、好みでノイズとかを足してあげてください。モノラルで出力してギター用の歪みエフェクターとかを噛ますのもアリですね」(山﨑)

最後は「Summer Time Magic」のピアノとピチカート系ストリングス・トーン。「せっかくなので、スプリット機能を使ってライブでの再現性を高めてみました。高音側にピアノ、低音側にストリングスを割り振っています。音色に関してはほとんどイジっていません。この曲のピアノは生っぽさよりもデジタルらしい感じを活かすように仕上げているので、その雰囲気と似た、アタック感と高音域の抜けの良さを持った[JUNO Piano2]を選びました。ストリングスの方は[Pizz/Stacc]です。「Summer Time Magic」のストリングス・トーンと近かったし、打鍵の強弱で印象が変わる音色なので、曲展開に応じて使い分けることもできそうだなと思いますね」(山﨑)

「僕らの新作『BORDERLESS』には、今回僕が作った3つの音色以外にも本当にたくさんのシンセ・サウンドが盛り込まれているんですよ。シンセの面白さって、やっぱり細かい部分まで自分で音を作り込んでいけることじゃないですか。その過程で思いがけずカッコ良い音色に出会うこともあったりして。だから、是非ニュー・アルバムを聴いてもらいながら、JUNO-DSでいろんな音色を再現してみて欲しいですね。そして、シンセって面白い楽器なんだなって気付いてもらえたら嬉しいです!」(山﨑)

  

  

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