【ARTIST】始めはみんな初心者。プロドラマーに聞く、最初の練習法。 Case.16

プロとして活躍するドラマーも、始めた頃は初心者だったはず。プロドラマーに初心者時代を振り返ってもらい、練習方法のヒントを探す、オリジナルコンテンツ。

プロドラマーに聞く、最初の練習。
Case.16 [Isao Cato]

プロとして活躍するドラマーも、始めた頃は初心者だったはず。凄腕テクニックを習得した彼/彼女らは初心者だったころ、いかにして練習に取り組んでいたのか??
この連載は、独自のインタビューから、初心者にも役立つ練習ネタを探る、ドラマー必見のコンテンツです!

今回は、日本でプロフェッショナル打楽器奏者として活動、セッションやツアー、スタジオワーク等で活躍中の加藤勲さんの登場です。Isaoさんは日本のみならずアメリカ、キューバ、トルコと打楽器やリズムが強く根付く街で、現地の音楽家達と演奏活動をし、2013年に日本からブラジルへ。音楽大学に所属しながらセッション、スタジオで活動、そしてキューバ滞在時に得たパーカッション演奏を生かし、ブラジル伝統文化音楽の団体にも所属。2016年のブラジルに於けるカーニバル時期に、打楽器奏者として多数のチームで演奏、また世界的に有名なリオデジャネイロのグループ「Mono Bloco」の打楽器奏者としても活動。ブラジルでの活動は現地新聞にも取り上げられ個人特集が組まれ、その一つは連載になるなどリズムのルーツエリアで大活躍中。

練習でも演奏でも録音することが大事

【Q1】ドラムを始めた時期と、そのキッカケは?

Isao – ドラムを始めたのは高校卒業時の記念ライブにクラスメートから声をかけられた事からでした。当時 ドラムマニア というゲームセンターのゲームにはまっていた私は、「ドラム出来るよ!」と、即答してしまいまして(笑) 初めて軽音部の部室でドラムに触れてみて、これは叩け無い! 慣れなきゃダメだ! と直感で察し、メンバーに「今日は帰らなきゃならないから今度叩くね」と無茶な言い訳をして、その帰りに急ぎ足で楽器屋へと向かい、電子ドラムを買いました。

たしかそれはRolandのゴム製パッドの電子ドラムと、TAMAの214Bというスティックだったと思います。その後ライブを迎え、無事に演奏が終わったのですが、その時はあまりドラマーになりたい! という気持ちは無かったんですよ。でも、その時に対バンしていた高校のOBの先輩が X のコピーバンドをやっていてその時に聞いた 紅 が忘れられなくて。楽屋で聞いたあの時の感触は今でも覚えています。友達に「これなんていう曲!?」と聞くと、「知らないの?Xの紅だよ。」と教えてくれて、次の日の学校帰りにCDレンタル屋でアルバムを借りました。そのアルバムがベストアルバムで、紅やSilent Jelousyを聞いてすっかりやられちゃいまして(笑) その時にドラマーになりたい!!!! って強く思ったんです。

【Q2】始めた頃の練習方法、特に自分一人で行っていた練習法は?

Isao – 始めた頃は8ビートの基本パターンが一通り出来るように、と繰り返し練習しました。好きな曲に合わせて叩けるようにしていましたねー。でも当時は全然へったくそだったので流す曲のテンポに合わせられず酷い騒音を出していたと思いますw 何も言わずに見守り続けてくれた両親に本当に感謝しています。いやー、今になってみると感慨深いです。

曲を流しながら演奏する事は、とても大事

【Q3】初心者の練習法で、ひとつだけオススメするとしたら?

Isao – 練習法では無いかもしれないですけど、強く勧めたいのは、本物を目の当たりに、という事です。百聞は一見にしかずという様に、実感無しに得る事はありません。逆に言うと、経験した事は変えがたいほどの大きなギフトになります。あとは、必ず練習でも演奏でも録音する事。スマホでもなんでも良いので。自分の録音と自分が思い描いた音とを比べてください。もしくは、自分が理想とする音と比べてください。そこに全ての答えがありますよ。がんばって!

まとめ

初めてのライブでドラムに魅入られたのかと思いきや、意外とその後に出会った曲でドラムの世界を強く意識することになったIsaoさん。激しい曲がきっかけであったにもかかわらず、その頃の練習法は8ビートを繰り返し練習すること。ともすればツーバスばっかり練習しそうなものですが、最初の頃からしっかりと地道な練習を続けてきたことが今のキャリアに繋がっているIsaoさん。今回、教えて頂いた練習法の中での“録音”、自分の音を客観的に聞くことは「聞き返し」とも呼ばれる非常に基本的かつ大事な練習法です。録音機材が必要になりますが、練習を続けている現在の自分を客観的に知るために、是非とも実施してみて下さい。

ARTIST LIST

Case.01 藤原佑介「とにかく楽譜と耳コピを」

Case.02 KEN’ICHI 「言語を喋るのと同じ」

Case.03 桝谷マリ 「楽しんで音楽に合わせて」

Case.04 ユウイチ 「出会ったのは中学1年」

Case.05 はな 「初めて触ったのは高校生の時」

Case.06 川上優 「バスドラの音だけ聞こえやすくしてた」

Case.07 ナオミチ 「プラスチックのシンバルが割れるぐらい」

Case.08 神宮司治 「8ビートを叩けるようになった時の喜びは大きかった」

Case.09 山葵 「上手いドラマーはみんな口ドラムが上手いんですよ」

Case.10 Tatsuya 「大事なのはイメージ力」

Case.11 松下マサナオ 「自分で気付いて修正していく過程が大切」

Case.12 リアド偉武 「ゆっくりなテンポで頭で理解」

Case.13 Mally 「簡単なことほど難しい」

Case.14 澤村小夜子 「自由さを感じて、すぐにバンドは楽しいと思った」

Case.15 長谷川正法 「スティックを跳ね返らせる感覚を身に付ける」

Case.16 Isao Cato 「練習でも演奏でも録音することが大事」

Case.17 ハットリクミコ 「エアドラムでずっと練習してました。」

Case.18 諸石和馬 「ドラムを叩き始めたのは小学生」

Case.19 山本晃紀 「好きな音楽に合わせて楽しく練習するのが一番」

Case.20 むらたたむ 「録音したり動画を撮ったり」

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