V-MODAは聴き馴染みのある音で
ちゃんといい帯域を出してくれる
トクマルシューゴが考える
ヘッドホン
断然ヘッドホンが好みで、できれば開放的な音で聴きたい
視聴していただく前に、ヘッドホンやイヤホンの選び方、どういう部分を基準に選ばれているかお話を聞かせてください。
ヘッドホンは基本的にノリで買っているのですが、モニター用に4つ、試聴用に4つ持っていて、メーカーはすべてバラバラです。選び方としては、全部違うタイプにしようという気持ちがあって。低音が強いものからハイレゾ対応で全部の音域がキレイにバシッ!と出るもの、素早いものから落ち着いた音質のものまでさまざまです。単純に好きでいろいろと買っていますね。
ヘッドホンに限らず、機材全盤をよく購入されているんですね。
そうですね。昔からイヤホンとヘッドホンとマイクが好きなので買い漁っていますが、イヤホンは最近はあまり買わないようにしています。わりと(鼓膜に)近すぎて痛くなったり、疲れてくるなと。Bluetoothイヤホンが流行っているので、世間的にはイヤホンを使っている方が多いと思いますが、僕は時代と逆行していますね(笑)。飽和状態というか、面白味がなくなっちゃって。だから、断然こっち(ヘッドホン)のほうが好みで、できれば開放的な音で聴きたいですね。
手元に残っているヘッドホンが約10機種ということですが、これまでさまざまなヘッドホンを試してきたのですか?
そうですね。V-MODAのCrossfade M-100 Masterも持っていましたよ。Crossfade M-100 Masterは好きで聴いていたんですけど、今回のモデル(M-200とM-200 ANC)は初めて知りました。
Crossfade M-100 MasterはDJモニターをベースにして、ローランドのエンジニアがハウジングの空気の出方を調整しています。ローにパンチがあるタイプですね。
そうですね。低音域が強めのヘッドホンの中でもすごく良くて、いろいろな会場でライブパフォーマンスをするにはベストなヘッドホンなのではないでしょうか。
リスニング用とモニター用で、それぞれのヘッドホンに求めるサウンドはどういったものですか?
最近の傾向もあるし、僕の傾向でもあるのですが、家で作業をする時間が増えれば増えるほど、モニターヘッドホンよりも普通の聴きやすいヘッドホンでモニタリングする機会が多くなりました。自分の作った音や音楽が、一番気持ち良く聴こえるので。でも、“本当にそれが正しいのかな?”という気持ちもあるので、解像度が高くて上(高音域)から下(低音域)までキレイに出て、スピード感が速い(反応が良い)ヘッドホンも使います。だから、ミックスの最終チェックや録音時はわりと両方のヘッドホンを使いますね。あまり自分の耳を信じていないので(笑)、“もっとも自分の音楽の粗が目立つもの、良くない感じで聴こえるヘッドホン”を選ぶんです。当然、その環境で音楽を聴く人もいるわけですから、自分が“嫌だな”と思う環境でモニタリングして、最終的に自分が楽しむために開放的なヘッドホンで聴くというやり方ですね。
ヘッドホンの見た目は重視しますか?
初めは重視していましたが、今は何でも好きになっちゃって。ヘッドホンをたくさん持ちはじめると、何でも良くなっちゃいますね(笑)。
新製品がリリースされるとチェックしに行くことも?
そうですね。最近はそんなにしていないけど、評判の良いヘッドホンはチェックしに行きますね。ただ、最近は新しいヘッドホンがバンバン発売されて、クオリティが高いものばかりだから、だんだん自分の耳が信じられなくなってきました(笑)。“全部いいなぁ”みたいな。