V-MODA ARTIST INTERVIEW #09 SHE’S 井上竜馬

ヘッドホン・ブランドV-MODAの代表的なモデルを、プロ・ミュージシャンが試聴するインプレッション・インタビュー第9弾。次世代ピアノロックバンド“SHE’S”から井上竜馬(Vo,Kb)が登場。

V-MODA ARTIST INTERVIEW

#09

SHE’S
井上竜馬

04年に設立されたイタリア発のヘッドホン・ブランド“V-MODA”。世界のトップDJを魅了したフラッグシップ・モデルM-100をはじめ、比類のない品質、ファッション・フォワード・デザインに優れた商品群をリリースし続けている。そんなV-MODAを、プロ・ミュージシャンが試聴するインプレッション・インタビュー。第9回目は、エモーショナルなロックサウンドから珠玉のバラードまで、センチメンタルなメロディーで聴く者を魅了する次世代ピアノロックバンド“SHE’S”から井上竜馬(Vo,Kb)が登場。今年7月に発売されたCrossfade M-100 Masterと、12月14日に発売されたばかりのスタジオモニターヘッドホンM-200を試聴してもらった。

アーティストのこだわりが
聴き取りやすいヘッドホン

井上竜馬が考える
イヤホン/ヘッドホン

ミッドからローあたりが
気持ちいいヘッドホンを求めている

ヘッドホンは音源制作のときくらいしか使わないですね。リスニングというよりも、作業用として机に置いています。リスニングは主にワイヤレスのイヤホンで、家ではイヤホンも使わずにスマートホン本体のスピーカーで音楽を聴くこともあります。それこそBGM感覚で。
上京してから2年半くらい経つんですけど、地元にいるときはヘッドホンに執着がなかったので、自分の部屋の制作環境を整えたときにようやく調べて買った程度で。リスニング用としてヘッドホンを買ったことがないので、今回すごく楽しみではあります。
今使っているイヤホンは、ミッドからローあたりが気持ち良くふくよかに出力されるもの。DJ系の音楽を聴くのかと言われたらそうでもなくて、最近はそういう音質を求めていますね。外で音楽を聴くとき、ジャンルに関してはバラバラではありますが、ここ数年はロックやバンドサウンドよりもキックとかシンセベースなどのローが気持ちいいポップス、R&Bやソウルを聴くことが多いですね。

M-200 × 井上竜馬

分離感が良くて
いろいろな楽器の音が鮮明に聴こえる

パッドの高級感が、僕が持っているヘッドホンとは全然違いますね。ずっと持っていたいですもん(笑)。The 1975の「ザ・サウンド」と「シーズ・アメリカン」の2曲で試聴しました。このバンドはドラムやベースを前面に出すのが特徴ですが、すごく聴きやすかった。特別ローに寄っているわけでもないけど、ボトムがしっかりと聴き取れるし、出過ぎていないぶん、ミッドやトレブルが“シャワシャワ”することもなく素直に出ている。“スタジオモニターヘッドホン”と謳っているだけあり、制作にめちゃくちゃいいんじゃないかなと思いました。特定の音域が埋もれている感じはしなかったので、本当に聴きやすかったですね。分離感が良くていろいろな楽器の音が鮮明に聴こえたので、こんな音が入っていたんだとか、どんな曲を聴いてもアーティストのこだわりが聴き取りやすいヘッドホンなのかなと。

形状はオーバーイヤーで、耳に乗せるのではなく耳を覆う感じ。耳だけでなくヘッドバンド全体で頭部にフィットしているから、長時間使っても耳が痛くならなさそう。僕が持っているヘッドホンはパッドがもっと柔らかいから、このくらい弾力があると耳が疲れるのかなと思ったんですけど、まったくそうではなかったのでびっくりしました。ヘッドホンのイメージが変わりましたね。絶対にこだわったほうがいいなって(笑)。

M-200

M-200は、RolandやV-MODAが楽器作りで培ってきたノウハウを結集し開発した次世代のスタジオ・モニター・ヘッドホンです。V-MODAヘッドホンの特徴であった豊かな低音域に伸びやかな中高音域を加え、解像度を上げる音作りを進めることで幅広い帯域をフラットに再生することが出来る「原音を忠実に再現する」ヘッドホンに仕上げました。最先端のサウンドを的確にモニターできる従来のモニター製品と一線を画した全く新しいスタジオ・モニター・ヘッドホンです。

Crossfade M-100 Master × 井上竜馬

立体的にローが聴こえるから
歌の邪魔をしない

おぉ、全然違いますね(笑)。めちゃくちゃ迫力がありました。M-200と同じ曲で試聴したんですけど、美味しいところ(音域)を残しつつ低音がしっかりと出る。キックとかベースラインの迫力が全然違うし、立体的にローが聴こえるから歌の邪魔をしないんですよね。嫌味な低音ではないというか。ただ低音が出ているだけだったら“ブォー”っていう感じですが、それがまったくなくて、気持ち良く分離した上で立体的に聴こえるから歌がはっきりと聴こえる。それこそDJをやっていたらテンション上がるな。ヘッドホンが違うだけで、同じ曲を聴いてもテンションがまったく変わりますよね。どちらのヘッドホンも用途が違うのは頷けました。M-200はフラットに聴けるので音を正確に作りたいときにいいだろうし、M-100はリスニング用としてめっちゃ好きです。
試しに今年2月にリリースしたSHE’Sのアルバム『Now & Then』に収録されている「歓びの陽」を聴いてみたんですけど、M-100がめちゃくちゃ合っていました。

Crossfade M-100 Master

ローランドのエンジニアがチューニング・プロセスに参画し、M-100サウンドをブラッシュアップ。新しいサウンドシグネチャを採用、ハイレゾ対応するなどトラック・メイキングに最適化したオーバーイヤー・ヘッドホン。

V-MODAの試聴を終えて

どれもユーザーを
選ばずにオススメできる

M-100はDJプレイで聴いたらテンション上がると言いつつ、バンドサウンドでも全然イケるやん!と思いました。いろんな音楽をまんべんなく聴くんだったら、M-200のほうが対応できるのかなと思いきや、M-100もロックサウンドを気持ち良く聴けるので、こういう音楽を聴くならコレ!と限定しなくてもいいのかなと。強いて言うなら、アコースティックとかベースやドラムが入っていない、音数の少ない音楽を聴くならM-200に軍配が上がるのかなと思いました。フラット気味に聴けるので。バンドも聴けるし、なおかつEDMなどの打ち込み系やポップスも気持ち良く聴けるのがM-100なので、個人的にはM-100のほうが好きだなと。もっと低音の迫力を上げたいぜ!という方もM-100ですね。M-200は信頼できるから、どんな音楽を聴いても安心感があります。

PROFILE

SHE’S/メンバー全員大阪出身の次世代ピアノロックバンド。メンバーは、井上竜馬(Vo,Kb)、服部栞汰(Gt)、広瀬臣吾(Ba)、木村雅人(Dr)。2012年、『閃光ライオット』ファイナリストを契機にその高い音楽性が注目を集め、2016年6月、1stシングル「Morning Glow」でメジャーデビュー。全作品のソングライティングを担う井上竜馬が奏でるピアノをセンターに据え、エモーショナルなロックサウンドから心を鷲掴みする珠玉のバラードまで、壮大かつ圧倒的な存在感を放つ。
http://she-s.info

RELEASE

NEWEST SINGLE
Tricolor EP
 

【通常盤(CD)】
¥1,100(税込)
【初回限定盤(CD+DVD)】
¥1,980(税込)
 ユニバーサルミュージック
19年12月4日リリース

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